【宝石解説】翡翠(ジェダイト)②-鉱物としての特徴編
はじめに
人類のみなさん、こんばんは。むじゅんです。
この記事を見つけてくださってありがとうございます。
わたしと一緒に、「知らなくても生きていけるけれど、知っていると人生に深みが出ること」を勉強していきましょう!
※筆者は専門家ではありません。ご了承ください。
今回一緒に勉強するのは、前回に引き続き、翡翠(ジェダイト)という宝石。
前回は、翡翠の基礎データを見ていきました。前回の記事をまだご覧になっていない方は、ぜひご覧になってくださいね!
(YouTubeで音声解説動画も上げていますので、どうぞよろしくお願いいたします。コソッ…)
それでは、翡翠の鉱物としての特徴を一緒に勉強していきましょう!
翡翠の色
みなさんは、翡翠と聞いて、真っ先に何色の石を思い浮かべますか?
淡さや濃さに違いはあれど、緑色の石を想像する方が大半なのではないでしょうか。何を隠そう、わたしもその一人です。
しかし、実はいろんな色の翡翠が存在します。赤い翡翠、オレンジ色の翡翠、ラベンダー色の翡翠、黒色の翡翠などです。赤色やラベンダー色の翡翠は、日本で人気が高いと言われています。
しかし、翡翠で最高級とされるのは、緑色のもの。それも、鮮やかで深く、透き通った緑色の琅玕(ろうかん)と呼ばれる翡翠です。瑞々しく青い竹に例えられるこの翡翠の発色は、クロムや鉄によるもので、鉄が20%以上を占めるものをオンファス輝石、またはクロロメラナイトと呼びます。
そんなカラーバリエーションのある翡翠ですが、成分の構成上、青色の翡翠は存在しないと言われています。
翡翠ができるまで
翡翠は、造山運動が盛んな蛇紋石の中で成長し、地殻変動で地表へ出てきます。そしてそれが風化し、川から海へ出てきます。
ほとんどの翡翠がこのルートを通って見つかるため、土壌から発見される原石は稀なのだそう。だからか、日本で有名な翡翠の産地は、糸魚川市の姫川流域や、富山県のヒスイ海岸といった場所です。
丈夫な石、翡翠
「硬い石」といえば、誰もが知る有名な石があります。そう、ダイヤモンドです。
ダイヤモンドは、世界一硬い石です。しかし、硬さでは敵わないものの、丈夫さだけで言えばダイヤモンドよりも壊れにくいとされる石があります。それが翡翠なのです。
その秘密は、まるでフェルトのように絡み合った繊維にあります。ダイヤモンドは、たしかに硬いのですが、ある一定の方向からは割れやすい性質を持っています。しかし、翡翠は繊維が頑丈に絡み合い、安定して丈夫なのです。
その丈夫さを表す例えとして、翡翠を割ろうとしたら、割るための道具として使っていた鉄槌が欠けてしまうといった例えがあります。
7千年間勘違いされていた石
そんな翡翠ですが、実は、人類が翡翠と共に歩んだ7千年の歴史で、勘違いされ続けていた石でもあります。
というのも、全く異なる2種類の鉱石が、同じ“翡翠”として認識されていたのです。その誤解を打ち破ったのは、フランスの鉱物学者ダモーラ。
1863年、彼は同じ“翡翠”だと思われていたジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)を2つにはっきり区別し、ジェダイトはヒスイ輝石というパイクロシーン(輝石グループ)の1つ、ネフライトは角閃石という風に鉱物学の視点からも区別しました。
硬度はジェダイトの方が高く、ジェダイトの方が希少で高価になります。一般的な価値の差は歴然で、ネフライトは半貴石に分類されてしまいます。
しかし、この2つの全く異なる鉱物は、非常に見た目がよく似ており、見分けるのが難しいとされています。特に、旅行先や安価な石屋で購入する際は、ジェダイトと偽られたネフライトや、繊維状であることを生かして染色されたジェダイトも多く出回っているので、購入しないように注意する必要があります。
フォールスネームとそっくりさん
翡翠という宝石は、有名で重宝されたからか、「翡翠」と名前についていても翡翠ではなかったり(フォールスネーム)、そっくりであるために翡翠であると誤認されやすい宝石が多くあります。
