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好奇心は知識を繋ぎ智慧を磨く


はじめに

 X(旧ツイッター)で、「必要な知識だけ仕入れても、体系的に学んでいないとそれは知識ではない」というポストを読んで、こういう引用をしました。

困った事があると、毎回、その解決方法だけを仕入れて解決する。
どうして解決に至ったか、その背景の原理、知識、関係情報、そういうものには手を伸ばさない。
何も遠くまで手を伸ばす必要は無くて、少しだけ手を伸ばす。
そうしていると、そのうち、手と手が繋がれて、自分だけの体系が手に入る。

https://twitter.com/mtsuruta/status/1759386581499355224?s=61&t=fVGsMTSvkl0vRp3uOOQpeQ

 この後、いろいろと考えてみると、もう少し詳しく説明した方が良さそうだと思い、この記事を書きました。
 テーマはタイトルの「好奇心は知識を繋ぎ智慧を磨く」です。
 なぜ好奇心が?
 それをだんだんと解説してみようと思います。

断片的な知識

 何かに躓くと、答えを探します。
 そしてその答えを使うと、問題は解決します。
 でもそれだけだと、その躓きの回答は得られても応用は効きづらいです。
 どうしてかというと、どうして解決できたか、という過程をすっ飛ばして回答だけ手に入れているからなんです。
 どうして解決できたか、というのが大まかにいうと原理です。
 この原理は、幾つもあって、それぞれが相互に結びついています。
 原理を知って、それを結びつけていくと、応用力が高まって、新たに躓いた時、答えを自分で出せるようになっていきます。

そこにある答えだけ見つけて終わる時

 大抵の場合、ググって見つけた答えの近くに、原理が書いてある事が多いです。
 ただ答えだけを見つけて問題を解決する、というスタイルのですと原理を読むのは時間の無駄と、読まない事が多いでしょう。
 手早くタイパ重視で問題を解決するスタイル。
 これは企業が短期利益を求める姿に似ています。将来の投資をするとその分、費用がかかりますから、それをやめれば短期的には利益が出ます。
 ですが、長期的には先細りになって行きます。
 答えだけを追い求めるスタイルは、これと同じだと思うのです。

原理に手を伸ばしてみる

 答えがどうやって導かれたかの記述を読んで理解するにはコストがかかります。主に時間と思考力です。
 場合によっては、ググって見つけたそのページだけでは分からない事も出てきます。知らない用語とかです。
 そしたらその知らない用語をキーにしてさらにググって調べます。
 あまり良く知らない分野だとこのループ(ググる、知らない用語が出てくる、またググる)が結構深くなりますから、そこそこ時間もかかりますし、思考力も消費します。
 もちろん、完全に理解するまでやってたら、時間も思考力も足りません。
 だから、そこそこでやめる事になります。

ネットの中だと好奇心は猫を殺さない

「好奇心は猫をも殺す」という諺がありますが、ネットの中でググる分には、大抵は大丈夫です。ダークウェブとかに行かない限り。
 先ほどの、知らない用語をググるループをどれくらい深くやるか、探求するか、という一番の資源が「好奇心」なんです。
 子供の頃の「なんでこうなってるんだろう?」というキモチです。
 好奇心という資源を使って、原理に手を伸ばす訳です。
 だから、知らない用語が出てきてそれを調べる時、勉強しなくっちゃ、とか、知識を身につけるんだ、とか思う必要はありません。
「ナニこれ、面白そう!」と思ったら、ちょっと脇道に好奇心のお散歩に出かけようじゃありませんか。
 道草です。でもこれは有用な道草なんです。

好奇心が伸ばす知識のネットワーク

 こうして原理に少しずつ手を伸ばしていくと、いつか、以前伸ばした手と、今伸ばしている手が繋がれるんです。
 そうすると、何かパズルのピースがパチリとハマったように頭の中に知識の地図が出来始めます。
 断片的な知識、少しだけ原理に近づいた道草、それらが有機的に結びついて知識のネットワークができて行きます。
 それが、あなただけの「体系的な知識」なんです。
 だからほんの少しだけ好奇心を解放して、道草してみると良いんです。
 道草してる時、好奇心が解放されてる時、楽しいと思ったら、それがその時の収穫なんです。
 そして、それがだんだんと集まって、繋がって、知識のネットワークになる。

智慧を磨く

 そしてある知識のネットワークができてくると、原理が分かってきます。
 原理も幾つもあって、それぞれが有機的に関連しています。
 やはりそれもネットワークとして繋がって行きます。
 そしてそれがある程度繋がると、応用力が急に大きくなります。
 つまり「智慧」が付いたんです。
 これを繰り返していくと、身についた智慧がレベルアップして行きます。
 これがタイトルの「好奇心は知識を繋ぎ智慧を磨く」という事なのでした。

あとがき

 先のポストの内容には、この好奇心という要素が抜けていました。
 ポストの後、Windows95に搭載されたイルカ君などのヘルプキャラクターの話があり、どうしてイルカ君からVBAを学べたか、というのを思い出したんです。
 イルカ君、割と専門用語を使って説明します。
 だから、専門用語が分からないと説明が理解できません。ここで使うのをやめてしまうのではないかと思います。
 専門用語(知らない用語)が出てきたら、ググるなり、マニュアルで調べるなりすると、頭の中の地図に街や街道が書き込まれて行きます。
 てんでんバラバラで、地図として役に立ちません。
 しかし、これを繰り返していると、やがてExcel VBAの地図が頭の中に出来上がってきます。
 そうするとVBAを組めるようになったんです。
 じゃ、なんでそんな面倒なコトをしたのか、というと。
 それが「好奇心」です。
 なんか面白そう。なんだろうコレ?というキモチです。
 不思議なコトやモノに出会ったら、正体知りたくなりませんか?
 どうやらそういう欲求が強かったようです。
 それが好奇心。
 幸いネットの中で住みましたから、猫のように死なずに済みました。
 少しだけ、好奇心を羽ばたかせて知らない事を知りに行きませんか?

 あ、好奇心は猫をも殺す、を調べたら、その続きがありました

Curiosity killed the cat,
好奇心は猫をも殺す。
But satisfaction brought it back.
しかし、満足感がそれを連れ戻した。 

https://daigoron1990.hatenablog.com/entry/2018/10/13/121925

なんだか、この記事と繋がった気がしました。

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