#01 越境ECのメリット
越境EC(国際的な電子商取引)は、企業や個人事業主にとって国内市場を超え、世界中の消費者に商品を販売する新たなビジネスモデルです。グローバル化が進む現代では、オンラインで海外に商品を売るチャンスが以前にも増して大きくなっています。しかし、越境ECを始めるにあたっては、初心者の方にとって多くの疑問や不安があるかもしれません。
今回は、越境EC初心者の方に向けて、そのメリットを詳しく解説し、なぜ越境ECが魅力的な選択肢となり得るのかをわかりやすく説明します。
1. グローバル市場へのアクセス
越境ECの最大のメリットは、国内市場に依存することなく、世界中の消費者にアクセスできることです。通常、国内市場には限界があります。特に競争が激しい業界では、新規顧客の獲得が難しい場合もあります。しかし、越境ECを通じて海外市場に商品を提供することで、より多くの潜在顧客にリーチすることが可能です。下記グラフは「世界のBtoC EC市場規模(単位:兆USドル)」で、今後もEC市場規模、EC化率ともに右肩上がりに増加すると推測されております。
例えば、日本製品はその高品質さで世界中で評価されています。家電製品、化粧品、アパレル、伝統工芸品など、幅広い商品に対して高い需要が存在します。特にアジア、アメリカ、ヨーロッパの市場では、日本製の商品に対する信頼と人気が高まっており、越境ECを通じてその需要を取り込むことができます。
2. 国内市場のリスク分散
国内市場だけに依存していると、経済情勢や消費者の嗜好の変化により、売上が急激に減少するリスクがあります。しかし、越境ECを導入することで、国内市場の影響を受けにくくなり、収益の安定化を図ることができます。異なる国や地域は、それぞれ独自の経済動向やトレンドを持っています。たとえば、日本国内では需要が落ち込んでいる商品でも、海外市場ではまだまだ需要が高いケースがあるため、複数の市場で売上を分散することが可能です。
また、為替レートの変動を活用することも一つのメリットです。円安の時期には、日本の商品が海外消費者にとって割安に感じられるため、販売が促進されることがあります。これにより、為替相場の変動を活かして利益を最大化できる可能性があります。
3. 日本製品への高い信頼とブランド価値
日本製品は、品質、耐久性、デザイン性などの面で高い評価を得ています。これにより、多くの海外消費者が日本製の商品を好んで購入する傾向があります。特にアジア地域では、日本製の化粧品、食品、家電製品が人気で、越境ECを通じてその需要を取り込むことができます。
さらに、ブランド価値の向上という点でもメリットがあります。越境ECでの成功は、国内市場だけでなく海外でもブランド認知度を高め、国際的なブランドとしての地位を確立する手助けとなります。日本国内での販売実績に加えて、海外市場での人気が高まることで、企業やブランドの評価が一層強化されます。
4. 新たな収益源の創出
越境ECを始めることで、新たな収益源を確保することが可能です。特に、日本国内では限られた市場や需要に頼っている場合、越境ECを活用することで収益の多様化が期待できます。海外の消費者が日本製の商品に魅力を感じ、購入することで、国内市場での売上が減少している場合でも、海外からの売上でそのギャップを埋めることができます。
また、海外市場に向けて新しい商品やサービスを展開することで、国内市場では見込めない成長を達成することができます。例えば、日本ではニッチな市場である商品が、海外では広く受け入れられ、大きなビジネスチャンスを生む可能性があります。
5. デジタルプラットフォームの利用で簡単に始められる
越境ECを始めるための技術的なハードルは、以前に比べて大幅に低くなっています。現在では、多くの越境ECプラットフォームが存在し、それらを利用することで簡単に国際的な販売を開始することができます。たとえば、Amazon Global、eBay、ShopifyなどのプラットフォームやShopee(蝦皮購物)、Lazadaなどの海外ECモールに出店・出品する方法は、初めて越境ECを試みる企業や個人事業主にとって理想的な選択肢です。
これらのプラットフォームは、国際配送、決済、翻訳など、越境ECに必要な機能をワンストップで提供してくれるため、初心者でも安心して利用できます。さらに、これらのプラットフォームは、すでに多くの国や地域で認知されており、その信頼性を利用して販売をスタートできるのも大きなメリットです。
6. 短期間で国際市場に参入可能
越境ECを活用すれば、従来のように現地の代理店を設置したり、実店舗を構えることなく、短期間で国際市場に参入できます。これにより、初期投資やリスクを最小限に抑えつつ、新しい市場に挑戦できるのです。
従来の国際取引では、現地でのビジネス展開には膨大なコストと時間がかかりましたが、越境ECではその必要がなく、オンライン上で素早く商品を販売できるため、非常に効率的です。これにより、企業規模を問わず、誰でも気軽に海外進出のチャンスを掴むことができます。
7. マーケティングの自由度が高い
越境ECを通じて世界中に商品を販売する際、デジタルマーケティングを活用して自社商品を効果的にプロモーションできます。SNSや検索エンジン広告、メールマーケティングなど、さまざまな手段を組み合わせて、ターゲットとする国や地域に最適なプロモーションを行うことが可能です。
特に、InstagramやFacebook、YouTubeなどのSNSを通じて、現地のインフルエンサーとコラボレーションし、現地のトレンドに合わせた宣伝を行うことで、商品の認知度を高め、販売促進を図ることができます。デジタルマーケティングの柔軟性と自由度が高い点も、越境ECの魅力の一つです。
8. 24時間365日、世界中で売上を獲得できる
越境ECのもう一つの大きなメリットは、24時間365日、世界中のどこにいても売上を獲得できる点です。時差があるため、日本で夜中でも海外では昼間ということが多く、常にどこかの国で商品が売れる可能性があります。これにより、国内の営業時間に縛られることなく、継続的な売上を得ることができ、ビジネスのスケールアップに繋がります。
越境ECのメリットは非常に多岐にわたり、初心者にとっても大きなビジネスチャンスを提供します。グローバル市場に向けて一歩を踏み出すことで、国内市場だけでは実現できない成長や成功を手に入れる可能性が広がっています。