麻雀・スケボー・転職から見つけた「興味の保ち方」
「エンジニア30歳限界説」
自分が理系の学生の頃、研究者やエンジニアは30歳をすぎると成長できない、キャリアの限界なんて話を聞いたことがありました。
30歳すぎると新しい理論を受け入れられなくなるからだとか。確かに30歳を過ぎた今、「新しい物事」に興味を持つことが若い頃より減った気がする。
このところ人生100年時代についてよく考えますが、数十年周期で「学び直し」を前提としているこの新しい時代を生きていくには30歳限界なんて言ってられない。
興味は上達の源泉。何歳になっても何かを上達できるように、自分の「レベル上げ」パターンを知っておく。100年スポンジであり続ける。そのために、24歳から始めた麻雀、30歳から始めたスケボー、新しい仕事へのチャレンジなど分野をまたいで感じた「ここが成長のポイントではないか」という蓋然性の高い成長ポイントを書き出しました。
麻雀から学んだこと
①数的目標を持つ
麻雀界では優秀認定をもらえる数値基準がいくつか存在します。
例えば
平均順位:2.4位以下。
和了率-放銃率:10%以上。
1位率:30%以上。
など。
数値がその基準に達しているかで自分のレベルを測れます。
で、自分の数値(雀魂/金の間/東風戦のみのデータ)をみてみると
平均順位2.305, 和了率-放銃率:11.98%, トップ率30.26%と軒並み基準値をクリア。
ただ、ここで大事なのは
平均や一般と比べるのではなく、同じタイプの優秀な人(自分の上位互換)と比べること。
平均値や一般論も正しいことや良いバランスを探す上で参考になりつつ、自分への適用性が欠けている。相性は大事。
ベンチマークにしたのはネット麻雀出身のMリーガー朝倉康心選手。論理的で期待値に見合う丁寧な押し引きをベースにしつつ、場況読みによる調整をいれる僕好みの打ち筋。参考にしているプロの一人です。なので朝倉Pの同じルール同じレベル帯での成績と比較します。
成績を見てまず目が行くのは平均順位2.210(驚異!)
さすが天鳳位で魂天ランカー。
数値の差の意味を単純化して考えると、
100回打った時、僕なら3位になってしまう展開のうち朝倉選手なら1回はラスにかもしれないけど、2位を1回、1位を4回増やせる。勝算の高いリスクをみすみす見逃してしまっているのだと考えられる。
各数値を見ていく。
朝倉P 六車
和了率 :26.94% > 24.53%
リーチ率:16.92% ≒ 16.71%
副露率 :41.35% > 37.96%
副露している分、アガリ抽選を多く受けている。また平均和了打点が朝倉Pが5876点に対し、僕が6605点と高いことを加味すると副露で低打点のアガリを丁寧に拾っていっている。悪い配牌からアガリを拾ったり、リーチを意識しすぎて引っ張ってテンパイやアガリを逃しているところを改善したい。
朝倉P 六車
放銃率 : 8.90% < 12.55%
平均放銃:6351点 > 5985点
流局率 : 12.16% > 9.81%
僕の方が平均放銃打点が低いのは、高い手への警戒はできている一方で、鳴いた2000点や3900点への放銃が多くなっているのだと考えられる。また、「形式テンパイは勝負手」と言う朝倉選手の流局テンパイ率は意外にも僕より低いので、変に副露に対して押さず流局までオリ切れていると思われる。副露ケアや終盤手牌価値の評価に大きな課題がありそうだ。
などと、課題がザクザク見つかる。そして調子が悪い時でも進歩を可視化できる。フィードバックがちゃんと得られない理不尽な麻雀という競技ではこれが何よりもモチベーション維持につながります。
②自分を記録する
ネット麻雀をよく打つのですが、自分の打った牌譜を見返せる機能があるので、よくなかった1戦はできなかった反省ポイントをスクショしまくる。余計な放銃、セオリーの運用ミス、読みが効けば避けれた失態、今の自分では答えの出せない牌姿に分類しpinterestに保存。自分の苦手の傾向を分析し課題を洗い出す。
あとダメな反省すべきところだけじゃなくて
自画自賛なファインプレーも保存する
いいプレイも後で見返せるようにする。上達を感じる。モチベーションになるし、得意を伸ばした方が強いタイプなので自分の強いところを保存して見返せることは自分の成長速度を上げる。
理不尽なことも多く、最善手を打っていても最悪の結果を招くことがあるゲームなので、自分のベストフォームを記録し、調子を崩したとき戻りやすくする。
そして、何よりも大事なのが
自分は何が好きなのか知っておくこと
みんな勝つことを目指して打っているのだが、実は人によってどの瞬間に脳汁が噴き出すのか微妙に違う。とにかく高い手を作りたい人、ドラマを作りたい人、厳しい局面をさばき切りたい人、策略にハメたい人などポイントがみんな違う。
ちなみに僕は「薄氷の一位をもぎとること」。みんな2万点台で一位にも最下位にもなりえるオーラスの押し引きが一番しびれる。
なので、基本的には局収支が最大化するように期待値ベースに打っていますが、ここ一番の損得判断には脳汁が吹き出す展開になるかどうかで決めます。
局収支より脳汁収支です。
スケボーから学んだこと
③他人の言語感覚に依存しない
スケボーで技を習得する上でYoutubeで「技名 + How to」で検索するといろんなスケボーYoutuberが技の解説をしてくれている動画がたくさん見つかります。
