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無銘海姫
2022年8月2日 21:52
一機の宇宙船が音もなく海岸近くに着陸する。「青い海に緑の森……故郷の星と同じ。本当に美しいと思わない?」船内で背の高い女性が銀色に輝く髪をかき上げ感激している。「確かにそうですけど、任務を忘れてはしゃぎ過ぎないでくださいよ」同じく銀髪の若い男性が念を押す。女性が丈高いのも相まって、彼はまるで少年のように見えた。「わかってるわよ。じゃあわたしは野外調査してくるから機材の準備は頼んだわね」