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心の声に従って生きる

私はここ2年程「自分には何もない」と感じ、鬱屈とした日々を過ごしていた。「特別なスキルや経験がない」そのことがずっとコンプレックスだった。

そんな日々を過ごす中で、今日1つ吹っ切れたことがあるので書き留めておきたい。




プログラミングとの出会い

私が30歳の頃、「世の中にはプログラマーという仕事がある」と、とある人から聞いた。目から鱗だった。

そんな仕事があることすら私は知らなかった。その人は実際にプログラマーとして長年働いており、生活や時間にゆとりがあるように見えた。

その当時、「そんな専門的な仕事は昔からやってるような人にしかできないんだろう」と私は言ったが、その人は「大人になってから勉強してこの業界に来た人は自分の周りにいくらでもいる」と言っていた。

今と変わらず、その当時も自分が何をしたいのか分かっていなかった私に「とりあえずやってみたら?嫌ならやめればいいだけだし」と、背中を押してくれた。

その人は、ITのことなど何も知らなかった私でも分かるよう、難しい言葉を一切使わずに教えてくれた。聞いたら何でも答えてくれて、その人が知らないことなど無いようにすら思えた。

かっこいい、自分もこんな風になりたいと、そう思った。

新しい知識を日々吸収することができ、純粋に楽しいと思った。
最初はシンプルな画面作成から始めて、少しずつプログラミングをかけ合わせた機能を作ってみたりした。

全てが新鮮だった。

その人のおかげで、IT 系の会社ではないがウェブアプリを自社用に作る仕事に就くことができた。

その仕事をしていく中で何度も心がくじけたが、今振り返ると楽しい瞬間もあった。「この道を進んでいけば、自分は幸せになれるのかもしれない」と考えていた。


突如芽生えた不安

ただ、一緒に開発していた人が退職したり、会社の社長が私達の仕事の必要性を明らかに疑っていたことから、いつからか自分の中に「このままではいけない」という気持ちが芽生えた。

退職した同僚は「この会社でやっていることは本当の開発ではない。ただ好き勝手にコードを書いているだけだ。本来は"設計書"を作ったり"単体・結合テスト"をしたり、もっと色んな複雑な工程があるのだ」と、まるで私たちがやってきた仕事は開発の真似事だと言わんばかりに話していた。

私はそれを聞いたときに「そうなのか。ここで今自分がやっていることは経験として認められないのか」と心配になった。

だから辞めた。不安だったから。
もっとスキルを身に付けないといけない、そう思った。

SESという仕事だと、大規模なプロジェクトに関われることもあるらしいし、大企業がどうやって開発しているか実際に見て学ぶべきかもしれないと思ってSIer企業に就職した。

それが約2年前の出来事。


転職した結末

それから現在に至るまで、色んな葛藤があった。

結局、私は自己肯定感が底辺まで下がり、自分の好きなことや興味が分からなくなり、生きる意味を見失い、鬱状態となり人生で初めて心療内科を受診する羽目になった。

「このままでは駄目だ」
「今のままの自分には価値がない」

という不安と焦燥感が常につきまとい、心がしんどくなった。
とにもかくにも、このままでは本気でまずいと思い、ようやく仕事を辞める決断をした。


自己理解に関する発信との出会い

それから自分自身を理解するために色々と調べていると、八木仁平さんという方のYouTube動画に行き着いた。

彼は、自己理解についての書籍を出版しており、本も立ち読み程度ではあるが読んだことがあった。

彼のYoutubeチャンネルでは「自分のやりたいことが分からない」といった私のような人たちに向けて動画を出したり、実際に会ってコーチングしたりしている。

そのコーチングの様子が彼のYouTubeチャンネルにアップされているのだが、その中でも「ねここ」さんという方との対話がとても参考になった。

彼女は「自分はこうありたい」という理想像を実現させたいがために、自分に合っていない環境で働いていたその結果、心が辛くなっていることには気付いていたのだが、それでも理想像に近づくために行動していないと「自分には価値がないのではないか」と、まさに自分と同じような悩みを持っていた。

私はスキルや専門性がある人に憧れているがために、自分もそうなりたいと思ってプログラミングを勉強していた。だが、実際に仕事としてやろうとすると分からないことの連続で自己肯定感が下がる一方だった。

それでも"楽しい瞬間はあった"という事実と、「IT業界は将来性がある、これからの時代はスキルが大事」といった情報を見たり、あらゆる性格診断で「あなたはクリエイティブな仕事が向いています」という診断結果が出るたびに、「やりたくないし辛いけど、これは今後報われるためには必要な過程なのだ」と、「本当はやりたくない」という心の声を無視し続けた。

日常生活でも、一番最初に聞こえてくる心の声を無意識の内に無視することが多かった。

いつだか見た「添加物は危険、白米や小麦粉は積極的に摂取するべきではない」といった動画に共感し、食べ物ひとつ選ぶ時にも「美味しそう、食べたい」と直感的に思っても「でも添加物が‥」とか「栄養は無さそうだからやめとくか‥」と心の声を無かったことにし続けた。

そんなことを積み重ねた結果が今だ。とてもしんどい。

転職活動で開発系の仕事に応募しているのも、結局のところ「専門性が無いと自分には価値がないから、それを磨けるところで働きたい」という理由からだ。本当に心の底からやりたいとは思っていない。

だからこそ、面接前に技術課題を出された内容を見た時「う、やりたくない」と、いの一番にそう思ったのだ。

自己理解について発信されている八木さんのYouTubeには、自分の「好き、得意、価値観」を見つけるための質問集動画がアップされている。

その質問に答える時も、「問題解決力が自分の才能なのかも、だから仕事でプログラミングをしたいというのは間違っていないんだな、きっとそうだ」

そんな風に、「エンジニアに必要そうな要素」と自分の"好き"や"得意"を無理やり結びつけようとしている自分がいる。

自分が進もうとしている道が間違っていないのだと正当化したいがために。

例え問題解決力が才能だったとしても、それを活かす方法は別にプログラミングじゃなくたっていいのに。

ねここさんとの対話の中で、八木さんは「不安を埋めようとして行動しても上手くいかない」と言っていた。確かに、不安を埋めてもまた次の不安が現れるから永遠に終わらない。


心の声に従ってみた

今まで「ありのままでいいじゃないか」と誰に言われても、「いやでもなぁ..自分には何もないからなぁ..」と否定的だった。

だが、その動画を見たあと「嫌なことはやっぱり嫌だ、やめよう」、「ありのままの欲求に従おう」とそう思えることができた。

その後、「本当はやった方がいいんだろうな」と思うことは全てやめて、自分の心の声に従って休日を過ごすことにした。

「行ってみたかったカフェに行こう」とか「公園散歩しよう」とか「ピザ食べよう」とかそんな些細なことでもいいから、全部やった。


そしたら、すごく満たされた。

「ピザを食べてやったぞ、うわぁ不健康」と思ったけど、心の声に従ったという満足感はあった。そうやって心の声に従い続けた結果「これやってみようかな」と思えることがあるかもしれない。

とりあえず、プログラミングを仕事にすることは辞めようと思う。そこから何か始まるといいな。

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