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そこらへんのクリエイターが貯金1000万超えた話②

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ベアが2000円、貯金は30万程度を行ったり来たり、そんなサラリー生活2年目(24歳)に嫌気がさした自分は、このまま社会のベルトコンベアに乗せられてミンチになるのが怖くなり、知り合いの広告制作会社の社長に声をかけた。大学時代に懇意にしてもらっていた。インターンという制度で働きにも行っていたので、そこからはすんなりと転職話が進んだ。

広告の制作というと聞こえが良いが、世の8割は中小規模なので社会保証系はズタボロであることも多い。自分が入社したときには会社のメンバーが増え始め、ようやく整備がされ始めた頃だった。真面目なレールに乗ってきた自分には、それも怖かった。

入社してから会社の業績は右肩上がり、社長の手腕が光る。
自分はそんな大船に乗り合わせただけで、給与もいい感じに上がっていった。最終的には月に30後半はもらっていたのだ。
ただ、働く時間は長い。年俸制という聞こえの良い社員使い放題サービスで、良い寝袋を購入しオフィスの床やソファでぐっすり睡眠をとっていた。
今から考えると、月30万そこそこでそんな生活するのは馬鹿げている、と大声で言える。ただ、その経験が無いとその後の自分の仕事の立ち回りの仕方は学べなかったな、とも強く思う。なので、とても感謝をしている。また、若い労働力を搾取されたなあとも思っている。憎しみと感謝は表裏一体なのだ。

貯金は、なぜか増えなかった。年収500万程度だと、ストレス発散で服や謎のブランド品だったり衝動買いをしてしまうのだ。自分が何者か、買い物で示すように。なので、年50万程度しかしていない。

そうやっていわゆるワーカーホリック(月40万弱)で20代後半を過ごした。そしてある日、思った。

「いつまでこんなに頑張って働くんだろう、私生活は?仕事を言い訳に生活を投げ出して、仕事に捧げる?」

今振り返ると、ここで気づいてよかった。

そして同業の大手に転職することになった。給与はスライド、年俸制。
そしてニヶ月で辞めた。前の会社と同じようなものだったのだ。つまらなかったし、ここでは言えないけれどグレーなことをして仕事をしていた会社だった。大きい会社だったのにそんなことが起きてるなんて。自分はとても澄んだ池で過ごしていたようだ。

そして自分は無職になった。30代前半のことである。
前の会社で受けた心理的ショックで1ヶ月ほど家に籠もっていたが、開業届を持って役所へ行った。広告制作で独立起業した。

最初の1年は、お祝い案件をいただいた。1件30万くらいのを、いくつか。
独立するまでに色々しらべていて、
「お祝い案件はすぐなくなる」「最初のうちはいい」「すぐに食べていけなくなる」
と呪詛を吐く先人の記事が多くヒットするが、自分はそうは思わない。上記が該当するのは、腕に自信がないまま勢いで独立した場合だ。いままで頑張って仕事をしてきた人は、それほど心配しなくていい。
勢いで独立したやつは、心配したほうがいい。というか辞めたほうがいいし、そんなに甘くない。

そして最初の一ヶ月、仕事をした。1日4時間〜6時間、週4日稼働、1案件走り出して、二ヶ月後に最初の収入30万を得た。これは去年分の税金に充てようと思って、とっておいた。
働く時間が短いので、ぐっすり寝れたし飯をつくる時間もできた。痩せた。パートナーのような存在も作れた。居なくなったりもして、生活サイクルが整った。
そんなこんなで、初年度の年収は300万程度だった。4ヶ月で。
最初は設備投資もあったりして、利益的には200万程度なのでそれはそのまま貯金した。

独立する前は400万くらいだった貯金が、600万になった。

2年目、仕事を依頼してくれていた企業から、定期的に来てほしい、社保も入れるからとお誘いがあった。もとより真面目な(略)なので、参加した。1週間のうちのある程度はその会社の仕事をして、残りは自分の仕事。それでも、制作に居た頃よりも時間は余裕がある。なぜだかは、わからない。

定期的な仕事で日常の生活費は担保されたので、2年目の副業分は貯金した。ゆるゆるしていたのもあり、利益は300万弱だったので900万になった。固定クライアントは3社。新規のクライアントは2ヶ月に1件あるかないか。ゆるい。だが、自分には合っていると思う。(将来苦労するのだろうか。。)

そして今である。

コロナ禍になり、時間の使い方の制限が外れた。移動時間がない、拘束時間がない、そうなると、時間の合間に予定が入れられる。これはデスクワーカーにとってはメリットしかない。クライアントと話す時間も増えるし、無駄がなくなれば時給があがるのも同意義だ。

今は年の半分くらいだが、今年の売上見込は600万。利益は400万くらい。300万くらいは貯金したいので、数字は1200万になる。

そんな感じで、ゆるっと貯金が積まれている。

これからの課題は、どうお金をつかうかだと思っている。いままでの生活も何不便なく、したいことをして、我慢せず生きてきたが、それでもお金が貯まった。お金が必要な寄付やスタートアップに投資もしたいし、自分の経験にももっと使いたい。時間をお金で買いたい。

したくないことは、制作会社時代のような“自分が何者かを示すためにお金を使う”ことだ。無駄だし、流行りがあり終わりがないし、なにより無価値だ。

こうやって、貯金が1000万を超えた。
その話を周囲にすると、驚く人と、同じような人との2パターンいる。似てるような境遇の人があつまるようだ。
なので、もしこの記事を見ている人がお金を貯めたいなら、お金の話を嫌がらない人を見つけ、似たような目標を持っているひとの側にいよう。それだけで、少し何かが変わると思う。

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