『唐茄子屋 不思議国之若旦那』の話~後編~

どうも、私です。
今回は、「第13回 シネマ歌舞伎の話~後編~」をします。

前編はこちら。

お付き合い下さい。

  • 第二吉原

パラレルワールドである『第二吉原』は、現実の吉原とは違う。
道行く花魁達は怪しいマスクを着け、若旦那(小)とゲゲコを訝しげに見つめてくる。

若旦那(小)「花魁、どこだ!」

と探すうちに、不審者扱いされ、大立ち回りに発展。
勘太郎さんの活躍に拍手が起きる中、ゲゲコが泉を見つける。

ゲゲコ「饅頭を食べて、飛び込めば元の体に戻ります!つぶあんだったら!」

若旦那(小)「饅頭くれ!」

と飛び込み、元の徳三郎に戻るも、徳三郎では立ち回りがあまり上手くいかない。
そして何度か饅頭を食べては飛び込み、を繰り返しているうちに若旦那(超ミニ)(中村長三郎さんによる一人二役)が登場。

若旦那(超ミニ)「あざっす!」

ゲゲコ「ちっさっっっ!!!!!」

その小ささに笑っているのも束の間、長三郎さんは器用に立ち回りを披露。
大活躍したが、途中でお兄ちゃんの勘太郎さんと交代。若旦那(小)は捕まってしまった。

捕まった先には、僧侶と修行僧達が集まっていて、修行僧達の腰回りには、鈴の付いた紐が巻かれている。若旦那(小)も同じようにされるのだが、

僧侶「今から、お前達の煩悩が消え去っているか試験をする!鈴が鳴ったら失格!」

と宣言された途端、耐えきれず、徳三郎というか勘九郎さんが泉から登場。若旦那(小)に歩み寄ると、

勘九郎さん「私は、汚れ切ってるからね。変わろうね」

と父子交代。結果、修行僧達は己の煩悩に打ち勝てず、鈴が鳴って失格。徳三郎もまた煩悩に勝てず、鈴が鳴ってしまい失格となった。

姉「下ネタやないか!wwwww」

私「それは、お父さんに代わってもろてwwwww」

勘九郎さんが失格になり、再び父子交代。
若旦那(小)は、ゲゲコと『第二吉原』を彷徨ううちに、身長が12尺(3m弱)という大きさの眠善治郎(中村虎之介さん)と出会う。

善治郎「この『第二吉原』を彷徨っていたら、元の世界に戻れなくなってしまった。妻のお仲や息子もいるのに」

若旦那(小)「あんたが、お仲さんの旦那か!」

と若旦那(小)に、自分の行動を悔やむ善治郎。
2人は追っ手から逃れつつ、饅頭を食べて門を抜ける。


  • 元の世界では

門をくぐり、何とか元の姿で戻ってきた徳三郎は、八百八とよしのところへ戻った。

八百八「お前、どこまで売りに行ってたんだ」

徳三郎「いろいろあって……」

八百八「で、売り上げは?」

徳三郎「あげました。お仲さんという子供と二人暮らしをしている人に」

八百八「は?」

徳三郎「凄く困っていたから、渡したんです。でも、行方不明だった旦那さんが見つかって、一緒にここまで来たんですけど、身長が12尺あって……」

善治郎「よかった!戻って来られた!」

八百八、よし「ちっさっっっ!!!!!」

元の身長に戻った善治郎と一緒にお仲が待っている家へ急ぐと、海苔屋のおたね(中村鶴松さん)と遭遇。彼女は涙ながらに言った。

おたね「お仲さんは、首を吊ったよ。あんたの帰りを待っていたのに……」

急いでお仲の家に戻ると、お仲が首を吊っている。
徳三郎、善治郎、八百八でその体を下ろすと、そばにいたイチが事情を説明した。

イチ「おじさんからもらったお金を母ちゃんが返そうとしたんだけど、取られたんだ」

徳三郎「誰に!?」

イチ「大家」

徳三郎「…分かった。取り返してくる!」

駆け出した徳三郎の背後では、お仲が息を吹き返し、善治郎と再会。

八百八「あの、うちの徳三郎から売り上げを……?」

お仲「ええ。私達の暮らしを心配して、下さったんです。イチにはお弁当まで……。後を追おうとしたんですが、大家さんが家賃として持って行ってしまって。それで、首を……」

善治郎「お仲、心配をかけてすまなかった。若旦那は今、そのお金を取り返しに行ったよ」

お仲「え……」

心配そうなお仲に、よしは思いついた様子で全員を見た。

よし「私に、いい考えがあるよ」


  • 対決

同じ頃、源六の屋敷では道具箱の返却に熊がやって来ていた。

熊「すみませんね」

源六「ったく、家賃の滞納もあるってのに」

熊「でも、若い衆がこれがないと仕事が出来ないんですよ」

源六「道具がないだけで、そんなに困る物かね?私なんか、こんなに元気なのに。こーんにーちはーーーーー!!!!!」

突然の『錦鯉』に爆笑していると、徳三郎も屋敷に着き、偶然居合わせた息子の源助(坂東新悟さん)に声を掛けた。

徳三郎「あの、源六さんは……」

源助「やってっから!」

徳三郎「えっと、源六さんはいらっしゃ……」

源助「やってっから!」

徳三郎「いや、あn……」

源助「やってっから!」

徳三郎「恐ろしく話が通じない」

話が通じない源助と共に、屋敷に入ると、帰る準備をしている熊と再会。
徳三郎は、源六に会うと交渉を始めた。

徳三郎「お仲さんから家賃として持って行ったお金、私が唐茄子を売って稼いだお金なんです。彼女が困っていたからあげたんです。返してもらえませんか?」

熊「売ったの俺だけど!?」

聞き捨てならないと熊も参戦。

徳三郎「お仲さんは、あなたからお金を取られた後、首を吊って自殺しました。せめてお金だけでも返して下さい」

源六「それがどうした。それにお金を取ったのは、家賃を払わなかったからだ。自分のせいじゃないか」

徳三郎の言葉に、冷たく言い放つ源六。そればかりか、源助がしきりに、

源助「金くれよ!」

と叫ぶので、ついに、徳三郎と熊は2人同時に源六に啖呵を切った。
すると、

お仲「…お金、返して下さい」

とお仲の声と姿が見えた。恐れをなした源六は、お金を徳三郎と熊にそれぞれ返すとすっかり怯えてしまった。それから、徳三郎は父と同じように怯える源助を見ると、

徳三郎「遊んでないで、唐茄子でも売ってみろ!」

と鉄拳制裁。源助は、

源助「あざっす!」

と去って行った。

お金を取り戻し、お仲が無事であることを知った徳三郎は、

徳三郎「よかった!生きていたんだ!」

と大喜び。
八百八、よし、熊、善治郎もそれを優しく見守った。


姉「めちゃくちゃ笑った」

私「それな。お腹痛い」

終演後。
クドカンワールド大炸裂で、笑いすぎてお腹痛いし、お腹いっぱいになった。

姉「ていうか、中村兄弟(勘九郎・七之助)と中村兄弟(勘太郎・長三郎)が大活躍すぎるな」

私「勘太郎さんも、長三郎さんも大きくなって!」

姉「最後に、長三郎さんが閉まっていく幕のギリギリまで来て、手を振りながら走ってたの可愛かった。笑」

私「あと、今回といい、片岡亀蔵さんが出てる作品はもれなく面白いな」

姉「確かに!ナウシカ歌舞伎も籠釣瓶も、鰯賣も出てたな」


「片岡亀蔵さんが出てる作品は、もれなく面白い」説を唱えてもいい。

そうだね。


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