ヘアドネーションの話
どうも、私です。
今日は、「人生初のヘアドネーションの話」をします。
お付き合い下さい。
◆
私は、昔から毛量が半端なく多い。
美容室に行ってカットし、梳いて軽くしてもらうと、もれなく小型犬くらいの量の髪が床に鎮座している。なので、私を担当する美容師さんはいつも、
「ここまで量が凄いと、やり甲斐を感じるわ。笑」
と笑っていたし、私もその尋常じゃない量に笑うしかなかった。
そんな私のここ最近の髪型は、顎〜顎下ラインでの切りっぱなしボブ。前髪は、眉上バングにしていて、お気に入りだった。
美容室で切ってもらうこともあったが、時期的に美容室に行くことが難しかったときは母や姉に切ってもらっていた。
(眉上バングは元々、私が自分で切って失敗した結果の産物だったが妙に似合っていて気に入ったので、以降は失敗したくないので母や姉にお願いしている)
ある日。
母に髪を切ってもらっていると、それを眺めていた父が言った。
父「その多すぎる毛量の髪、誰かに寄付すればいいのに」
その言葉に、父にしては(?)良いことを言うな、と思ったのと同時に、ヘアドネーションのことを思い出した。
私「それ、いいかも!」
父「寄付する先がなかったら、俺がもらう」
私「俺がもらうんかい。笑」
すると、同じタイミングで姉が言った。
姉「私、ヘアドネーションしようかな」
姉は、元々ロングヘアで、腰まである長い髪がとても綺麗だった。
私「私もする!」
姉の真似っこをする妹の典型例のように、私は姉を真似て髪を伸ばすことにした。
ヘアドネーションをするには、31cm以上の髪が必要で、50cmあると理想的らしい。
切りたがりの私には、31cm以上が限界だな。
と思い、ひとまず31cm以上を目指して伸ばした。
顎下ラインの切りっぱなしボブを伸ばすこと、1年半。その間、ボブの長さではできなかった髪のアレンジを楽しんだ。
ちょっと、ロングもいいかも。
と思い始めた頃。目標だった31cmを超えたのでカットすることにした。
今回はいつも行っている美容室ではなく、姉が通っている美容室で切ることになった。ヘアドネーション用のカットをしてくれる美容室は限られているのだが、今回お世話になった美容室は快く引き受けてくれた。
いつもお世話になっているお姉さん、ごめんなさい。
今回お世話になるお姉さん、よろしくお願いします。
と謝りつつ、感謝しつつ迎えた当日。
姉とは同じ日に切りに行ったが、バラバラの予約時間だったので、美容室の近くにある喫茶店でお茶をしていると、姉から、
姉「いよいよ切りました。1束だけ切らせてもらったんだけど、絶叫しながら切るという、迷惑なことをしました。笑」
とメッセージが届いた。
私は髪を短くすること自体に抵抗はないが、姉はずっとロングヘアだったので、ある程度ショックだったのだろう。だけど、それ以上に姉はどこまでも優しい人だ。
「誰かが困っているなら、私が助ける」
というのが、姉の生き方なので、今回もそれでヘアドネーションを決意したと聞いた。
いい女だよ。お姉ちゃん。
そんな風に思っていると、自分の予約時間が迫ってきたので、私は美容室に向かった。
姉を担当していたのは、店長。
私の担当は、お姉さんだった。
私「ヘアドネーションカットした後は、切りっぱなしボブに眉上バングがいいです。画像もあります」
お姉さん「画像通りだと結構切りますけど、いいですか?」
私「お願いします」
お姉さん「かしこまりました。では、これでいきますね」
お姉さんが、準備を始める。いよいよか、と緊張しているとチーム姉がざわつき始めた。
店長「すごく切るみたいですけど、大丈夫ですか?」
姉「あの子、そのつもりで今日来たから大丈夫です」
それを聞きながら苦笑していると、準備が整った。
さよなら、私の髪。
行ってこい、私の髪。
誰かの役に立ってこい。
お姉さん「では、行きます!…あ、ご自身で1束切られますか?」
私「絶対にガタつくから、お姉さんが切って下さい。笑」
お姉さん「なるほど。笑 では!」
そんなやり取りをし、お姉さんが髪の毛にハサミを入れる。
私「おー…」
と1束、また1束と無くなっていく髪の毛を眺めていたその時。
店長「あ、切り始めました!うわぁぁぁぁぁ!」
姉「うわぁぁぁぁぁ!」
と何故か、チーム姉が私以上に髪の毛が切られていく様子に絶叫し始めた。
そっちが叫ぶんかい!笑
と思っているうちに、お姉さんは、凄く丁寧に、そして手際よく髪の毛を切っていき、私の髪はいつかのように切りっぱなしボブになった。
お姉さん「いかがでしょうか?」
私「可愛い!」
お姉さん「よかったです!」
私「ありがとうございます!」
お帰りなさい、私の髪。
1月に姉に切ってもらって以来、目に掛かる程に伸びてきていた前髪も、お気に入りの眉上バングに復活。
久しぶりのボブと眉上バングは、最高に可愛く仕上がった。
まあ、元の素材の良さはさておき←
一方の姉も、前下がりボブに大変身。
1番長いところで、50cm切ったらしい。
姉「いったね!」
私「お姉ちゃんも、いったね!」
と終了後、互いの髪型を見て笑い合った。切ったばかりの髪は早速然るべき場所に郵送し、私達は休憩しようとレストランに入った。
私「私より、チーム姉が叫んでたのウケる」
姉「だって、店長が逐一報告してくるから。笑」
私「それより、お姉ちゃんが絶叫しながら切ったって話の方が、気になるわ。笑」
聞くところによると、
店長「1束切りますか?」
姉「…はい」
とハサミを入れた姉は、あまりの光景に、
姉「うわぁぁぁぁぁ!」
と絶叫。同時に、見守っていた店長も、
店長「うわぁぁぁぁぁ!」
と絶叫したとか。
いや、店長も絶叫したんかい!笑
すると、姉はオレンジジュースをひと口飲んでから神妙な顔をして言った。
姉「むぎ、知ってっか?」
私「何?」
姉「美容室のハサミは、切れ味が抜群に良い」
私「でしょうねwwwwwwwwww」
姉「wwwwwwwwww」
そんな感じで(?)、私達姉妹のヘアドネーションは幕を閉じた。
またやるかどうかは分からないけど、とても貴重な経験になったことには違いない。
そして意外と、私はロングが似合うかもしれない、と気付くことができたいい機会だった。
まあ、元の素材の良さはさておき←
よろしければ、お願いします。 お願いします!!(圧