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場所の問題。

自分が本屋を営む場所。

相当な山奥です。
わが寒村、JRは走っていないので(お隣小海町・南牧村にある駅がそれぞれ最寄り駅だ。)公共交通機関を使うとなるとよく田舎のTV番組のロケでよく見る悲しいほど少ない本数のバスに頼るしかない。

それでも頻繁にとは言えないが、人は来てくれる。

ほとんどの人が自家用車を持っている土地柄。

しかも自宅の一部なのでまぁ、思い切ってここを選びました!という感じではないのだが本当にありがたいこと。

それと同時にやはり少し不思議な感じもしてしまうのも本当。

「なんでここまで?」

昨日は上田市真田の遊休古民家を活用しようという方からお誘いを受け、WeekendBookstoreの仲間を誘ってちょっとしたイベント出店をしてきました。

古民家を整理しているうちに不要と判断された本が大分出てきた。それらをカンパ程度に販売し今後の活動資金に充てるとともにチョットした古本市が出来れば・・・というワケ。

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たのしそうたのしそう!と大した考えもなく・・・初めての場所だし、最低限古本を仕入れられることは確かだし、気持ちいい場所で本を読めるだけでも・・・とホイホイ参加を決めて。

当日。

上田中心部から15分程度・・・とイベント会場を目指すもナカナカ複雑な場所ではないか。やはり初めての場所は土地勘もないし少し戸惑う。

こりゃあ来てくれる人たち、チト苦労するかな。と。

事実自分以外の出店者も苦労した様子。(ナビのルートに従うと我が愛車ジムニーでも躊躇う規模の道も。)

が。

この会場となる古民家、離れとなる蔵がついているのだが。
(我々の会場はトップ写真の母屋の方。)

そこにまだオープンしたばかり、という生活雑貨のセレクトショップさんが入っていた。

以前からポップアップ、WEBショップで活動されていてこの物件に出会ったことを機に実店舗を構えたとのこと。

・・・といっても常時ここを拠点としよう・・・というワケではなくあくまで不定休。できるときにできるだけ開きましょうというスタンス。

ほう。

予約制で運営しているウチにも参考になるのではないか?とやはり自らも出店しつつどうしても気が行く。

すると。

来るのである。

結構ひっきりなしにお客さんが来るのだ。

いや、感心しました。

もちろん自らお邪魔して、「ああ、とてもいい空間だな」というのは感じていました。

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オープン直後、という条件もあるにはあるのでしょう。

それでも直接扱っている商品が見れる。店主さんに直接逢える・・・という理由でお客さんはナビを頼りにやってくる。

嫌でも「ファン」という言葉を意識せずにはいられませんでした。

ビジネス書というのはあまり読まないのですが、それでもまぁ「おっ!」というものには目を通します。しかしやはり影響過ぎない程度に・・・と意識しつつという具合。

そんな読み方ですので頭の片隅に引っかかってた程度の「ファン」という言葉。

「まずは100人のファンをつくれ」なんて書き方でしたかね。

普段なら「ほへーん」で終わっていた言葉が途端に説得力を持ちます。

(ちなみにこの古民家再生のプロジェクトを手掛けている方自身もファンの多い、感じのいい方ですので彼女目当てにイベントに来てくれる人は少なくないだろう・・・なんて下心もありました。正直。)

そしていろんなメディア(SNS・ブログ等々)でcoldmounatainstudyをフォローしてくれている方だけでもあれこれ考えて数えてみると・・・いるじゃないですか、100人くらい!

まだまだ何かやりようがあるんだなぁ・・・と何かこう他人事のように感心してしまいました。

さて何がカギなんでしょうね?

告知?これは確かに自分自身苦手意識をもっていますし、カギのひとつなんでしょうね。

しかし。

不便な場所自体が問題なのではない、ということはもう明確なようです。

ジツはこの夏、ウチでちょっとしたイベントを試みた時点でなんとなく気づいてはいました。

この村の小さなイベントに、県内でも遠く飯山市・長野市辺りからの参加者も。(もちろん別の要因が絡んでいたりもするんですけれど。)

また逆に今年は”例の影響”で開催できなかったわが寒村内のイベントにも結構な人数が来てくれます。もちろん回を重ねるごとに徐々に・・・という面もあります。

しかし場所の不便は問題なくも、目的の場所そのものに魅力がなければ来てくれる人の目的地にはなりえない。これも間違いのないこと。

そしてそれは、結構特別な場所でなくきっと身近にあるんだろうな。

当日会場となった古民家、まだ活かされていない2階の廊下を「ここが本当にいい感じなんですよ!」と語る主催者さんの言葉を思い出しながら、そんなことをぼんやり考える昨日今日です。


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