最初になんとなくポイントを学ぶ上で大事なのだが、How Toだけ見て練習しても壁にぶつかる。
やはり、他人が言語化した感覚は完全に自分のものにならない。
そんな時に見つけた攻略法が
「技名+slow motion」で検索すること。
するとこういう動画が見つかる。
「これくらいグッと足寝かせて先端に持っていくのか」
「あのYoutuberはシュッと擦るって言ってたけどパンと払う感じだな」
と、自分で言語化する。
自分で見て感じることが学ぶ上で最良の先生
④とにかく細かく分解する
一見難しく見える技もほとんどが基礎の組み合わせ。
例えば、スケボーをはじめて最初の挫折ポイントと呼ばれるオーリーという技も
オーリー = (テールタップ) × (フットスライド) × (ジャンプ)
というふうに動きの分解ができる。
大事なのは分解した要素をいきなり同時に全部完璧にできるようにするより一つずつ前進していくこと。なので、最初はテールタップ(ボードの後ろ部分を叩いて真っ直ぐ上げる)ことだけ、次にフットスライド(ボード上で足を擦り上げる)だけ、の練習をして、それらを同時にできるようになるために分解した体の動きを統合する練習。各ステップはめちゃくちゃ地味で傍目から見たら少し恥ずかしいような動きをずっとするのですが、効果は抜群。スムーズにできるようになりました。
オーリーができるようになるまでの過程を動画にまとめたのでお暇であれば見ていってください。
新しい仕事へのチャレンジ
⑤Unlearn
初めて転職を経験し、いかに所属業界の共通言語で会話していたことに気づきました。専門用語ではない普通の日本語でも業界のコンテクストが違えば、意味が少し変わってくる。例えば「戦略」という言葉でも、代理店のストプラにお願いして出来上がるものは想像ができるのですが、戦略コンサル、新規事業開発、デザインコンサルと様々な出自の上司や同僚たちと会話しているうちに「戦略」と言っても捉え方、レイヤーや粒度、導出までのアプローチが異なることに気がつきました。
そんな環境で意識しているのが「Unlearn」
学習するっていう意味のLearnの反対語で直訳すると
となり、「学びほぐし」と訳されたりもする。意図的に自分の型や偏見、べき論を外して物事を考えることです。
これが簡単なようで難しく、そしてものすごく不安。
やはり、まがりなりに30歳まで色々経験してきたつもりで、そこからの成功体験もあり、長年使い込んだ道具のような愛着もあり、それをないものとして仕事と向き合うと、心もとなさがあります。しかし、転職という新しい環境へのチャレンジには期待された自分の武器は持ちつつ一方でもう一度、新卒のような0の状態になる矛盾したことが大事だと気づきました。これをこの年齢で経験できたことはかなり大きいと思いました。
⑥インプット!インプット!インプット!
企画やCMを作るクリエイティブ本部に異動するためにしていたことが猛烈なインプット。はじめたての頃は毎日見つけた事例を3〜5つA3の紙に印刷してポイントを書いていき、ファイリングしていってました。
ただ、印刷してファイリングして見返すことがとても面倒でした。何かいいまとめ方ないかと思案していた頃思いついたのがpinterestで分類。KVと詳細の解説が見れるURLと自分のコメントをセットで保存して自由にボードで分類できるのが優秀。
コピーやCM以外にも企画のヒントになるニュースやツイッターネタなどいろんな情報をピンしていきました。広告業界を離れた今もやっていて、僕のレファレンス図書館になっています。
で、ここで重要なのがインプットだけで終わらせずに、ピンした事例から共通する発想法を探して、アウトプットに使える形に変換しておくこと。僕はそれをIdeationとして保存し直していきました。
この辺りは以前書いた「思考回路をなぞる」という練習方法がベストだと思うので参考までに読んでいただけると嬉しいです。
⑦リスペクトをやめる
新卒で社会人になった時の話ですが、人をリスペクトすることをやめることにしました。これだけ聞くと何と不遜な奴だと思われますが、自分の中でリスペクトした瞬間に憧れに変わり、成長を諦め一生その人と同じ境地に立てないような気がしていたからです。このマインドセットがあったのでハングリーでいられた気がします。
23歳の時に思い切った決断した気でいたのですが、この感覚を久保建英選手が17才の時に自分よりうまく言語化していました。「先輩なんておこがましい、天と地ほどの差はあるが、凄いと言わずにその差を埋める」
やはりトッププロは凄い。リスペクトしちゃいますね()
まとめ
🀄️①数的目標をもつ
🀄️②自分を記録する
🛹③他人の言語感覚に依存しない
🛹④とにかく細かくスモールステップに分解する
👨💻⑤ "Unlearn"
👨💻⑥インプット!インプット!インプット!
👨💻⑦リスペクトをやめる
こうしてまとめてみると、ゴールは心から目指したいものになっているか、達成できそうか、ちゃんと近づいているか、足枷ははずせているか、私の場合はいかにモチベーションを維持するかが大事に思います。
2022年は新卒に戻った気分で貪欲に、目標もアプローチも具体的に、自分で感じることに素直に頑張っていきたいと思います。
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