【本紹介】日常で荒んだ心を少しだけ軽くしたい夜に。「益田ミリ」の世界
作者の益田ミリさんはイラストレーターの方で雑誌で連載されていた漫画が文庫化した本が多いです。(漫画といってもコボちゃん的な漫画)
基本的には日常のありふれた光景の中にどこにでもいそうな主人公がゆるーいタッチで描かれている、そんな漫画です。
すごくほのぼのとしたイラストなのに、さらっと放つセリフはいつも核心をついていて、癒されたいはずなのに時々心えぐられる不思議な世界観。
どのシリーズも好きだけど、
仕事に慣れた中堅OLの姉と新米サラリーマンの弟の二人暮らしを描く「僕の姉ちゃん」と、30代独身・自分探し中のカフェ店員の日常を描く「すーちゃん」が特に好き。
「すーちゃん」
聞きたがり
知りたがり
説教好き 忠告好き 恩着せがましい人
大嫌い
大嫌い大嫌い大嫌い
人のことより自分の性格の心配しろ
などと思ってしまう私は、
良い人では無いんだろうか
「すーちゃん」
良い人なんかより
美人のほうが
お得だと思ってしまうのは
正しい考えではないの?
目に見えない「なりたい自分」なんかより
今は美人になりたいと思う
「僕の姉ちゃん」
モテる条件て結局1つ。
「共感力」
女が1番好きな言葉って「愛してる」じゃなくて「わかるわかる」なのかも。
(ミリさんの絵がないとこの言葉の深さが伝わりきらなくて絶望的にもどかしい…笑)
疲れた日に励ましてくれるような話じゃないし、あんまり慰めてもくれないし、勇気付けるとか元気付けるとかそんな話じゃない。
でも、綺麗事じゃない日常を切り取ってくれるからこそ私たちはちゃんと共感して、ちゃんとぐっとくることができるんだと思う。
毎日つらいけど別に甘やかされたい訳じゃない。
そんな言語化できないもやもやを抱えた夜に、ちょっとだけ心を軽くしてベッドに入れるような存在。
どんなに夢見たって未来は今日の私の延長線上にしかないんだって自覚して、明日も働こうと思います。
思いがけず夜更かし。おやすみなさい。