見出し画像

「クエスト攻略」case.2「職人業とリモートワーク」

「現地で接する」が封印された場合。

さて、例によって番外編。今回は「職人業」…とはいっても、飲食を中心に鍼灸、アロマといった「顧客とのリアルな接触が肝のサービス」を扱おうと思う。ちと再現性に欠けるのだが、まぁこれを機に何かの着想を刺激できれば幸い。どんどんパクって良いのでさっさと幸せになってほしい。それでは始まり始まり。

慌ててUberやテイクアウトを試してみたけれど。

実際、利益は確保出来たのだろうか?慣れない作業や包装費、人件費でコストがかさみ、正直なんとか倒産しないように持ち堪えるのが手一杯だったのでは。当然そうしなかったらとっくに死んでいたし、それで助かる顧客も沢山いたのだからそれで良いと思う。

とはいえ正直、次の感染症の戦いでまた同じ事をする事に大きな不安を抱えていないだろうか?

レシピの無料公開やライブ配信も試したけれど。

新しくファンを作る可能性に着手出来たのは良い事だ。例え今すぐ収益化出来なくとも、常連さんとの縁を切らさないだけで十分価値がある。試した結果扱える手札が増えたのも大事。いつか新しい戦い方を思いつけるだろう。

とはいえやっぱりすぐの収益化は難しい。これもどうやら本筋ではないようだ。

レストラン型ではオンラインで戦えない。

どうやら「完成品を仕方なく別手段で提供する」方式では無理があるようだ。仮に「お店と全く同じ状態の料理」を届けられても、「内装」「空間」「雰囲気」「器」「洗う手間」等…「そもそも各家庭環境がお店の環境に追い付ける訳がない」という欠陥がある。どれだけ上質の料理をテイクアウトしても家庭の日常感で飽き飽きだし、店主と会話してもZOOMはラグいし、前売り券を買う人はそもそもオフラインでないと満足していない。

となると前売り券しか手がないのだろうか?

一応これなら肝心の「現地」のサービスを売っているので、不満は出にくい。が、これも前もって十分な信用があってこそだし、新たな感染症で更に長期休業すればやっぱり潰れる。いざ開店しても、前借りしていた分のキャッシュの分だけ材料費は嵩むのでやっぱりジリ貧。うーむ、どうにも「現地」の戦い方では感染症に滅法弱い。果たして打つ手は無いのだろうか?

地味にコスパが良かったもの。

実は一つだけ気になったものがある。「レシピの無料公開」だ。これはコストはほぼ0円。基本、ネット上に編集して上げるだけで済む。別に利益を産んではないが、それでも顧客に対して感謝や発見を与えることは出来た。今までの中では、ややコスパの良い仕掛けではありそうだ。

待て、何かおかしい。

よくよく考えて欲しい。これがコロナ以前の日常でも成立していたか?例えば自分が忙しいビジネスマンだとしてだ。

「レシピは公開します」「材料費はそちらで用意してください」「食材も自分で購入してください」「調理もそちらでしてください」「洗い物もそちらでしてください」「食べてどうでした?」「プロほどでは無いですが美味しかったですよね?」「気に入ったら是非当店へお越し下さい!」「待ってます!」

なんてお店があったとする。正直に聞こう。『なんでそっちがするべき試食販売を顧客にここまで面倒かけさせた上にのうのうと集客させてるんだ!おかしいだろう!』とならなかっただろうか?

なると思う。なのになんでこれがコロナ時代は感謝に繋がっているのだ?明らかにおかしい。これって結構、大きな注目に値するのでは?

感染症時代はみんな自粛中。だからみんな時間が余り過ぎている。

どうやらここが狙い目らしい。きっと皆、暇をつぶす手段が欲しい。言い換えれば「昔みたいに自分に価値があると実感したがっている」とも言える。家族に振る舞ったりSNSにアップして、「何か自分に出来る事はないか」と悩んでいるのかもしれない。(いわゆる「ジョブ理論」「役割」というやつだ。)

BBQ型。「ごっこ遊び」が出来るって結構な価値では。

であれば、だ。

「プロとのマンツーマン指導で、擬似的にプロの技を体験出来る」

って、結構需要が無いだろうか。

具体的な方策。

つまり、スマホの画面と音声を利用した、「プロと顧客の二人羽織」システム。

蜷川美花さんがZOOM画面越しにシャッターを切るサービスをしたように、「プロの視点」「プロのタイミング」「プロの注意点」をマンツーマンで体験するシステムは、この暇な時間を「学習」という有意義な時間に変えてくれる。

要は、「毎年の新人教育の技術で収入を得たら良いんじゃないの?」というお話。

歯科医ならカメラ越しに家族の「診察ごっこ」を提供出来る。
リフレクソロジストなら足裏側からカメラで指示を出せば顧客の家族の足裏と反応が探れる。
料理人ならそのままマンツーマンの料理教室だ。

重要なのは、現地と同じクオリティを出す事ではなく、顧客に「家族を幸せに出来た」という「貢献感」を得てもらう事だ。(自社の新人に「最初の喜びを与える」という基礎中の基礎だ。いつも通り行えば大丈夫。)むしろ「やっぱりプロに頼んだ方が確実…!」と実感してもらうことが目的である。(正直簡単に再現される程度なら職人としてアウト。その場合は素直にキャラで戦おう。)

ついでに求人や口コミも期待できるかも。

大体人々が夢を抱くのは「救われた時」か「救えた時」の2つだ。であればこの機会、むしろ積極的に将来のファンと社員を取りに行くべきかもしれない。

実際「深く狭い対面コミュニケーション」は西野亮廣さんも「ドブ板営業」と称してメチャクチャコスパ良い、との言質あり。

何せ「この人のもとで実際働いて大丈夫?」という疑念への明確なカウンターだからだ。実質、業界最小規模の「有料で出来るインターン」とも言えるので、結構お得かもしれない。

まとめ。

スマホを通した二人羽織、「プロの業の擬似体験」をBASEで売ろう。結果オンライン講師に目覚めちゃうかもしれないけどそこはあしからず。どの道新人教育は毎年やってきたのだから、真っ当な上司であればさほど難しくもないのだ。

おまけ。もしも教える技術がないとしたら?

HAHAHA。元から死んでいるのに延命したいとはこれ如何に。一体今まで何人の新人を殺してきたらそんな事態になるのだ。ワンマン経営者のトップが機能しなくなったのだから大人しく死すべし。現実的には、会社を潰した後にカリスマ性を武器に自伝を出したらいいんじゃないかな?

▼『お喋り』はstand.fmで配信中!(朝10:30に毎日更新) https://stand.fm/channels/5eed41ab9c38bc03262bcf1b 実は割と、爽やかな声をしてる(らしい)。 ギャップが気になる方は、是非どうぞ!