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こんにちは。某私大の教員でしたが、色々あって辞めました。2024年度からは、とある公的…

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こんにちは。某私大の教員でしたが、色々あって辞めました。2024年度からは、とある公的研究機関でお世話になっています。主に科学や知識をテーマに、コラム・エッセイ系統の文章を、あまり深く考えずに書いて行きます。充電中ですので、今の所、既出文章を楽しんで頂ければ幸いです。

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    かつて出会った本や最近読んだ本について記した記事をまとめています。

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    自然科学やサイエンス的テーマによるエッセイ・コラム。不定期掲載記事のまとめです。

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    学術や知識の周辺事情と社会との関連、批判や評論、関連するユーモア等の少しくせのある有料記事をまとめた有料マガジンです。

最近の記事

書を一献(20) 「奇妙な42の星たち」

 現状の出版状況は未確認ですが、私が読んだ頃から少し経過している本ですので、おそらくすでに新刊書籍としては入手困難なのだと想像します。「岡崎彰、『宇宙の秘密教えます 奇妙な42の星たち』、誠文堂新光社」を取り上げさせて頂きます。  記憶と発行年とから、私が読んだのはおそらく1995年前後で、博士課程に入っていたか、あるいはその直前であったか、そんな時期に出会った本である気がいたします。  天文学関係でも特に星を中心とした、少し不思議な興味深いふるまいをする天体を個別に取り上げ

    • お陰様で、本noteを開始して以来の記事連続投稿が、ひとつの目標であった100日を達成して120日程になりました。今後はやや落ち着きつつ、引き続き科学や知に関連したコラム・エッセイ調の文章を公開させて頂きます。よろしくお願いいたします。

      • 書を一献(19) 「論語」

         論語については、著者を明示できるかすることに意味はあるのか、私の知る範囲では定かではないのですが、孔子界隈と後代の皆様の力作、ということなのでしょうかね。「金谷治訳注、『論語』、岩波書店」を、一度程度通読したことがあります。  この本に関する私の「読む」という行いは、主に注や書き下しを読ませて頂いたということだと思います。  言うまでもなく、東アジア文化圏における価値観の根底を成す哲学のひとつという考え方もあり得るのではないでしょうか。私は専門家ではありませんから、単純に趣

        • 日常の記(17)星の名前を単に羅列

           もともとの天文好きが高じて、そちら関係で博士号を取ってしまった感じの筆者ですが、その後はというと、あまり天文ぽい教育・研究と関わるでもなく、廃業にも至らずなんとか、大学人をやっております、今のところはですが。  天文的な話としては、物理であるとか学術的であるとか、そういった方面に人生が偏ってしまったのが、やや不満と言えば不満でしょうか。もう少し情緒的であったり文学的であったりでもよいと思いますが、良くも悪くも「科学」でないと、何かしらの評価につなげるのが難しいのが現実です。

        書を一献(20) 「奇妙な42の星たち」

        • お陰様で、本noteを開始して以来の記事連続投稿が、ひとつの目標であった100日を達成して120日程になりました。今後はやや落ち着きつつ、引き続き科学や知に関連したコラム・エッセイ調の文章を公開させて頂きます。よろしくお願いいたします。

        • 書を一献(19) 「論語」

        • 日常の記(17)星の名前を単に羅列

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        記事

          スイングバイで失われるもの(4)

           前の記事では、スイングバイによる飛翔体の加速を、専門家の方等もよく用いる衝突による運動量の移動に類似した現象として、やや蛇足ながら改めて説明してみした。今回は、両者共に太陽の重力下で軌道運動している状態であることについて、少し考えてみたいと思います。一部、筆者の直感的な描象・理解による表記箇所があります。 両者共に軌道運動をしている 本来のスイングバイにせよ衝突と反射を用いた例え話にせよ、共通しているのは、現象を見ている座標系に依存して速度増加が起こるという点ですね。  

          スイングバイで失われるもの(4)

          スイングバイで失われるもの(3)

           前の記事では、大質量のダンプに低質量の軽車両等が衝突する様な車両の衝突の例えから、スイングバイの速度変化の原理の置き換えと、観察する座標系による速度変化の違いの存在について、語り始めました。その辺りについて、話題をつづけたいと思います。 例え話から本来のスイングバイへ 例え話の繰り返しになります。  地上から観察していると、軽車両の側は軽車両なりの速度で走っていて、ダンプと衝突して反射されると運動量をもらって加速されて、ダンプから遠ざかる様に見えると考えられます。同じ現象

          スイングバイで失われるもの(3)

          スイングバイで失われるもの(2)

           前の記事では、宇宙開発関係の報道等で時折目にする「スイングバイ」という技術について、ネット上の記事を引用しながら復習しました。そこから続けて、対価無く加速して、太陽から見て地球よりも高い場所である外惑星付近まで探査機等を持ち上げてくれるとはいったいどういうことか、考えてみます。 スイングバイ説明の為の例え話 前の記事で引用したJAXA様による質問への回答ページをはじめ、いくつかの良い内容のスイングバイの説明が、ネット上には存在しています。そういった解説でよく使われている例

          スイングバイで失われるもの(2)

          スイングバイで失われるもの(1)

