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私は馬場ちゃんになりたい

日に日に蒸し暑くなってくる。
もうすぐ夏がやって来る。
この梅雨がもうすぐ明けるのだ。

これからの時期にピッタリの日本の夏を感じれるとっておきのドラマがある。
「すいか」と言うドラマだ。
私は最近、このドラマを観ながら息子と昼ごはんを食べるのが習慣になっている。

そして唐突ではあるが、このドラマに出てくる「馬場ちゃん」に私はなりたい。
小泉今日子さん演じる馬場ちゃん。
勤めていた信用金庫で3億円を持ち逃げする馬場ちゃん。
そんな馬場ちゃんに私はなりたい。
なぜかと言うと、私にはとても出来る行動ではないからだ。
まぁみんなそうだろうけど。
どちらかと言うと、私はこのドラマに出てくる早川のような女だ。
地味にコツコツ何の変わり映えもしない、絵に描いたような平凡な毎日を送る女なのだ。
馬場ちゃんの事を羨ましいと認めたくはない。
けれどあんな風に大胆になれたなら…と思いつつも文句を言い自分を保身している女々しい女、それが早川であり私なのだ。

ドラマを見ていて思う。
相対性のものが必ず描かれている。
生と死。
大胆と地味。
有限と無限。
他人軸と自分軸。
平凡と非凡。
移ろい行く時間と変わらないもの。

私たちはいつも比較しているのだろうか?
比較する事でしか何かに気づくことが出来ない生き物なのだろうか。
そんな事が頭にぼんやり浮かんだ。

今日は珍しく、夜1人で静かにドラマを観ていた。
観終わりテレビを消すととても静かだった。
心地良い静寂だった。
いつもは騒がしいからだ。
やっぱり比較している。
喧騒に包まれる日常があるからこそ、静寂の有り難さを感じられるようだ。
毎日静かだと有り難さは感じない。
いつも子供達との時間に追われるからこそ、自分時間が貴重に感じられる。
普段自分のことよりも子供達の事をしているからこそ、自分を大切にしたくなる。
子供たちをたくさん愛したからこそ、自分を愛する大切さに気づくことができたのかもしれない。

相対性や比較、それは時にとても大切なギフトを私に与えてくれるらしい。
そして、一つ気づいたことがある。
私は馬場ちゃんになりたいのではないと言うこと。
いつだってどんな自分も選択出来る勇気が欲しかっただけなのだ。
暑い夏が今年もまたやってくる。
さぁ、今年はどんな夏にしていこうか。
そんな事を考えた静かで少し涼しい夜だった。

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