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産後うつがやってきた

結局は未だ病院に行ってはいないのだけれど、産後うつになった。

ノミちゃんとの日々や、子育てのこと、離乳食のことも記録したかったけど、どう書いて良いやらわからなかった。
楽しいふりなどできなかった。

昨年2月に子どもを産んでからというもの、自分にはこれっぽっちの余裕もなく、とにかくガムシャラだった。ずっと、自分が自分の人生を生きている感じではなかったし、この一年、いやひょっとするともっと長く、夫や子どもが優先で、自分自身は後回しだった。

毎日を子どもと2人で家で過ごす… これが思ったよりもずっとずっときつかった。

毎日散歩やらをする中で、赤の他人にまず「ハーフ?」とか「お父さん似かな」とか言われるとなんだか自分が透明人間になったような気分になった。みんなに「可愛いくて飽きないでしょう〜」と言われれば飽き飽きしているので何と言うべきか困ったし、申し訳ない気持ちになった。ノイズライブが好きな自分でも、子どもの泣き声には耐えられなかった。毎日逃げ出したいのに、逃げ出せないカゴの中の鳥のようだった。

今思えば、里帰り出産には意味があるし、周りに頼れる人が居ることって重要であった。
もちろんグレさんは居るけど、なんでかそれは夫ではなくって、自分の母親とか女友達だった。女性の細やかさや、気配り、先輩ママの経験談が欲しかったし、「うんうん」と聞いてくれる存在にいて欲しかったのだった。

ある日、まだノミちゃんが3ヶ月とか4ヶ月の頃に3人で公園へ行ったら、インド系の女性3人が1人の赤ちゃんを囲んでおしゃべりしていた。3人みんなが赤ちゃんを気遣っていて、どの人がお母さんなのか正直よくわからなかった。それを見てひどく羨ましく思ったのを覚えている。
私はそれが欲しかったんだと思う。

グレさんは、その時なぜか「彼女が幸せな暮らしをしているかはわからない」と言った。
その時初めて、私は彼が遠くにいる気がしたのだった。

産後のホルモンは爆走し、グレさんは完全に敵だった。なんでかと言えば覚えてないけれど、グレさんが子育てにしゃしゃり出てくるのも気に食わなかったのだろう。母乳を頑張ってあげようとしているのに、ミルクを持ってきて私のやる気を削いでいるとか、何かにつけて調べる私に対して何も調べず色々言い始めるのが嫌だったり、とにかく何かにつけて嫌だった。
私はずっと迷いながらしていたし、不安を感じながらノミちゃんの世話をする中で、彼は楽しそうに嬉しそうにしているのが心から羨ましかったし、寂しかった。

彼女が泣いたらあたふたしてダメな親と言われているような気がする一方で、泣かれても鼻の下を伸ばす彼を見て、私はパパになりたいと思った。

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