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全くブレないとかは無理だけど、でも


カウリスマキの新作『枯れ葉』を観た。すげーよかった!オールドスタイルだけど、ちゃんと今もみてる。この、全くトレンドを追わない感じ、ほんとカッコいいと思うのね。引退宣言の前だったかなあ、雑誌に、1980年より前の映画しか見ないみたいなことも書いていたような(うろ覚えだから数字とか違ったらごめん)。

私は34歳のタイミングで急激に老けたのか(そういう研究があるらしい)ニュージーランドというど田舎に長期滞在することで完全に競争心みたいなものが削がれたのかわからないが、まじで「何者にもなれない」「自分は自分でしかない」ってのに腹落ちして、且つ日本社会のトレンドを追うのをやめて、ゆえに、ものづくりで世に出たいみたいな欲求がほぼなくなってるとこなんだよね、今。(加えて、日本社会のお手本のような生き方、結婚して家を買い子供を育てる、みたいなことに合わせにいかなくていいかなあ、もしそういう可能性があれば否定はしないけど、くらいの気持ちになってきた。)

とはいえ、自分のものづくり自体は追及したいと思っていて。それは生き方だから。

で、Twitter漫画でフォロワー数かなり多い人が外側に発表することをやめる発言をしたり、山奥ニートさんが山奥ニートやめる宣言をしたり、ナースあさみさん(好きな書き手)がSNSからマジで離れて現実とか自分を満たすことに集中しようとしているのをみたり、自分もそっちのほうが合ってるかも、と思うようになってきて。

人は変わるし、それってまじ、外側の不特定多数がみてかっこよさそうなこと(求めてそうなこと)じゃなくて、自分が心から望む居心地の良さそうな選択をしないとな、って思ったのよ。

帰国して約半年くらいになろうとしてるこのタイミング、なーんかまた日本の「世間様」の顔を伺いそうになっていたところだから、見つめ直せてよかったなり。

帰ると、エポスカードのポイントを利用してAmazonで購入したAirPodsProが届いていた。リビングでテレビつけっぱなしの家族の横にいながらも別の作業をできるようにと買ったのだが、ノイズキャンセリングはまさに自分の世界といった感じがある。

排他的にはならず適度にいろんなコミュニティに参加する社交性も持ちながらも、トレンドは追わず、自分の大切にしたいものを見極め、より自分時間を高めていきたい。

届いたAirPodsProを試すのに早速いくつか音楽や動画を見てみた。「なりたい」「うらやましい」で人をたくさん殺した京アニ事件の犯人の判決が行われた日、おなじく「なりたい」をこじらせてジョン・レノンを殺した犯人のドキュメンタリー『審理なき殺人』を観て、いろいろ考える一日だった。ジョンも当時、音楽から離れて子育てに没頭、自分にとって本当に大事なものを模索する日々だったようだ。

※少し悔やむべくは映画に遅れて入場したところ。まさかの予告なし映画館だった、ついトイレに行ってからも間に合うだろうと思い込んでしまったこともある。映画至上主義者だったころは考えられない、ファーストカットを見逃し且つ最初からいた他のお客さんの人権を侵害するといった、愚かな行いだが、のんびり思考・私時間になってしまっているから仕方ない、という考え方に切り替えた(言い訳すごいが)。男側の主人公も遅刻癖があるから内容にもちょうどよかったかも。

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