定年からの人文系大学院生~定年後の生き方を考える(その4)
志望校を決める
大学のウェブサイトをいろいろと調べた結果、3,4の大学院に自分の研究したい分野の先生がいることがわかった。全国に目を向ければ他にもあるのだが、未来のある若者が将来への自己投資として大学院に行くのとは訳が違うので、自宅から通学可能な範囲で選ぶとこうなった。そのうちの1つの大学の先生が特に研究分野、研究方法ともに自分の希望にぴったりしているようだった。その先生の論文を可能な限りかき集めて読んでみた。ウェブや近くの図書館で手に入らないものは国立国会図書館に行って手に入れた。そうしてこの先生の研究テーマや方法が自分の希望と合っていることが確認できたので、実際に会って話をしてみようと思った。
するとちょうどその頃、その先生がカルチャーセンターで講義をすることを見つけて、早速受講の手続きをした。後から考えれば、この先生がカルチャーセンターで講座を持ったのはこの年だけだったので、とても幸運だった。講義を受けてみると、癖のある人ではなく、相性の問題もなさそうに感じられた。講義内容も自分の興味と合っていた。
そこで、先生に時間を取ってもらって、大学院に入れたら研究指導をしてもらえるかどうか相談した。その際、手ぶらでは先方の判断材料が少ないのではないかと考え、略歴とこれまで言語学のどのような勉強をし、どのような文献を読んできたかをまとめた資料を用意した。その先生はウェブサイトで自分の研究室に入りたい学生が読むべき文献リストを公表していたので、なるべくそのリストに沿って文献を読むようにしていた。
面談の結果、指導していただくことについて了解を得た。また、出願の際に提出する研究計画書を事前に見ていただくことも了解を得た。
カルチャーセンターという開かれた場に恵まれない場合は、大学の公開講座などで講義を聴く機会がないか探してみよう。それもなければ、直接連絡して面談を申し込んでみよう。
志願者が事前相談に来るのは、大学の先生の側にとっては珍しいことではないので、恐れずに連絡してみよう。面談する際に、まったくの徒手空拳でふらっと行くのはよろしくないと思われる。やはり、自己紹介や志望動機、何をどう研究したいのか、そのためにこれまでどのようなことをやってきたのか等を簡潔に説明できるように準備していくべきだろう。
なお、言語学の先生は語学科目も担当していることが多いので、人によっては文学部や外国語学部などではなく、法学部や理工学部に所属している場合もある。その場合、院生はとらないので少なくとも主任指導教員として研究指導を受けることはできないだろう。大学を選ぶ際の留意事項の一つである。
ここまで来ると、後は入試に合格するだけだ。研究計画書の内容を練って作成し、筆記試験対策の勉強をする。この内容は人それぞれ個別の内容になるので詳細は省く。あと、忘れてはいけないのは出願の際に添付する卒業大学の卒業証明書と成績証明書だ。出身大学のウェブサイトに書いてある請求方法に従って、出願に十分間に合うように請求しておく。
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