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レ◯プ未遂に遭ってしまい、鬱発症で休職4ヶ月目 その13 精神科医Bとの出会い

2月某日。主治医を変えて味覚を取り戻してから1週間後、
精神科を受診した日。
行く前から、全く期待しないようにと自分に言い聞かせる。何事も期待しなければ傷付かないのだ。しかもここは安い公立病院なので、客層はお金がない人たちや移民が多い。医者もピンキリという感じで、私は婦人科でキモいセクハラに遭って以来、公立病院は避けていた。
精神科医Bは、50代くらいの白人男性医師だ。ほっそりとして威圧感もなく、物静かなベテランという雰囲気。
挙動不審で事の経緯を話し、今まで色んな医師にもらった手紙と、警察の被害届も見せた。

精神科医Bは、私の話にもちゃんとしっかり相槌を打って反応してくれて、童貞レイプ野郎の所業に何て酷いんだと憤ってくれた。あ、この人信用していいのかも?とどぎまぎしたけど、まだ相手の目が見られなかった。いつもちゃんと人の目が見られない…。余程信用してる人のは見れるけど、安心して目を見られる相手は結構少ない。

休職になってから毎日フラッシュバックしていたのは、レイプ野郎ではなく、その⑦でチラッと書いた同僚男Jの頭ポンポンやハグ強要やマッサージだった。そのとき嫌だって言えなかった自分に腹が立つのはもちろん、同僚男Jの勘違いした言動が毎日何度も何度も頭に出てきて、イライラして困ってる事も精神科医Bに伝えた。

されるがままになってしまい、嫌だと言えない事は父親からの性虐待が関わってるだろうし、その重い鬱も不安障害もなって当然だと言われた。でも治療したら治るからねと言ってくれた。
そして同じ病院内で働くカウンセラーに緊急で治療を始められるように手続きしてくれた。なんと無料で20回も受けられるそう。ありがた過ぎて感情が麻痺する。

40分ほど話して、4週間のドクターストップと、抗鬱薬が処方された。SSRIのセルトラリン(50mg)という名前。やっとSSRIをもらえて安心した。来週また来てと予約を取ってくれ、最後に聞きたい事はある?と聞かれた。

そういえば…。「無意識にレイプ事件や犯人の事を思い出さないようにしてるみたいなんですけど、それって良い事ですか悪い事ですか?」と気になってた事を聞いた。
同僚男Jを始めとする軽いセクハラ系は、朝から晩までフラッシュバックで大変なのに、童貞レイプ男の事は一切思い出さないのが不思議だった。外でふいにタバコの臭いを嗅ぐと、あの時の嫌な記憶や感覚が無意識でふわっと蘇ったりしたけど、一瞬で消える。
精神科医Bは、「自然にしておいて。無理に押さえつけてはいけないよ。沸騰してる鍋に蓋をしたら、大惨事になるでしょ。心もそれと一緒だから無理に蓋はしない様にして。」と言ってくれた。

この診察も薬も全部無料だ。休職中の身にはありがたい。しかも何と公立病院で初めてまともな精神科医に出会えて、4週間のドクターストップをくれて、同僚のカウンセラーにまでつないでくれた。これでようやく、少しずつリラックスできるだろう。冗談抜きで、命拾いしたと感じた。

続く

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