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ひやむぎ、名古屋に行く~最終日~

どうも、私です。

今日は、「ほぼ初めての名古屋で、美味しすぎる鰻に出会った話」をします。

お付き合い下さい。
(↓前回、念願だった『仁左玉』を浴びた話はこちら)

姉「どうしても、連れて行きたい場所があるんです」

今回の名古屋旅が決まったとき、姉は母と私を見て言った。

母「どこ?」

私「連れて行きたい場所?」

首を傾げる2人に、姉は言った。

姉「『あつた蓬莱軒』です!」

『あつた蓬莱軒』というのは、姉が以前、名古屋に行った際にひつまぶしを食べたお店だった。

姉「私、鰻が苦手じゃないですか?」

母「そうね」

姉「ここの鰻はね、食べられるんだよ!」

何でも、鰻が苦手な姉でも美味しく食べられる鰻らしい。

姉「鰻が好きなお母さんとむぎにも、食べてもらいたいのよ!」

母「せっかくの名古屋ですしね」

私「行くしかないやろ」

というわけで、最終日は『あつた蓬莱軒』でひつまぶしを食べることになった。


当日。
人気店なので、順番を必ず取っておかないと入れないという姉の話の通り、開店間もない午前中にも関わらず『あつた蓬莱軒』の周りには、お客さんがズラリといて、店員さんが順番の整理をしていた。

姉「あの、3名で順番を取りたいんですけど……」

と順番を取ると、午後からの入店と案内され、それまでの間、私達は熱田神宮を参拝することにした。

この日も少し雨がチラついていたが、七五三を迎えた家族連れが多く見られ、着物姿の子供達が親に手を引かれ、歩いていた。

母「七五三か」

姉「懐かしいですな」

私「可愛いね」

親戚のおばさんのような気持ちになりながら、参拝し、しばらく神宮内を散策していると時間がやって来た。

店員さん「待合室でお待ち下さい」

と待合室に案内され、待つこと数分。
名前を呼ばれ、テーブル席に着いた。

カウンター席もテーブル席も満席で、店内は活気に満ちていた。
運ばれてきた熱いお茶を飲みながら、私達はメニューを見た。

姉「私は、うまき定食にしようかな」

母「私は、ひつまぶし。むぎは?」

私「私も」

と姉は、うまき定食。
母と私は、ひつまぶしを注文した。

数分待っていると、店員さんが運んできた。

店員さん「お待たせしました。うまき定食とひつまぶしです」

運ばれてきたおひつからは、すでに良い匂いがする。
姉が注文したうまき定食も美味しそうで、こちらにもお茶碗1杯分の小さなひつまぶしがついていた。

店員さん「ひつまぶしを召し上がられたことは、ございますか?」

姉、母、私「はい」

店員さん「ありがとうございます。では、ごゆっくりどうぞ」

丁寧な対応の店員さんに会釈をして、私と母はおひつの蓋を開けた。

母、私「おーーーーー!」


中には、鰻がぎっしりと敷き詰められている。

姉「召し上がれ」

母、私「いただきます」

お茶碗に盛り、ひと口頬張る。
鰻の香ばしい香りが、口いっぱいに広がった。

私「美味しい!」

母「皮もパリパリだし、身も柔らかい!」

姉「そうでしょ!?嫌なところ、一切ないでしょ!?」

家で鰻を食べると、ハズレ(?)を食べてしまって小骨が出て来たり、皮は柔らかいものが基本的に多いのだが、このお店の鰻は小骨の不快感もなく、皮はパリパリ。身はとても柔らかく、脂も程よくのっていた。

姉「ちなみに私は、薬味を乗せて食べるのが好きです」

私「なるほど」

1杯目を食べ終え、2杯目に突入し、私は用意されたネギとのり、わさびを乗せて食べた。

私「お姉ちゃん」

姉「ん?」

私「この形態、美味しい!」

姉「よかったね!笑 うまきもひと口どうぞ」

私「ありがとう。…美味しい!」

姉「でしょ!お出汁が効いてて、美味しいよね」

とひと口もらっていると、店員さんが颯爽と現れた。

店員さん「お客様。取り皿をお持ちしましょうか?」

姉「あ、大丈夫です……」

私「ありがとうございます……」

店員さん「何かあれば、おっしゃって下さいね。こちら、回収致します」

姉、私「ありがとうございます……」

テーブルの隅に置いてあったおしぼりのビニールを回収し、店員さんは颯爽と去っていった。

姉「丁寧だな……」

私「私なんぞの為にすみません……」

丁寧な対応に小さく会釈し、私達は食事に戻った。

母「これはペロリと食べてしまうな」

と、母が言いたくなる気持ちも分かる。
3杯目のお茶漬けに差し掛かった瞬間、私は子供のように姉に言った。

私「もう無くなる……」

姉「悲しくなるなよ!笑」

私「だって……。え、お茶漬け美味っ!笑」

姉「テンション、どうなってんだ。笑」

私「だって、美味しいんだもん……」

姉「喜んでもらえてよかった」

私「もうひとひつ、食べたい」

姉「ひとひつ?笑」

私「ひとひつ」

母「謎の単位を作るな。笑」

姉「それだけ美味しいってことよね?笑」

私「うん。もうひとひつ、食べたい」

「ひとひつ」という謎の単位を作りだすくらいには、このお店のひつまぶしはペロリと食べられる。
そして、最後の4杯目。私は、薬味を全部乗せて食べた。

私「どうやら、私もお姉ちゃん派みたい」

姉「わさびがあると、さっぱりしない?」

私「する!美味しい!でも、無くなる……」

姉「だから、テンション!笑」

と先に食べ終わった姉が笑っていると、再び店員さんが颯爽と現れた。

店員さん「お客様、お食事がお済みでしたら、お茶をお持ち致しましょうか?」

姉「…お願いします」

店員さん「熱いお茶と冷たいお茶、どちらがよろしいですか?」

姉「…熱いお茶で」

店員さん「では、ご用意致します。お待ち下さい」

再び颯爽と消えた店員さんに会釈をし、私達3人は顔を見合わせた。


本当に、丁寧だな。


店員さん「お熱いので、お気を付け下さい」

姉「分かりました」

数分も経たないうちに、店員さんはお茶を運びに来て、最初に運ばれたお茶と取り替えていった。

母「どの人もみんな、丁寧だね」

姉「店員さんが丁寧なの、本当に感動するし、これだけでまたここに来たくなる」

私「私なんぞの為にすみません……」

と私達は、その対応の丁寧さに感動した。


そりゃ、こんなに美味しいひつまぶしと丁寧な店員さんがいたら、並びたくなるわ。


私達は心もお腹も満たされて、お店を後にした。

姉「どうだった?鰻が好きな2人でも、満足できた?」

母「大満足よ」

私「また来たい!」

姉「よかった!気に入ってもらえて!」

3人でホクホクした気持ちで歩きながら、私は思った。


次に来るときは、一半(1.5人前)ひつまぶしにしよう。


よろしければ、お願いします。 お願いします!!(圧