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やっと時代が私に追いついたなあ

子供の頃から母親に、どうして普通にできないの、普通にしなさい、何か一つのことを頑張って続けなさい、座ってそろばんしなさい、などと言われて育った私は、飛び回る多様性であった。

元々、仮死出生で、産婆さんのところで真っ白(母談)で生まれ、救急車で総合病院に運ばれて、保育器で人工呼吸をされたとのこと。その時に医師からは、命が助かっても脳に後遺症が残るだろう、と言われたらしい。親は命が助かるとその事を忘れて欲を出した。特に母親には叱られたことしか覚えがない。

一人で近所の山や沼地や寺や墓場を走り回り、木に登り枇杷を食べ、よもぎをちぎり、蕨を探し、おたまじゃくしを育て、虫を捕まえた。ネズミを捕まえて虫籠で飼い、1日後あまりの臭さにドフに逃した。自転車で校区外に出て、本屋で漫画を立ち読みした。川は学校で遊んじゃダメだったから積極的には行かなかったが、小2年のとき妹の帽子が川(ドフ)に落ち、拾いにいき、足の裏にガラスが刺さり、ドバドバ血がでて痛いわ妹は泣いて親を呼びに行けないわで大変だった上、先生にも母親にも叱られて叱られた。

近所の友達が学研の科学と学習の科学のほうを定期購読していて、付録についていた虫の標本作りセットや、顕微鏡を借りた。注射器でバッタを気絶させ、自分の髪の毛を拡大し、感動し、親に買って欲しいと頼んでみたが、相手にされなかった。

漢字ドリルや計算ドリルは大嫌いだったが、調べたり書いたりする勉強は大好きだった。本を読むのも作文も工作も手芸も好きだった。


小5.6のときの担任が、あの時代によく存在できたな、と思うくらい変わっていた。よく、グループ全員叱られても私一人だけ廊下に座らせられたりと厳しかったが、だんだんと、私の素行を許すようになった。認めてくれるようになり、あまり叱られなくなり、むしろ、伸び伸びとさせてもらった。

特に私に影響したのが、毎日の宿題が自由研究だったことだった。6年は、ドリルはなく、宿題は何をしてもよく、各々出さない人もたくさんいた中で、自分なりの宿題=自宅で頑張ったこと、を出したら、よくできました💮のハンコ、それに1つの赤いシールをくれ、後ろの壁の児童の名前の書かれた一覧表の自分の枠に貼る。

図鑑を写した絵を書いても💮、縄跳びしても💮、ミニ小説を書いても💮💮、毛糸で帽子を編んで持っていっても💮💮💮。楽しくてどんどん学習し製作した作品を先生に出した。シールを貼る台紙の表は、私の名前の部分の切り取りが上に上に溜まり、シールが並んだポストイットみたいになっていき厚くぶら下がる。母親に褒められなくても、自分がこんなに頑張った、褒められた、と自分を褒めて、ますます勉強も、何でもやることも、生活も、学校も好きになっていた。楽しかった。

6年の時は、頼まれて書いたボランティアの作文で県で表彰され、初TV、新聞デビューした。表彰式に県庁所在地に担任と、父親と、3人で出向き、発表した。帰りにデパートの屋上のレストランでお子様ランチを食べた。先生が嬉しそうで、私にキーホルダーを買ってくれた。
ちなみにその担任は、その年定年を前に退職し、今我が家の近所で100歳間近。お元気にされている。私の生き証人である。

現在自分はオーバー50で、ややこしい人間関係を避けてパートやバイトをダブルトリプルではしごし、いろんな仕事経験をし、資格もたくさんとるため勉強し、子供が教えてくれるゲームをし、新しい曲、サカナクションやセカオワ、KANA-BOONの音楽を聴く。ライブにいく。映画館でバイトしては帰りに無料のスタッフ鑑賞をして感性を刺激する。いろんなことを次々し、自分を更新してはまたどんどん更新する。

パソコンは、20年前ネトゲをしてタイピングのスピードを上げた。その後も畠違いなIT関連の起業家の集いの場にいき、アプリを作ってみたりもした。看護師やケアマネジャーとはかなり関係が薄いが、趣味として触り続けた。
時代が来て、今まで自己流でやっていたことが、自宅で寝転んで、TikTokでスマートなやり方を学べる。それを覚えなくてもスマホがあればすぐにGoogle先生が教えてくれる。

いろんなことで自分を更新し続けた結果、同じ年代が苦手なパソコンを、社用ソフトを、Excelを、仕事で苦手意識なく、今からでも何でもやりながら覚えていくことを苦にしない気持ちがある。これが今の仕事に就くのに、居場所を作るのに、かなり優位になった。

みんな新しいことをやることはすごく大変で難しいと思っている。やれば大したことはないのに。

常識的でありなさい、人の評価を気にしなさいとコントロールされ、押しつけられ、息苦しい思いをしてきたが、今は多様性の時代、そんなことを強要すればハラスメントだ。

最近やっと自分に合った時代がきたなと感じている。

デスクワークと営業。私が一番得意な分野での仕事が得られたのは、時代がやっと私に追いついたからだと思っている。

来月はライノセラスという3DのCAD様ソフトの研修に出してくれるらしい。ライノセラス自体が高額で、研修も20万近くかかる。それを仕事でさせてもらえる予定。嬉しくて、勝手に自分でテキスト購入し、自宅でもうYouTubeで予習している。

二兎を追うものは一兎も得ず、というらしいが、二兎を追えば、三兎もにんじんも手に入るのではないかなあ。





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