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カート・コバーンが着ていた ダニエル・ジョンストンのドローイング Tシャツ

前のシーズンでは5つの90年代のTシャツを5つの90年代のエピソードと合わせて紹介しました。
このシーズンでは90年代のロックアイコン、もちろん90年代だけではなく、ロックの歴史においてもかなり重要な人物なのですが、90年代に絞れば異論なく最大のアイコンであるカート・コバーン、カート・コベインが着用していたTシャツをいくつか取り上げて、またいろいろと話したいと思います。

で、このシーズンの出で立ちなんですが、1992年にカートがスペイン、マドリードのレティーロ公園で撮影されたNirvanaのグループショットでのスタイルです。
マルーンカラー(色)のモヘアのニット、ハート柄のパジャマ、中にはダニエル・ジョンストンが描いたイラストがプリントされているTシャツを着ています。
ここでのカートは他では見れない眼鏡姿です。このウェリントンタイプの眼鏡とパジャマにガーデンがナードなスタイルのモデルケースになったきっかけのようなシュート(撮影写真)なのかもしれませんね。
もちろん、もともとオタクは昼も夜もないような生活をしてたからTシャツにパジャマで、肌寒かったらカーディガンを羽織って、昼も夜もなく、いつ寝て起きてもってことでコンタクトも入れられないし、実用的な大きめのフレームの眼鏡ってことだから、カートが作ったスタイルというよりオタクのあるあるスタイルなのかもしれませんが、グローバルなイメージの定着とスタイルの認知という意味でファッション化したのは間違いなくカート・コバーンで、その影響力は強いど思います。
1992年当時の他のロックミュージシャンを見てもこんなスタイルはありません。グランジのイメージ的なネルシャツスタイルや短パンスタイルはいくらでも見られますが...やっぱり、カートの感性はひとつ違う所にあったようです。

ここで着ているTシャツひとつ取ってもそうかもしれません。このイラストだけ見るととてもカッコイイと言えるようなものではないですもんね。それでもこれをチョイスしているのはカート自身がダニエル・ジョンストンというアーティストをリスペクトしたり、支持している表れとドローイングを見極めるセンスでしょう。
私はダニエル・ジョンストンというアーティストについてはあまり詳しくないのですが、youtubeなんかで曲を聴くことができますし、ドキュメンタリー映画もあったりするので、カートをきっかけに興味を持たれた方はご覧になったりして掘っても損をしたと思うような事は無いと思います。
私が持ったイメージはギターもしくはピアノを演奏しながら寝起きのニール・ヤングみたいな声で歌う、ローファイな音楽なので、取っつきやすいとは言い難いんですが、歌われる詩は日本人の私にもわかりやすい割と平易なwordでハッキリとした発音で歌われていますし、メロディも簡素でわかりやすい気がつくと耳に残るような良い曲があったりします。
具体的なタイトルだと、True love will find you in the end とか some thing last a long time とかです。これらは凄く良い曲なので是非聴いてみてください。

アンダーグラウンドな存在だったダニエル・ジョンストンですが、想像上の生き物のドローイングが何点かあり、その一つがプリントされたTシャツをMTVアウォードでカートが着用していたことでアンダーグラウンドのアーティストが世に知られるきっかけになったと言われています。多分に漏れず私もその一人です。
今、身につけている方は2枚目で1枚目がコチラです。1枚目を購入したのは多分カートが亡くなった後、95年くらいだったと思います。渋谷の宇多川町の方にあったレコード屋でしたね。
このダニエル・ジョンストンのTシャツは今でこそ割と簡単に購入することができますが、95年当時はまだそんなに流通しておらず、買った時ももう大きなサイズは売り切れていて、こちらはSサイズです。まぁ、当時は今よりスリムでしたので、Sサイズでも気に入って着用していました。
ある時、秋葉原〜御茶ノ水〜神保町あたりをブラブラして神田から帰ろうとホームで電車を待っていたところ、当時の私と同世代20代後半からもしかしたらもう少し若かったかもしれませんが、男の人、私と同じくホームで電車待ちの男の人がジーッとこっちを見てるわけです。何かなぁと思ってこちらもチラチラと横目で見てたら、その人がこちらにツカツカと寄ってきてですね
「そのTシャツ、どこで買ったんですか?」
って聞いて来たんです。
まだ一般にはネットが普及する前ですから、知りたい情報を手に入れるにはまだまだ直接的な行動を必要としたんですが、見ず知らずの他人に話しかけるってよほどのことです。きっとその時の彼もカートが好きだったに違いありません。私は優越感もあり、お店の場所と名前を丁寧に教えてあげました。宇多川町のマンションの一室のお店でわかり難い所でしたしね。
ただそのタイミングでお店に行ってもTシャツを手に入れることは出来なかったかもしれませんね。いつも店頭に並んでいるようなものではなかったですから...
着ていたTシャツについて声をかけられたりすることって、それ以前も、その後も何度かあるんですが、だいたい海外だったり、外国の方だったりすることが多いんですが、見ず知らずの日本の若者はその時だけかも知れません。貴重で懐かしい思い出です。

写真で観るカート・コバーンはダニエル・ジョンストンの他にもアーティストのロゴが入ったり、グラフィックが入ったTシャツを着ている写真が残っています。
アージ・オーバーキル、ソニック・ユース、キャプテン・アメリカ時代のユージニアスなど一緒にツアーを回ったバンドのTシャツの写真がありますが、その他にも映像化されているものもで他のバンドのTシャツを着ているものもありますので、次回以降そのあたりも紹介したいと思います。

今回はオマケの話がありません。イラストと写真です。(スミマセン)


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