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VUCA時代に生きるZ世代の違和感

1. VUCAの時代とは

VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)という言葉が広く使われるようになった。
変動、不確実性、複雑性、曖昧さが増す時代を指すこの言葉は、多くの場面で耳にする。

しかし、Z世代である私には、これに対して少し違和感がある。

2. Z世代の視点から見たVUCA

私は、(ギリ)Z世代の一員だ。
社会の事を知り始めた頃には、既にVUCAの時代に突入していた。
そのため、VUCA以前の時代を体感していない。
「変化が激しい現代に、振り落とされるな!」
と言われても、頭では理解できても、体感としては全然ピンと来ないのだ。

3. 先人の教えと違和感

私は、自分が未熟者だと自覚しているので、先人たちの話は、常に"学び"として素直に受け入れてきた(つもりだ)。
しかし、心の奥底では実は納得できない事も、いくつかあった。

例えば、「TTP(徹底的にパクる)」「仕組み化」という考え方だ。
これらの経営論・組織論に対して、私は得体の知れない違和感を抱いていた。

4.TTPへの疑問

経営論で度々話題にあがるTTPとは、他人の成功事例やアイデアを徹底して模倣することだ。

しかし、世界は刻一刻と変容している。
過去の成功例をそのまま真似て、良い経営が持続できるとは思えない。

そもそも、「徹底的にパクる」とは、どこまで実現可能なのだろうか?
というのも、外部から経営をいくら分析しても、他者から見える部分なんて氷山の一角だ。仮に目に見える部分を完全にコピー出来たとして、それは限りなく表層の部分なのだ。
その下には、第一人者ならではの原体験や強い想い、歴史や信念がある。
土台がないのに表面だけ真似し続けて、上手くいき続けるとは思えない。

他者の模倣ではなく、経営者が自らの頭で考え、アップデートし続けることが重要だ。
これは、「自分だけの事業で自己実現した方がもっと楽しいよ!」という+‪α‬的な話ではなく、環境が変化し続ける現代では必要不可欠な事だと思う。

5. 仕組み化への疑問

同様に、マネジメント・組織論の分野においても、「仕組み化」という考え方に疑問がある。

特に部下のエンゲージメント向上などを「仕組み化」で解決するというアプローチに違和感がある。

人間は機械ではない。
取り巻く環境も変われば、体調や感情、考え方も刻々と変化する。
そんな中で、単一の仕組みを作ることで、生身の人間との問題を一気に解決できるわけではない。
もちろん効率化が出来るならそれに越したことはないが、私は生身の人間と対峙するマネジメントの効率化には限界があり、いずれ崩壊すると考える。
それよりも、一人一人と常に向き合うことが、最善だろう。

6. 違和感の正体

最近、気づいたことがある。
先人たちは、VUCA以前に学んだことを未だ声高に提唱し続けていることも少なくないということだ。

これこそ、Z世代=VUCAネイティブ世代である私が感じた違和感の正体だった。

私たちが何かを学ぶ時は、例えどんなにお偉い先生や優秀と言われるコンサルタントでも、現代にフィットしていない過去の産物を語っている可能性も十分あると理解しておく必要があるだろう。

7.結論

パクッたり、仕組みを作るということは、効率化ではなく、真剣に向き合うべき事から目を逸らし、手を抜いているだけだと思う。
結局、目まぐるしく変化する現代では、楽をすることはできないのだ。

過去の常識や成功例は一定役立つものの、そこで慢心してはならない。
常に今の環境や目の前の人たちと真摯に向き合い、自らの頭で考え続けることが求められる。

経営もマネジメントも、すごくすごく難しい。
手を抜きたくなることもあると思う。
でもそうした瞬間に、自分の大切なお客さまや仲間たちが、悲しい思いをすることになる。

私は、自分にしかできない事業で周りの人達を幸せにすることを追求したい。

余談①仕事がつらいZ世代の方へ

あなたの職場は、VUCA以前の慣習が残っている可能性がある。
いろいろうまくいかないのは、あなただけの問題じゃない。
だから、「自分は社会で活躍出来ないかもしれない」と悩まないで欲しい。
同時に、上司や上層部を責める必要もない。生きてきた時代が違うから、彼らも戸惑っているのだ。
あなたと同じように、本当は今の職場に違和感を持ち、改善したいと思っている人も、案外近くにいるかもしれない。
少しずつでも、より良い環境になりますように。

余談②Z世代に悩む上司の方へ

自分たちとは全然考え方が異なる、宇宙人のような存在だと捉えていないだろうか?
その感覚は非常に理解できる。でもそれは、生きてきた時代が違うのだから、至極当たり前のことだ。どちらが良い・悪いという話ではない。
大切なのは、「自分たちとは違う」と壁を作るのではなく、お互い理解しようと努めることだ。
記事に書いたように、Z世代はVUCAネイティブで、彼らの感覚は鋭い。彼らは現代にフィットしない組織の課題に対して、天然のセンサーを持っている。こんなに有難いことはない。
ぜひ、心を開いて、彼らの話や感覚に興味を持って傾聴してみて欲しい。

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