「翡翠」と名前についていながら翡翠ではない宝石は、インド翡翠(アベチュリン)、オーストリア翡翠(クリソプレーズ)、南アフリカ翡翠(緑色のグロッシュラー)、アマゾン翡翠(アマゾナイト)、オレンジ・ジェイド(オレンジ色の方解石)などです(「ジェイド」も翡翠を表す言葉です)。
翡翠と誤認されやすいそっくりさんな宝石は、先ほど説明したネフライト、アイドクレーズ、グリーンクォーツ、ハイドロ・グラッシュラー・ガーネットなどです。
おわりに
今回は、「翡翠の鉱物としての特徴」を一緒に勉強していきました。
翡翠は緑色だけではなく、カラーバリエーションがあり、それぞれまた違った魅力があります。
翡翠という宝石は、主に東洋で珍重されてきた歴史的な石で、人類の歴史に深く関わってきました。それほど大切な石だからこそ、フォールスネームやそっくりさんが生まれるのでしょう。
特に、7千年もの間混同されてきたネフライトとは、切っても切れない関係にあります。
そんなネフライトですが、一般的な価値が低い石だからといって、石そのものの価値が低いと決めつける必要はないと思います。これから予定している、パワーストーンとしての翡翠を一緒に勉強していく記事にもありますが、ネフライトも、ジェダイトと違い、きちんと力を持っているのです。
石の価値は、人間が勝手に決めるものです。ですから、「ネフライト=ジェダイトの偽物」のような扱いをせずに、独立した存在の石として愛したらいいんじゃないかなとわたしは考えています。
Youtubeに今回の記事の音声解説版動画を上げているので、覗いてくださったら嬉しいです。
そして、こちらは次回の内容の動画です。
次回は、「翡翠の鉱物としての特徴」を勉強していきたいと思っていますので、ぜひフォローやスキ!をよろしくお願いいたします。
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最後まで読んでくださってありがとうございます。それではまた次回。
おやすみなさい。
参考文献・web
フォッサマグナミュージアム,2019,「ヒスイって何だろう」,https://fmm.geo-itoigawa.com/event-learning/about_hisui/
倉敷市立自然史博物館,2017,「輝石類(きせきるい) pyroxene」, http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/rock/zougankoubutu/pyroxene.html#jadeite
クリスタルワークス,2019,「ジェイド(翡翠)」,https://chicappa-crystalworks.ssl-lolipop.jp/86.html
三島由加理,2007,『幸せを招く 宝石力』,中経文庫
天然石のピアスやアクセサリーowly.&雑貨販売 Zakka Owl,2017,「ジェード(翡翠/ひすい)Jade-ジェダイト(ヒスイ輝石・硬玉)Jadeiteの特徴・意味と効果」,https://www.zakkaowl.com/stone/jade
天然石パワーストーン意味辞典,2021,「本翡翠(ジェダイト)」,https://www.ishi-imi.com/2006/07/post_7.html
天然石・パワーストーン,2019,「1月1日の誕生石」,https://www.infonix.jp/birth_stone/150/
Wikipedia,2021,「ヒスイ」,https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B9%E3%82%A4
画像
ヘッダ画像:njrecalls様
竹やぶのイラスト(背景素材):いらすとや(みふねたかし様)
川・河原のイラスト:いらすとや(みふねたかし様)
注意する犬のおまわりさんのイラスト:いらすとや(みふねたかし様)
遺跡・化石を発掘する人のイラスト:いらすとや(みふねたかし様)
ねこ:むじゅん(オリジナルイラスト)
翡翠:むじゅん(オリジナルイラスト)
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