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身体の矯正、始めています

ここ2ヶ月間ほど、5月に舞台を4ヶ月ぶりに立てるとなったその2週間ほど前からできる範囲で身体のリハビリ的に運動をしてきました。舞台の結果は勿論、自分の中では残念賞でしかありませんでした

外での活動規制も、スタジオでの規制も、ジムの停止なども重なり、それはもうメンタルも「今は我慢」と違う方向で考えていたもので、それがいきなり舞台で100パーセントださなければいけないとなったときはどうしたものかと思いました


しかし、Youtubeを見ていて、Yuki Nakagawaという人のビデオを見て、科学的観点からの運動や、元々ダンサーだったらしい彼の説明などを参考に、家でもできるストレッチや運動を行ってきました

たった2週間やった後の舞台は、即席だったのもあり納得できるものではなかったものの、紹介されていた運動には何か、可能性を感じることができたので、彼のビデオの中でも自分に必要なものを選び組み合わせて、ほぼ毎日行ってみました。そこで思ったことを紹介しようと思います


俺は今、40歳を超えたおじさんです。昔のような(筋力や激し目の)トレーニングを控え、今の自分に最適なトレーニングに変更してきています。一つしかない身体、今まで使ってきたからとは言いたくはありませんが、膝にも異変が起きたり、筋力ではカバーできない違和感を直視する時がきています。つまりは、今までの間違いを肯定し、矯正する段階に入ってきているのだと感じました


16歳の時にクラシックバレエを踊っていて、股関節広げるために無理やりゴキっと外に開いたため、現在は苦労しています。爪先も無理やりに伸ばそうとしすぎて間違った使い方をしています。さらには右の手首も曲がった方向で慣れてしまっていて、うまく力が入らないことも多いのです

これらはまだまだほんの一部でしかありませんが、運動連鎖でつながっているために、様々な支障をきたしています

キネマティックチェーン。それともキネティックチェーンとでも言うのでしょうか。この年齢になってきた時に、本当にヒビが入ってきたように感じられるのです

若い頃にガムシャラに努力することは大切です。無我夢中で長所を伸ばし、短所を克服し突き進む。どんな困難にも負けないように進めば道ができてきた。ですが、この努力の連鎖の陰で少しづつ筋膜が固まり、関係ないと思っていたところにも影響が出てきたら、そこに注意してほしい


以前、オランダの学校で自己流のダンススタイルを教えていた時に感じていたことがありました。それは、まだまだ生徒はパーツでしか動きを感じれていないことが多いということ

『手、腕、足、脚、お尻、胸、肩、首、お腹、股関節、頭』まだありますが、これらの部分の名称を頼りに動きを直されていくばかりで、実は此処に集中しすぎて他が疎かになっているのです


確かに動き的にその部位がおかしいのかもしれませんが、大切なのはなぜその部位がそういう動きになってしまったのかということなのではないでしょうか


本当に大切なのは、流れ。一つの例として出すと、足のかかとをあげて上に身体を引っ張り上げるという行為、ダンスでいうルルベ。たくさんの人はまず、足に集中させ、それから様々な身体の部位を一つづつ丁寧に説明しょうとする。つまりは、「足を思いっきり伸ばして、太腿を引っ張り、胸をあげて、首をまっすぐ!」なんてたくさんの情報を与えて教育してるのではないでしょうか。

はっきりいうと、これらの情報全てに集中することは無理です。これでは流れで覚えることは無理であり、不自然で覚えることとなり、次の日にはまた間違った使いかたをしてしまい、また怒られてしまいます。「またできていない、元どおりになっているじゃないか」と・・・


さらに、よく言われるのが、中心(丹田)を感じて動けというのもこれの一つに当たります

中心から動くというのは本当に良いことですが、どうすればそれを教えられるかは難しいと思います。なぜなら個人個人が感じる『中心から』という感覚が違っているからではないでしょうか

そこでこのキネティックチェーンとバランスを中心に感じればいいと思っています


運動連鎖、つまりは部位ではなく全身はつながっているという真実と、満遍なく対象にバランスを取る動き(力を抜かしたときに感じる不安定な部分を感じてあげる)を想像で動かすことで流れが生まれるという教え方。想像力を中心に動きに表情をつけるチェーンです

コンテンポラリーダンサーで舞台に立ち、踊ることで大切なことは、表現することす。だからこのキネマティックチェーン(運動連鎖)だけを重点的に考えろとは言いません。つまりは技術面を強化して、表現を疎かにすべきではないという事

ただ、面白いことが言えるのは、内情を外にだすには内側とつながっていなければいけないということ。ただこれは、運動連鎖というよりは、感情と運動の連鎖で表情が動きに現れるということなのだろう


キネマティックチェーン、バランス、呼吸。動きにとっての鍵となっているこれらをどう感じ取るかでまずは筆ができあがる。後は、意識、感情、心情が墨となり、空間に色を出し、流れを紡ぎ出す




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