           宇宙ロケットを使って飛翔体を飛ばす際に出てくる用語で、「スイングバイ」という言葉があります。惑星探査機に関する、地球の重力を脱出した後の飛翔に関連してニュースなどで出てくる言葉で、概ね飛ばした飛翔体の速度を増す為に使われる技術を指している様です。しかし、ロケットを吹かす等の作用反作用の法則によらず飛翔体を加速させられるというのは、エネルギー保存則といった、よく参照される理屈に反してはいないのでしょうか。本稿は、そういった話題に関するものです。 スイングバイそのものの復習 

          スイングバイで失われるもの(1)

          日常の記(16)世界共通

           前職に着任したあたりから完全に国内引きこもりです。  新型コロナウィルス関係によるところもありますが、それ以前に筆者自身の研究や義務的業務からの要求として海外出張の必要性が以前よりも下がってしまったことの方が、理由としては大きいかもしれません。  科研費のプロジェクトを背負っていた時期には、年に2~3回位、調査や研究発表の為に、何かしらどこかしら、海外に出かけていました。それでも最後の時期はほとんど東南アジア関係であったので、例えばアメリカなどは最新の相手側入国手続きなどま

          日常の記(16)世界共通

          過去記事紹介「オイラーの等式を理解する思考過程の断絶」

           過去記事「オイラーの等式を理解する思考過程の断絶」 を紹介します。  自然対数の底や円周率や虚数単位が入っている例の不思議で有名な等式についての感想をあれやこれや述べている、数式を見ながらのエッセイ系統の文章です。全部で3記事のシリーズです。  この有名な等式それ自体については様々に取り上げられており、興味深い文章もたくさん存在し、それ程の新規性はないと思います。それでも、筆者が「途中で思考が途切れて論理展開を追えなくなるのですが」とどうどうと馬鹿正直に書くのが新しいので

          過去記事紹介「オイラーの等式を理解する思考過程の断絶」

          書を一献(18) 「白きたおやかな峰」

           気が付けばもうかなり作品に目を通していないのですが、私は昔北杜夫のファンでした。今でもそのつもりではありますが、一生懸命に作品を読まなくなって久しいので、はたしてそう名乗る資格があるのかどうか、わかりません。  北杜夫作品中ユーモア寄りではない小説やエッセイのうち、おそらく私が最も繰り返し読んでいるものの一つが、ここで紹介させて頂く「北杜夫、『白きたおやかな峰』、新潮社」です。手持ちは文庫版ですね。  「夜と霧の隅で」でもなくドクトルマンボウでもなく「船乗りクプクプの冒険」

          書を一献(18) 「白きたおやかな峰」

          日常の記(15)電車の加速度

           筆者も日々生活の為に鉄道を利用しています。東京圏在住ですから、自家用車よりも公共交通機関の方がおそらく利便性が高いと思われます。そんな関係で、鉄道は自動車よりも身近に感じる所です。  そういった地域事情に加えて、筆者はどうやら鉄道好きな様です。趣味的に鉄道が好きですと、様々な鉄道にまつわる情報を仕入れたりする機会もあるわけですが、そういった数ある情報の中で「加速度」あるいは「加速性能」などと呼ばれる数値が、鉄道趣味界隈では時々視界に入ったりするわけです。  この際加速度とい

          日常の記(15)電車の加速度

          三角形夜話(6)

           前の記事では、考察している三角形のひとつの辺に関する式が最終的によくわからない形に整理されました。ここまでの各段階すべてよくわかりませんからあまり状況が変わったともいえないのですが、それでも若干見通しが改善されつつあります。この辺りで、何かしらの収束を見出してゆきます。 因数分解で得られた最後の項の意味 ここまで、三角形ABCのAに対応する辺BCの長さ$${a}$$について、Aからおろした垂線による分割の式を2乗し、整理することを続けています。今の所、以下の形まで持ってき

          三角形夜話(6)

          日常の記(14)令和5年の春分の日です

           春分の日はどうあっても月曜に移設できない休日です。天文学的に決まりますからね。それでいて、法的には官報への掲載で正式に確定されるそうです。つまり祝日としては、天文学ではなく完全に社会の内側の存在なのでしょう。  基本的には昼と夜の時間がほぼ等しい日である様です。「ほぼ」というのは、春分が厳密には一瞬の時点であるから、それが春分の日の何時何分であるかによって、昼夜の時間が微妙に違うこともありそう故に、ほぼと表現してみました。  一瞬の春分というのは、太陽の春分点の通過という現

          日常の記(14)令和5年の春分の日です

          三角形夜話(5)

           前の記事までは、三角形の辺BCの長さの2乗に関する式について色々と変形をしてきました。そして、単なる三角関数の計算ではなく、三角形の性質を適用することで、どうやら項が増え続ける状況からも脱することができた様でした。続けて本稿も、そろそろ収束に向けた内容として行くつもりです。 項の整理 今考察している、長さ$${a}$$である三角形ABCの一辺BCについて、前回得られた$${a^{2}}$$に関する式は、次のようなところまで持って来ることができております。 $${a^{2

          三角形夜話(5)

          写真紹介の記事について

           すでに告知済みですが、過去に自分で撮影した写真を時々紹介してゆきたいと思います。  主なテーマによる記事の間の箸休め・つなぎの様な役割で、「日常の記」のカテゴリとし時折まとめてマガジンにも収録いたします。  つぶやきとテキストのどちらかの形式を用いる予定です。内容は特に限定しませんが、本noteのテーマである科学や知識の楽しみや理解と関連するものにしてゆきます。しかし、食べ物が入ることはお許しください。  ひきつづき、よろしくお願いいたします。

          写真紹介の記事について