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#ひとりのときにきづくこと

 ときどき聴いているラジオ番組『あんこはるかの寄せ書きRADIO』に、初めてお便りします。ちょいと長過ぎますが。

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 近頃ひとりきりでするのは、溜ったテレビ録画を観ること。

 我が家のHDレコーダーはリビングに置いてあるので、ひとりきりで観たいと思ったら、家の人間が出掛けているか寝静まっている時しかない。面倒だが、ひとり深更或いは暁に亜空間へと潜るような、ちょっと背徳感もふくむ感じがよい。

 ディスクの容量を空けるのが主目的であるので、消すか残すかビミョーな番組を優先的に観る。ジャンルの一貫性もあったもんではない。なんで録ったか解らない物もしばしば出会う。

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◆三島由紀夫没後50年の特番
 既に名を揚げてから、『近代能楽集』をニューヨークで上演すべく単身渡米し奔走したが結局叶わず帰国、というエピソードが印象的だった。はじめは豪華ホテルにいたが、長い滞在で費用が足りなくなり安ホテルに移ったとか。似合いそうな似合わなそうな。
 あと、筋肉自慢が有名だけれど、昭和30年代ボディビルのメソッドで見た目だけでなく虚弱だった体質も元気になれたのかな? と思った。

◆刑事ドラマ
 ふだん観ないようなものまで何故録ってるか? と思ったら、ゲストに好きな人が出ているからだった。
 洞口依子は悪人ぽく出てきたけれど、最後の最後で急に良い人の顔になった。
 西田尚美は取っ付きやすそうな風情かと思ったら、悪意と魔性を滾らせた嗤い方にびっくりした。

◆通販チャンネル
 ファッションの番組に出てくる、好きなモデルさんが一人いる。ものすごく美人というのではないが、フェミニンもマスキュリンもカジュアルもフォーマルも、どんなにダッサイ服でも、着こなしてしまう。一挙手一投足、表情より、モデルオーラを放ち(ダッサイ服を制覇する時が、いちばんカッコいい気がする)。
 最近、その人が喋る姿を見た。オーラは消えていた。無言の彼女を今後も応援する。

◆所さんのそこんトコロ
 たまに観る。『開かずの金庫』シリーズはちょっと飽きてきたけれど、トリビアは大好物。
「新宿から富士山頂へ勤務する人」
「立命館大学の謎の地下道」
「儀仗隊訓練」
「深海魚を普通の水圧に慣れさせる」
 とか、堪らない。

◆BSよしもと
 きっとまだ知らない人が多かろう『BSよしもと』という、むろん吉本興業によるチャンネルが今年3月よりスタートした。
 もはや誰だか判らない近頃の若手芸人から、やすしきよし・いとしこいしまで出てくるアーカイブまで広く網羅しているし。
 ふつう足を運ぶかDVDを買わなければ観られない単独ライブが拝めるのも有難いし。「最近見ないなぁ」という人も近況を知ることが出来たり。
 漫才・コント・ドタバタしたバラエティーばかりでなく、落ち着いた番組もある。今回見つけたお気に入りは『又吉・せきしろのなにもしない散歩』。共著で俳句集を出している二人が、東北限定なのかな? 自由律俳句をしたためつつ巡りゆく。

◆女系家族
 山崎豊子原作のドラマ。大阪船場の老舗問屋を仕切る女たちと死んだ婿養子の愛人による遺産相続の話。
 度々映像化されているが、今回観たのは昨年末のスペシャルドラマ。寺島しのぶ(本家の長女)と宮沢りえ(愛人)。
 中身がどうこう以前に、やはり関西人なので関西弁が気になって仕方ない。よく喋る役柄の渡辺えりがアクセントを派手に外してくれるのに笑ったり。
 しかしながら、敬語だとか、相続にまつわるお堅い言葉を羅列するとなると私も正しい発音がわからなく、画面の内外ともに世界が歪んでゆくばかりでくらくらしてしまった。最初の映画版(京マチ子と若尾文子)ではそんな混沌は覚えなかったと思うので、また見直して勉強さして貰いまっさ。

◆或る映画
 その映画自体は特に別にアレなんだが、劇中に使われる或る曲で、琴線をいじられて、ぽろぽろ涙してしまう。
 久々に聴いたが、今回はちょっと視界が潤むぐらいで、泣かなかった。
 曲に飽きたのだろうか。それとも曲に絡みとられる私の中の何かが、薄れつつあるのだろうか。

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 そんな最近のひとり時間、です。

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