見出し画像

ペンライトに愛を込めて~ハロヲタの愛が光ったタンポポ祭~

アーティストのコンサートに参加する時、必須のアイテムが輝くペンライト。最近ではボタン1つで色を変えられる電池式のキングブレード(キンブレ)もありますね。曲に合わせて色を変えたり、たくさんのグループが出てくるコンサートでは推しメンに合わせて色を変えたり(笑)盛り上げ要素として、かかせないものになっています。


嵐のコンサート。色とりどりのペンライトが光ります。


μ'sの人気曲『Snow halation』では、間奏明けにオレンジ一色にするのが恒例に。

この様に会場にいる皆がペンライトを一色に揃えるイベント、実はハロプロから始まったのです!

2002年・タンポポ祭

2002年夏、アイドル集団ハロー!プロジェクトでは、大規模な構造改革『ハロマゲドン』が起こりました。ハロマゲドンについてはこちらをどうぞ!



このハロマゲドンで行われた改革の1つが、人気ユニット『タンポポ』のメンバーチェンジ。

画像1

上段右:飯田圭織さん、上段左:石川梨華さん

下段右:加護亜依さん、下段左:矢口真里さん

当時黄金期だったモーニング娘。はグループ本体はもちろん少人数でのユニットも大人気。その中でもタンポポは初めてグループ内で結成されたユニット。途中メンバーの卒業&加入もありましたが、派手さはなくとも女の子らしいかわいい曲、見ているだけで和やかになるメンバーでハロヲタにとって愛着のある存在。


グループ最大のヒット曲『恋をしちゃいました!

しかし、ハロマゲドンによってタンポポから飯田さん、矢口さん、加護さんが卒業。残る石川さんと新たなメンバーを加え新生タンポポとして活動することに。人事異動的なメンバーチェンジに多くのファンは反発。反対署名運動があったとか、シングル曲の購買運動があったとか…そんな話もあります。でも、残念ながら当時のタンポポ、通称『二期タンポポ』の最後の日は近づいてきます。

掲示板に書き込まれたひと言

当時、タンポポ単独のコンサートはなく、モーニング娘。のコンサートのユニットコーナーにて曲を披露していました。そのため、二期タンポポのラストステージは『モーニング娘。コンサートツアー2002夏~LOVE is ALIVE !~』のファイナル、2002年9月23日の横浜アリーナ公演と決まっていました。この日はタンポポと同じくメンバーチェンジが決まっていた二期プッチモニのラストステージ、そして絶対的エース・後藤真希さんのモーニング娘。卒業公演でもありました。メインは当然後藤さんの卒業。当時のモーニング娘。のコンサートは台本に忠実に進んでいたので、ツアー中のタンポポのステージも冒頭に簡単な挨拶をした後、メドレーを披露して終了。というあっさりしたものでした。その事に不満を持っていたファンはネット掲示板にこう書き込みました。

タンポポのとき一面黄色にしてえなあ

それを見た他の人も

あなた今良いこと言った。
やりますか。

その後も着々と計画が練られ、

①企画名:タンポポ祭2002~たんぽぽのように光れ~
②日時:2002年9月23日(月)・夜公演
③内容:タンポポ出演時に高発色の黄色いサイリウムを一斉に掲げる

という流れが決まりました。しかし、当時はSNSは発達しておらず、ファン同士の交流の場はネット掲示板やファンサイトでのやり取りが中心。現在の様に拡散が出来ない為、なんとなく伝わって、本当に出来たら良いな、ぐらいの感覚だった様です。それでもじわじわとファン同士でこの祭の話が伝わり、ラストステージ当日まで密かに準備が進められていました。

そして当日…

鳴りやまない『ごっちん』コールの中、コンサートはスタート。最新曲『Do it Now!』を皮切りに、今までにない緊張感、迫力でステージは進みます。当時のモーニング娘。コンサートは、
前半→全員
中盤→ユニット、ゲストコーナー
後半→再び全員
という流れが定番。この日もその流れ通りに前半を終え、ユニットコーナーへ。そしてそのトップバッター・タンポポがステージに登場すると…


4人の目の前に現れたのは、綺麗に光る一面のタンポポ畑。

リーダーになって以降、素直に感情を表に出すことが少なくなっていた飯田さんも思わず、

タンポポがいっぱいだよー!!

と涙を流しながら叫びます。感情表現が豊かな矢口さんは号泣。いつも元気な後輩組、石川さんと加護さんも号泣。ラストステージに相応しい、涙と愛でいっぱいのパフォーマンスとなりました。

なぜ成功したのか?

前述の通り、今の様にSNSがなく拡散が難しい時代。また、ボタン1つで色が変えられるペンライトではなく、単色のケミカルライト(パキッと折って光るヤツ)型サイリウムが主流で、わざわざ用意しなければならない中で祭が成功したのか、それは他ならぬ『ハロヲタの愛』!!

SNSもブログも、握手会すらほとんどなかった時代。感謝の気持ちを直接伝えたくても、その機会すらありませんでした。それでも何とかしてタンポポへありがとうの気持ちを伝えたい!という愛がハロヲタ皆の気持ちを動かし、成功したのです。会場周辺のサイリウムを販売しているお店では黄色いサイリウムが売り場から消えた、という噂も。そんな訳で、残念ながらその場にいてもサイリウムを手に入れられなかった人もその瞬間は自身が掲げていた他の色のサイリウムを下げ、会場が黄色一色になる様に協力しました。サイリウムを持っていた人も持っていなかった人も、皆が愛を持って祭に参加しました。台本にはない、メンバーの素直な反応、飯田さんの言葉。感謝の気持ちはタンポポの4人に十二分に伝わり、大成功を納めたのでした。

画像2

一面の黄色に感動し、言葉を失うタンポポのメンバー。

ペンライトに愛を込めて

その後、この会場を一色にする祭は恒例化し、メンバーの卒業公演、誕生日公演にはメンバーカラー一色に会場が染まる様になりました。ハロプロだけでなく、他のアイドル、アーティストのコンサートにも浸透。さらに現在ではボタン式ペンライトになった分、ソロ曲になればボタン1つで会場を一色に染める事も簡単になりました。昔はそんな事があったんだなぁと知るだけで、ペンライトを振る時の気持ちが変わるのでないでしょうか?
ペンライトに応援する気持ちを、感謝の気持ちを、胸いっぱいの愛を込めて。
それがたくさんできる日々が、皆さんの元に早く戻って来ますように。

画像3

二期タンポポマストグッズ

後藤真希さん卒業公演。タンポポ祭もバッチリ収録!

ラストステージ直前に発売されたベストアルバム。シングル&カップリング曲まで網羅。二期タンポポとしては最後の曲『I&YOU&I&YOU&I』は必聴!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?