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麦のこと

ここ数日、猫の麦の食欲がなかった。

13歳になってから、食欲にむらが出てきて、体重も落ちてちんまりとしてきたけれど、好きなものはよく食べていたし、元気もあったからあまり心配はしていませんでした。

数日前から、急にカリカリを食べなくなったので、少しでも何か食べられればと、おいしそうなウェットフードを買ってきたり、大好きな鶏胸肉をいつもより食べやすくペーストにしてあげたりしていました。

でもきのうは、ちゅーると鰹節をほんの少し口にしただけだった。

眠る時間が増えているけど、ぐったりしているわけでもない、どこか痛がる様子もない。目の力もあるし、爪研ぎでバリバリもやってるし、排泄もある。でも食欲だけがない。

13歳、何があってもおかしくない年齢。
引っ越しも控えているし、さすがに心配になり、朝一番に病院に連れて行った。

触診の後、レントゲンと血液検査。
なんとなく心配していた腎機能には特に問題はなく、他の数値も年齢相応のようだった。

ただレントゲンには、肺に腫瘍らしきものが写っていました。
先生からは伝えられたのは、

ーー悪性か良性かは、設備のある病院でCTと組織検査をしないとわからないこと。

食欲不振の原因が腫瘍にあるかはわからないが、腫瘍自体はかなり前から出来ていたであろうこと。

呼吸には問題は見られないので、息苦しさ等はないこと。

これから先の治療を進めるとしたら、切除などの外科的治療になるが、年齢や体力のこともあるので、考えて方針を決めた方がいいことーー

麦。肺に腫瘍があったんだね。

ショックではあったけれど、麦の今の体の状態がわかったことでホッとしてもいた。

このまま何も食べられなくなれば、急に衰弱するからと、念のために流動食とシリンジが出された。転居する事も伝えたので、レントゲン写真も一緒に渡してくださった。

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夫に麦を連れて先に帰ってもらい、私は近くのスーパーで麦の食べられそうなものを買い込んだ。

ペット用ウェットフードは家にあるので、人間用ので、麦の好きそうなもの。
ささみのほぐし水煮、かつお水煮、さば水煮、減塩釜揚げしらす…
シリンジでの強制給餌はできればしたくない。最後の最後の手段にしておきたい。

帰宅すると、麦がキッチンにやってきたので、かつお水煮缶をあげてみると、食べた!
少量だったけど、きのうよりはずっと食べたい意思が感じられた。

このまま食欲が少しずつでも戻ってくれたらいいけど。先のことはわからないから。

でも、少なくとも今日は、今はこうして一緒に居られるね。
骨張っちゃった背中をそうっと撫でると、ごろごろ喉をならしてくれる。

今夜も一緒に眠ろうね、麦。

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