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変わりたいのに変われない自分にガッカリした時は脳について知ってみる

変わりたい、前に進みたいと思って行動しているつもりなのに、気付いたら同じ場所に戻っていて何も変われていない自分にガッカリする。

その原因はあなた自身じゃなくて、人間の脳の仕組みにある。

脳は現状維持を好みやすく、新しいことに挑戦するのが苦手だ。かなり怠け者な一面もあるから、できるだけラクしたいと考える。

この脳の仕組みを知らないと、三日坊主になってしまうのは自分のせいだと考えたり、自分は変われないんだと自信をなくしてしまったりする。自分がダメなんじゃなくて、脳ってそういう仕組みなんだ!と知るだけでも気持ちがラクになる。

そんな怠け者の脳を騙して自分自身が変わっていくためには少し時間がかかる。何か一つの新しい習慣を身につけるには最低3週間かかると言われている。脳は新しいことをしたがらないから、その習慣が「新しいものではない」と覚え込ませるためにはある程度継続して脳を慣れさせる必要があるからだ。

毎日やっていることはそんなに億劫に感じなくても、新しい習慣はとても億劫に感じられることがある。そのせいで3日坊主になってしまったり、途中で挫折してしまったりする。ダイエットや禁煙などもそう。今までの生活習慣を変えるには、脳の情報を書き換えなきゃいけない。脳はすぐに元の生活に戻りたがるから根気良く教えてあげることが大切だ。

例えば「毎日掃除をする!」と決めたとして、最初の日は行動できると思うけど次の日になると「昨日掃除したから今日はしなくていいじゃん」という脳の怠け癖がむくむくと出てくる。そんな時は先に行動を起こしてしまおう。脳がやる気になるのを待っていては何も出来ないうちに1日が終わってしまう。

「1分間だけ床を掃除する」と目標を決め、脳が怠けたがっていても無視して行動を始めてしまう。そして1分間では部屋全体の掃除はできずに中途半端になってしまったとする。そうなったら脳は「中途半端はなんか気持ち悪い」と感じるはずだ。どうせここまでやったならキリが良いところまでやってしまいたいという気持ちになるはず。脳は中途半端で中断することも苦手だから。

部屋を半分だけ掃除するとか、茶碗を半分だけ洗うとか、洗濯物を半分だけ畳むとか、中途半端にすることってなんとなく気持ちがスッキリしないと思う。

自分の強い意志で行動するのは最初の1分間だけでいい。その1分間で「中途半端だ」と感じるところまで作業を進めてしまえばいいのだ。そこから先は脳がやる気を出してスッキリできるところまで勝手に進めてくれる。

「〇〇しなきゃ...」と思っている時はやる気を出さないのに、物事が中途半端になった途端に「最後まで終わらせたい」とやる気を出してくるのが人間の脳の特徴の一つだ。これを利用すると終わらせたい作業を効率的に進められるし、新しい習慣を身につけるのも少しはラクになる。

「変わりたい」と思っているだけじゃ脳は全然やる気を出してくれない。そんな脳は無視して、変わり始めるための行動をどんどん進めてしまえばいい。中途半端になればなるほど脳は最後まで終わらせたい衝動に駆られてうまく動いてくれる。

外見を変えたいならまずは簡単にできる服装・髪型・メイクなどを変えてしまう。失敗してもいい。失敗して中途半端な状態が重なっていくうちに脳が動き出す。素敵な髪型にしたならその髪型に似合う洋服が欲しいと思うようになるし、素敵な洋服を手に入れたらそれが似合うスタイルになりたいと思う。最初は少しずつしか変化しなくても、勢いがつけば坂道を転がるように変わっていく。

「自分はダメだ」と諦める必要はない。ダメなのはあなたじゃないから。中途半端をとにかく積み重ねていく。1つや2つの中途半端ではなく大量の中途半端を作り出すのだ。何もかも中途半端になっていくと、脳は動かざるを得ない。「こんなに何でもかんでも中途半端だと気持ち悪い〜」と脳が感じるまで中途半端を積み重ねてみよう。

内面や行動パターンを変えたい場合も同じで、まずは1日頑張ってみるとか1分だけ行動してみるとかして、出来るだけたくさんの中途半端を作っていく。中途半端になってしまうことに罪悪感を持つ必要はまったくない。脳が動くための材料を揃えて準備している最中だと思って、むしろ楽しんで中途半端を作ろう。

材料が揃ったら必ず火がつく瞬間がある。「もうこれ以上中途半端はイヤだ!きちんと完成させたい!」と思うようになる。その状態になればラクに行動できるし、わざと中途半端にしておいた材料がどんどん完成して片付いていく。どの程度の中途半端さで脳がやる気を出すかは人それぞれだから自分の加減を探してみよう。1分の行動じゃ全然やる気が起きてこないなら1分半に行動を伸ばしてみるとか工夫して脳の様子を探ってみる。

これは人生で一度だけやればいいというものじゃなく、何か新しいことを始めたり自分を変えようとするたびに必要な過程だ。そういう脳を持って生まれたから仕方ないと思ってうまく利用する方法を学んでほしい。方法さえ学べば難しいことじゃない。何かを完璧に成し遂げることは難しいけど、中途半端を量産することはそんなに難しくないはずだ。何度も繰り返すうちに、このくらい中途半端にしておけばそのうち脳がやる気を出すだろうという加減もわかってくる。

脳の特徴を知って利用できるようになれば、自分を変えることはそんなに難しいことじゃない。誘惑に負けてしまうこともあるかもしれないけど、それも中途半端な材料として利用してしまえばいい。「自分が悪い、自分がダメなんだ」と思ってしまうと脳は諦めてしまうから、それだけはしないように気をつけてほしい。「中途半端さが足りなかっただけ」と思って積み重ねていこう。毎日できなくてもいいし、誘惑に負ける日があってもいい。それもすべて脳が動き出す時の良い材料になるから。


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