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【小説】終焉。僕は君らとこの物語を変えられるの、かな?6

第五章:一歩を。

「ここは…」意識が回復し始める。
見たことのある天井だ。
僕は状況確認しようと体を起こそうとするが、
視界がグワンと揺らいだ。
「うっ…、、、干渉の…反動…か…」眩暈めまいがした。
そして僕は、酷い車酔いの様な状態になり。その場に崩れ、戻してしまった。
立ち上がれない…!命の危機を感じた。
すると、後ろから扉が開く音が聞こえた。
「きゃッ!?」扉の向こうから来た人物は短く叫んだ。
「だだだだ、大丈夫?!の訳無いよね!!犀兎!?しかっかりして!」彼女は凄い勢いで近づいてき、僕を抑えた。
「あ、ぁ…、」呂律が回らない。
「<下級豊穣魔法:癒しの花ラベンダー>」三葉が唱えた。
少しすると眩暈めまいが引いてきた。
僕は彼女の方を振り向いた。
「いつも…ありがひょ。」口に違和感があり上手く喋れなかった。
「へへ、犀斗ちゃんと喋れてないよ〜?」
彼女はイタズラっぽく笑いながら言った。
僕の目から光の粒が流れた。
「え、ど、どうしたの?!急に泣き出して。私が煽ったせい…?」
「ううん。違うよ。三葉のせいじゃないさ。」
(あぁ…僕は戻って来れたんだ…)心の中で安堵した。
「それにしても驚いたよ犀斗?会議があるから呼びにきたら倒れてるんだもん。何か変な物でも食べたの?」
「いや、食べてないよ。なんか急に体調が悪くなっただけさ、」僕は誤魔化した。未来から戻って来た反動なんて言えるわけがない。
「も〜ほんとに心配なんだからね!」彼女は立ち上がり、綺麗で黒く長い髪を揺らしながら、少し頬を膨らませ、ピシッと人差し指を前に指した。
「ごめんよ。」僕は微笑み、応えた。
「私が犀斗を守ってあげるね!」彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめ言った。
(前にもこんなやりとりしたな…)僕は心の中で呟いた。
「あ、で犀斗。会議のことなんだけどさ」
「三葉。少し聞いてもいいか?今日って何年の何月何日だ?」僕は三葉の話を逸らした。
「え?どうしたの?急に?」彼女は疑問そうだ。
「教えてくれ。」
「えっと、今日は人統暦じんとうれき427年の7月1日だよ?」彼女は疑問そうに応えた。
「427年か、そっか。」
「ほんとにどうしたの?犀兎」彼女は心配そうに話してきた。
「いーや何でもない。よし、会議行こっか。三葉先行ってて。」
「あ、うん!わかった。」彼女は微笑み出ていった。
「人統暦427年7月1日…戦争について初めて会議した日…か。ちょうどいい日に戻ってこれた。桑棘…絶対変えてやるからな。」僕はもう一度決心した。
「よし。始めるか。僕たちの物語シナリオを!」そして僕は会議室へ向かった。
☆     ☆     ☆
会議室に着いた時には皆席に就いていた。
やはり、会議室は大きかった。
真ん中の最前列に三葉、桑棘、掠実かすみと並んでいるせいで余計に思う。
「隊長さんよ遅刻だぜ?」と桑棘は腕を組みながら言った。
「犀兎。三葉から聞いた。大丈夫?」短い茶髪の彼女のトレードマークの紫のアジサイ型のヘアピンを付けながら話してきた。
「あぁ、この通りバッチリだぜ!」僕は掠実かすみに対しグッドポーズをした。
「そう。ならよかった。」ちょっと冷淡な彼女も通常運転らしい。
(ほんとよかった。みんなも無事だ…)少しうるっときた。
「え、どうしたんだよ、おい」
「犀兎。なんか変」
僕がちゃんとしないとみんなを心配させちゃうからしっかりしないと。
「なぁ三葉。犀兎どーしちまったんだよ」桑棘は驚きを浮かべながら三葉に聞いた。
「私にもわかんないよ」
「そーなのか。てっきり三葉になんかやられたのかと思ったぜ。」
「え、なにそれ、私を何だと思ってるわけ?」
少し殺気を感じた。
「い、いや、そのぉ?」桑棘は僕に助けての視線を送ってきた。
仕方ないな。
「よーし、じゃ会議を始めるぞー」僕は棒読みで言った。
桑棘はありがと、と手をわせた。
「まったく。手を出すのは掠実だけにしてくれよな~」嫌味を込めて僕は言った。
「ッ!?」それを聞くなり掠実かすみは顔を真っ赤にさせた。
掠実はいつも冷たそうにしてるが、こういう時は、恥ずかしさで動揺して、ちゃんと女の子をしているのだ。
「お、おい。犀兎さんよ。ここは仲良くしようじゃないかよ?」
「え~だって、ね?」僕は笑いながら応えた
すると、
「もぉ!早く会議済ませちゃおうよ!」
「うん。そーだな。桑棘しっかりしろって。」
「犀兎も犀兎だよ!!」
「あ、はい。すみません。」
「三葉。今日も怖いね。」
「私は怖くないですぅ!」
「「ふっ、はっはは」」
皆で笑った。こんな他愛ない会話ができ、みんなで笑える今の僕は。
ほんと、幸せ者なんだろうな。
「始めよっか。」
「よし、じゃ点呼するか一応。」僕はなんとなく点呼したい気分だった。
「誰もいないがしとくかぁ。」と桑棘も同意してくれた。
「数精鋭第零部隊コードネーム<花園たちの夢>ロスニヒル隊長!
遊撃兼前衛奇襲:ネーム:犀兎ここに!」
「前衛兼奇襲サポーター:ネーム三葉ここに!」
「遊撃兼前衛補佐奇襲:桑棘ここに!
「前衛補佐デバファー:掠実ここに。」
みなきれいに羽織っている黒いマントをなびかせた。
皆いると実感出来ることが幸せだった。
「みんなありがと。戦争とかいうバカバカしい会議内容だが付き合ってくれよな」
「当たり前だろ。隊長さんよ。」「ええ。」「うん。」
「ありがとう。みんな。」
そして、僕は起動させたプロジェクターを操作し地図を映し出した。
「まだ戦争自体は始まってないから、ちょっとした下準備みたいな会議だけど」
僕はレーザーポインターで地図を指した。
「みんなもう知ってるかもだけど、先月西の大国家<聖ルミナス>が北の大国家<アクト>に宣戦布告もせずに攻め入り<アクト>を落とした。そして、その勢いで東の連合国<ゲステア>を落とそうとしている。それでだ、」僕は続けて話す。
「僕たちの大陸<ミドラス>は発展支援してくれた<ゲステア>に援軍要請をされ、僕たちが防衛戦に参戦することになった。」
「相手の戦力だが、<聖ルミナス>だけでも軽く20万は超えるだろ。それにだ、科学とかいうもので強化されてる兵もいるだろうな。人数通りの戦力じゃないだろうな」
「で?隊長さんよ、こっちの数は?」
「こっちの数だが、10万行くか行かないくらいだ。」
「まさか、<ゲステア>のお偉いさん方は俺らを盾にするつもりじゃないだろうな」桑棘は半分笑いながら言った。
「さーな。」
「それにしても結構な戦力差だよね。」三葉が呟いた。
「面倒。ほんと嫌になる。」
「仕方ないさ。僕たちは拾われた身。抵抗なんてできないさ。」
「っは、力なら抵抗できるがな!」桑棘が拳を前に突き出した。
「ばか。そんなことしたら消されるわ。」掠実は呆れ顔をしていた。
「やってみなくちゃわからない。なんてな(笑)」僕は冗談を言った。
「「ぷッはははは」」またみんなで笑った。
(もうみんなを失うなんて絶対に嫌だ。変えてみせるから。)僕は目を瞑り心の中で言った。
「よし。みんな今日の会議はここまでにしよう。お疲れ様。」
「おう、んじゃまたあとでだなー」
「僕は片づけをしてくからみんなは先帰ってていいよ。」
「わかった。じゃ、犀兎あとでねー!」
「了解。また」
みんなは部屋から出て行った。
僕はプロジェクターなのど片づけを終え、さっきみなが座っていた所の席に着いた。
そして、僕は座りながら今後のことを考えていたら強烈な睡魔が僕を襲った。
☆      ☆      ☆
僕は見覚えのある布団に入っていた。横には銀色の綺麗な髪をした母親らしき人物が居た。
今日も風で木の家がミシミシと音を立てていた。
「お母さん。あの話の続きを聞きたーい」
「え?あ、あのお話ね。わかったわ。***」母がほほ笑んだ。
「んーじゃぁね。豊穣の神様が生まれてどうなったかを話してあげるわ。」
「うん。わかった!早く聞かせて!」僕は布団を叩きながら言った。
「はいはい。わかったわ。」
*      *      *
<人魔暦212年>

