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シュールな短編小説

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ファンタジー、そして時にはシュールな短編集。
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#真夜中

真夜中のマラソン大会

 向かいのビルのデジタル時計は、0:27と表示していた。  寒空の下、わたしはは半袖短パンの…

むぅにぃ
3年前
4

真夜中の小児病棟

 また、暗い時間に目が覚めてしまった。昼間もずっとベッドで横になっているので、眠りが浅い…

むぅにぃ
3年前
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本当の真夜中

 図書館で、「宵っぱりよ、これが真夜中だ」という本をたまたま手に取った。  それによれば…

むぅにぃ
3年前
4

真夜中の恐竜

 わたしの住む街で、近ごろ妙な噂が広がっていた。  人が寝静まった真夜中に、アパトサウル…

むぅにぃ
3年前
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セメント工場の謎

 町外れのセメント工場脇に、高さ10メートルほどの囲いがある。窓1つない、打ちっ放しのコン…

むぅにぃ
3年前
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真夜中の引っ越し

 真夜中の散歩をしていると、マンションの前で引っ越しが行われていた。 「こんな時間に酔狂…

むぅにぃ
4年前
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真夜中の遊園地

 蒸し暑い夜だった。とっくの昔に零時を回っている。それなのに、どうしても寝つけずにいた。  いきなり「おしりかじり虫」がやかましく流れ出す。  枕もとに置いた携帯の着メロだった。 「はい、もしもし」わたしは応対する。 「おうっ、おれだおれ」悪友の桑田孝夫だった。「なあなあ、起きてる?」 「起きてるよ。じゃなかったら、電話になんか、出るもんか。それと、いきなり『おれだおれだ』っていうの、やめたほうがいいよ。オレオレ詐欺だと思われるから」 「いまから、遊園地に行かねえ? 夜の

真夜中のアーケード

 真夜中のアーケード街は、降りたシャッターがどこまでも続く。人ひとり見当たらず、ひっそり…

むぅにぃ
4年前