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人間の人間らしい話を聴く

「あのこは、私に仕事を押し付けて上司とBARに行った。それが許せないの。」

これを言ってきたのは、既婚者の女性だ。彼女はもう家庭をもっているのに職場の女が気に入らない。自分に押し付けられた仕事量と、他人の女の魅力を比べて手に入らないものをねだる。手に入れる勇気はないから、自分に愚痴る。
面白いなと思う。嫌味ではなく、人間の性がどこまでも貪欲で飽くなき嫉妬、それを話して理解してもらいたいという欲求。

人は他者をラベル付けして、同ラベルの人間には同等に居ろと命令をする。同じだけ努力すればいいのに、他者に同位置に下がってきてもらうように願う。ねだる。その時間が、その話す顔が、自分はたまらなく好きだ。

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