<亡魔>スレインを払い尽くした彼女の周りの地は活き活きとしていた。緑が蔓延はびこり、土はよい色をしていた。
その緑の中心には純白の服を着た女神が居た。
すると、緑の中心で立ち尽くしていた彼女ところに馬に乗って、3人の兵を連れた偉そうな者がやってきた。
「我はこの国の第二王子。アラク・ルミナだ!貴女様が我らを<亡魔>スレインから守ってくださったのですね。この国の代表とし感謝申し上げる。それでだ。城に来て陛下にあってもらいたい。よろしいですか?」アラクは彼女に手を差し伸べてた
瞬間、風が吹き彼女の白い髪が揺れ、アラクと目が合った。
(ッ!綺麗な瞳だ…)アラクは彼女に目を奪われた。
「アラク様どうされましたか?」後ろに居た兵が声をかけた。
「いや、何でもない。」彼は早口で答えた。
彼女はアラクが差し伸ばした手を取り馬に乗った。
そして、王城に向かった。

「?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
脳内に様々な悲惨な物語が浮かび上がった。
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
だが、突然視界にノイズが走り物語が途切れ。た。
……-……--…-……-……-……--…-……-

声が聞こえた。
「犀兎の髪ってほんと綺麗な銀色だよね。」
「うん。私もそう思う。でも、三葉の黒い髪も綺麗。」
「掠実。俺の髪はどーなんよ?」
「普通。あなたの金髪は」
「なんだよ、普通ってよ。」
「んっ、ん~」僕は身を起こした。違和感を覚えた。なにか重要なことを聞けてないような。忘れちゃいけないことを忘れているような…
そして僕が目を開けると
三葉の腕が僕の頭に伸びていた。
「三葉…?」僕は半分驚きながら言った。
「…!///」三葉はさっと手を引き違う方を向いた。
「あれ…なんでみんないるんだ?」僕は問った。
「だってもねぇーよ、お前が来ないから戻って来たんだよ。」
「あっれ、僕は片づけをしてて…」
「まぁいいや、犀兎。行くぞ。」
「え?」
僕は半ば強制的に椅子から立たされ、覚束ない足取りで桑棘に連れてかれ、外にでた。

???「ちゃんと思い出させてあげるからね…」

六章終。

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