【忙しいプロやアマの方へ】よく起きる誤変換・誤用例【一校正者より】

漫画小説シナリオでのチェック不足。本当によく見るミスを簡易紹介。一助になれば幸いです。

ー見方の説明ー
・「例 」→ 「より違和感のない例へ」
※以下は説明。意味は『大辞林』『明鏡国語辞典』を参照しつつ【】表記

〜〜〜〜〜〜以下実例〜〜〜〜〜〜

・「おもむろに叫ぶ」→「唐突に叫ぶ」
※「おもむろに」は漢字だと「徐に」。意味は【ものごとの起こり方がゆっくりとしているさま】。【突然】の意味で使うのは間違い


・「喜びも一塩」→「ひとしお(一入)」
※【より程度がはなはだしくなるさま】。漢字表記はあまり見かけないのでひらがな推奨


・「例え死のうとも」→「たとえ(仮令)」
※ 【ある重要な事態が生じた場合でも、物事はそれには影響されずに進展するという気持ちを表す語】。喩えるのとは別


・「にも関わらず」→「かか(拘)わらず」
※【…であるのに、それでも】は後者。関係なしに、といった意味の場合はどちらでも可


・「喉が乾いた」→「渇(かわ)」
※【のどが潤いを失って水分がほしくなる】


・「酒を煽る」→「呷る」
※【あおむいて一気に飲む】は「呷る」


・「鼻が効く」→「鼻が利く」
※ 効くは【効果が現れる】、利くは【機能が働く。可能である】


・「物影に隠れる」→「物陰に隠れる」
※ 【物にかくれて見えないところ】は「物陰」。影に潜む能力とかならOK


・「足元をすくわれる」→「足をすくわれる」
※慣用句として正しいのは後者。よくある


・「火蓋が切って落とされる」→「火蓋が切られる」
※「幕が切って落とされる」との混同


・「思いの他」→「外(ほか)」
※音で聞いたことがあっても漢字で見たことがないとミスする可能性あり


・「腕前は並みだ」→「並」
※「〜並み」は【(〜と)同程度であること】、「並」は【世間一般にごく普通であること】


・「ターゲット補足」→「捕捉」
※よくある誤変換。「足」の字がどちらも入っているのでパッと見だと脳がスルーしがち


・「仲間に混ざる」→「交ざる」
※「混ざる」は【性質や種類の異なるものがとけ合って一体となる】、「交ざる」は【あるものの中に性質や種類の異なるものがはいり込む。仲間にはいる。グループに加わる】。「俺も混ぜろよ」だと融合合体になる


・「委縮する」→「萎縮」
※【縮こまって小さくなること。しなびて小さくなること】は後者。字が似ているので罠


・「お褒めに預かり光栄です」→「与り(あずかり)」
※【〔「に─」の形で〕〔目上の人から〕うける】は「与る」。「あずかる」の漢字を「預かる」しか知らないとこの誤変換になる


・「肝に命じる」→「銘じる」
※命令しないように気をつけてください


・「否が応でも盛り上がった」→「いやが上にも盛り上がった」
※【なお、いっそう】の意味は「弥(いや)が上にも」。よくある


・「間髪を置かず」→「間髪を容れず」
※【少しもあいだを置かずに】。本来「間(かん)、髪(はつ)を容(い)れず」。間髪(かんぱつ)ではないのでうろ覚えに注意


・「主席で卒業する」→「首席」
※「主席」は【国家などを代表する最高責任者】、「首席」は【第一位の席次・地位】


・「平行して作業する」→「並行」
※【二つ以上の物事が同時に行われること】は「並行」。字形も似ているのでこれも罠


・「仲の良い気の置ける友人」→「気の置けない」
※「気が置けない」は【気遣いする必要がない】。気は気遣いの気、と覚えるといいかも

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