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(会期終了)第62回蒼騎展@"ポール・○キューズがまずい"国立新美術館

どうせ蔡國強の話ばっかすんだろ?

せっかくだから俺はとなりでやってた公募展を選ぶぜ!

特に書いてないが実は自分のノートは

  • ①美術館以外

  • ②記事公開時点でギリいける展示

という優先度でメモを残してるので今回はルール外になる(正直どうでもいいし、今後は物理的なノートに記録していたものをこのデジタルに移行するかもしんない

ちなみに①は確かにどうでもいいが、②は個人的に気になり、すごいええで!なレビューとかツイート読んで「ええやん!いこ」ってなったときに「なお、会期終了済」だとひじょうに萎えるためだ

入場料は700円の強気設定

この展示は入口で入場料を取られる
おとな700円だ

しかしさいこっきょう展の半券があれば200円になる
やっぱ原初火球だぜ!

ちなみに団体公募展なので、金の話はあとでまたする

そもそもどんな団体なのか

かっけええええ!!!!!

いったい日本にいくつのこの手の団体があるのか見当もつかない
社会学とか地理学の研究室でしらべてる人いなんだろうか まあやってねえだろうな、金にならないし

この展示の主催団体である蒼騎会はこんな感じの来歴らしい

蒼騎会は、1959年(昭和34年)若い美術家たち十数人により結成
(中略)
油彩・日本画・水彩・版画・パステル・ミクストメディア等多彩な作品の全国的な公募団体

蒼騎会のホームページより引用 省略は記事執筆者による
http://www.sokikai.com/guide.html

ちな同会ホームページには「無断引用禁止」の表示があったが、上記は明らかに著作権法32条1項に該当するため無断で引用している

(引用)
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

ほかにはこんな資料もあった

蒼騎会結成
記事番号:02258
年月:1961年01月
横田泰一、井上正喜、後藤弘等抽象、具象派23名の洋画によって創立、1月24日から29日迄池袋三越で第1回展を開いた。

https://www.tobunken.go.jp/materials/nenshi/2953.html

公式では「若い美術家たち十数人」なのが、他では「抽象、具象派23名」なのが非常に気になる 分裂・除名が想像できる
ちなみに現地資料でも10人代だった気がするので、その設定がカノンっぽい

ひとりだけリンク張られてた井上正喜だが、リンク先は井上正という別人だったので前方一致で張っちゃうよくある不具合だ
記事書いた人もみてない説ある
「独立行政法人 東京文化財研究所」!!夢の職場すぎる!!

青騎士との関係というか影響について

チラシを忘れたのが悔やまれるが、現場の資料には「それをほのめかす」内容が書いてあったので影響あるのは間違いない

で、受付のおばちゃんに「青騎士とかをモデルにしたみたいな?」と聞いたら「なにそれ」だったので現場レベルではどうでもよい模様

だし、そもそも20世紀頭の芸術運動の影響を1960年代に受ける、っていうのもなんか変だ(それいったら漫画雑誌の青騎士なんて100年越しだが)
まあ名前かっこいいから由来なんて何でもヨシ!

展示について

あたりまえだが具象率高い 95%くらい
半分シュールレアリスムみたいな作品も多いので95は言い過ぎかもしれないが、それでもはっきりした抽象画は1か所に固められる程度の比率

油彩・日本画・水彩・版画・パステル・ミクストメディア

さっきの
よくよく考えると画材の話に「日本画」まざってるのがおかしくね?

と公式には書いてあったが、おおむね油彩、アクリル、水彩で
日本画、版画、ミクスメディアはなかった(と思う)
そもそも日本画は媒体じゃなくジャンルとか作法だから実は中に「アクリルだが日本画」(自認)とかがあったのかもしれない

「いやー、なんだかわかんないね」みたいに抽象画ゾーンで当惑するおじおじたちがいらっしゃったりしてここだけ完全に19世紀だ
(青騎士の時代背景的にはあってんのかもしんないが

この隣にも同じ作家の樹木をモチーフにした作品があり、そちらは外周のエフェクトがない

この作品に限らず、印象派っぽい、シュールレアリスムっぽい拡張に挑戦した絵が多い

突然のインターナショナル(台湾)部門

どんどん見ていくインターナショナル部門が出現
台湾の人が多い(もしかしたら全部そうだったかもしれない)

で、とにかくみんなくそうまい
中国、台湾、韓国にやたらうまい人が多いというのはイラストではすでに常識だがまあそこから考えるとそんな驚くはなしでもない
(むしろ日本が下手なだけなんじゃないかという気すらしてくる

台湾セクションに入った瞬間に具象戦闘力が5000くらい上がる
素人目にみてもわかるうまさ 画題もしぶい そして額もいい

このパースで自転車いい感じに書くのって大変すぎないか
そこまでしてこの画題を選ぶ気持ちに何かを感じる
個人的にはこの作品が優勝

そして小品へ

なぜサイズで分ける… という疑問がないでもないが、この部門は後に新設されたものらしい

確かにF100とF4の作品どっちか大賞にしないといけないみたいな話になったとき、小さいほう選んじゃったらでかいの描いた人がかわいそうすぎる

故人の作品

今回出品予定だったのにその間に物故してしまった方の作品には、横に本人の写真と経歴が添えられていた
こういう死に方も悪くないなと思わせるものがある

絵葉書

入口で出品作品の絵葉書を売ってる!!!
美術館みやげ人気ナンバー1のあれや!
それを自分のアレでアレできる!!最高っしょ!!

これで賞とか取っちゃった暁には友人一堂に最高のマウントがとれる

ちな1枚400円だからたぶんセザンヌとかピカソのより高ぇ

かかりのおばさんによると、「希望すれば」つくれるそうだ
当然つくるでしょ!!

と思ったが、もしかして製作費とかノルマとかあるのでは??と一抹の不安がよぎる
が、絵葉書が作れるんだから別にいいだろう

雑感

かなり楽しんでみて回れたのでよかった
やっぱり日本は文化大国である(やったぜ!)という反面、もう賞はやらんほうがいいのではないか、とも思う
→この辺が具象ばっかになる原因でもある

ただ個人的にはもっと抽象、そしてミクストメディアの作品があればいいのに、という気持ちもあるが、まあこの辺はしょうがないだろう

ちなみにやっぱり金はけっこうかかるみたいである(画材以外で)

  • 会友、会員などに推挙されたときのランクアップ費用

  • 会費(思ったよりパワーある

  • 展示会冊子ノルマ(まじかよ けど冊子はいい出来らしい

などなど
団体を続けるには先立つものが必要なんだなぁとわかる
たぶん絵葉書もこういう経緯ではじまったサービスなんじゃろう

ちなnoteでこの辺のこと書いてる人がいるので気になった人は

#蒼騎展

で探してみよう!!!

ついでに蔡國強展

見ててちっといいなと思ったこと
蔡は福島のいわき市とつながりがあり、そこでは蔡通信という冊子が発行されている、という話

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