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インプットは絵の具になるハナシ

就労継続支援ビルド

こんにちは。就労継続支援ビルドの秋田です。
ビルドは札幌にあるイラストとグラフィックデザイン（あえてグラフィックデザインと限定しています）に特化した就労継続支援B型事業所です。
利用者さんは日々

  • スキルアップを実績を作って将来の一般就労を目指す

  • のんびりとこれからの人生について考える

  • がんばるのに疲れて休憩中

などなど、

様々な理由で通っています。

専門学校や大学でデザインやイラストの勉強をしてきた方、ものづくりが好きな方、趣味で絵を描いている方、デザインとイラストの区別もわからない方など、背景もいろいろです。
ビルドを利用するにあたり経験・スキルは問いませんが、基礎練習から始めたり、いきなり実践だったりと、経験やスキルに応じた作業内容・練習内容になります。

特に、憧れの気持ちがあっても事情があって勉強する機会が無かった方、障害の影響で適切な情報を得ることが難しい方については
ビルドのカリキュラムを一通り経験していただき、どのようなことができるのかを体感として知っていただくことが重要と考えています。

なぜでしょう？
選択と決断をするためには、判断材料が必要だからです。

絵を描くとき、画材が必要ですよね。
この場合は絵の具と表現します。
絵の具が無ければ色を塗ることができません。（絵の具が無いなら他のツールを、というのは、今は別の話）
黒1色でも濃淡で表現できますが、使える絵の具が増えれば表現できるものも増えます。
赤青黄色の3色が使えたら表現できるものはほとんど無限に広がります。
経験や知識＝絵の具が1色のみだと判断が難しい場合があります。また、何かしらのネガティブな経験をしてしまった場合には、サンプルが少ない状態で「もうダメだ！」となってしまったり、他の選択肢を選びづらくなってしまうこともあります。詳述しませんが、これは障害の特徴も影響しています。

というわけで、経験を増やして絵の具＝考えるための材料を増やしていきましょうという方針です。

もちろん、デザイン/イラストはコースが分かれているので、「どっちもやりたい！」の場合を除いて、特定のカリキュラムを経験していただきます。全く興味が無いことを無理やりやっても楽しくないですからね。取り組んでいくうちに興味が出てきて、イラストをやっている方がIllustratorの練習を始めたり、デザインの方がイラストを描き始めたりすることもあります。

例えばイラストの描き方を調べたら、まず出てくるのは「模写をしましょう」「資料をたくさん調べましょう」「観察しましょう」です。
上記はインプットの部分です。資料も知識も経験も何も無い状態で絵を描くことはできません。観察する力は経験の蓄積です。
プロの漫画家やイラストレーターが、何も無いところから描いているように見えるとしたらそれは、その人の内側にたくさんの知識と経験が蓄積されているからです。

何をするにしても、それについて考えるための材料が必要です。今までに無かった全く新しいものって、たぶんもうこの世にあまり無いのですよね。
今は当たり前にみんなが使っているスマホだって
音楽を再生するツールであるiPodとケータイ電話の融合から始まりました。
音楽を再生する機器→蓄音機と電話がもともとあったからこそ生まれたツールです。
150年前には発明されていた電話や蓄音機ですから、今さら「今まで見たことも無いまったく新しいものを発明しよう！」というわけではなくて、iPhoneが生まれるためのモトがあったのです。
車だって、もとは"馬のいらない馬車"、つまり馬車ありきの発想です。

このように、「どんなものがある」「どんな経験をした」「何を知っている」といったものが材料になって発想が生まれ、自分が何をしたいのか考えることができます。
人生設計も同様です。

「あの頃に、これに出会っていたら人生変わっていたかも…」ということが多々あります。
経験していないこと、知識が無いものは選択肢に入らないのです。
秋田の場合は、思春期に宝塚歌劇団や劇団四季、劇団☆新感線に出会っていたら、たぶん沼にハマって大変なことになっていたでしょう。何も刺激のない田舎育ちで良かった…のかどうなのかはわかりませんが。

ビルドではイラストやデザインの仕事を実際に経験できますし、グッズ制作やイベント参加も行います。
イラストやグラフィックデザインに特化している分、幅広く様々な業種（体を使う仕事、内職系、接客業など）を経験することは難しいですけれど。
実際に、ビルドの事業で経験したことからご自身の活動に発展させるといった流れも生まれています。
だからこそ、ビルドでは「他の業種（の一般就労や事業所）を経験してから利用する」ことを推奨しています。
絵の具は多いほうがいいですからね。ぜひとも他の事業所で絵の具を増やしてから、さらにビルドで絵の具を追加してほしいと思っています。

今日は、ビルドでできることをご紹介してみました。
もし、ビルドに興味をお持ちいただけましたらお気軽にお問い合わせください。

サバンナを背景にカラフルな衣装を着た褐色の肌の女性
テーマ：エキゾチック

今日のイラストは、利用者のサトさん（仮名）に描いていただきました。
カラフルな衣装を着ているので内容に合っていますね！
#みんなのフォトギャラリー に登録しますので、よろしければご利用ください。

いただいたサポートは利用者さんの工賃に！素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。