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走る電車の中で本屋をする!~しましま本店-本と電車と春の筑摩野#2

5年前、信州が好きで、旅が好きで、本が好きで・・・という人間には奇跡のような時間を過ごせるイベントがありました。

本屋仲間企てるところの「しましま本店」のイベント「本と電車と春の筑摩野」がそれ。

以前から貴重な車両の中でブックマーケット、または新島々の駅横スペースでブックマーケット・・・と旅と鉄道と本を結びつけるいいイベントをしているのは知っていたんですよ。

それがひょんなことから・・・いやいや、信州の旅と本を愛するものとしては必然か・・・主催者さんと知り合い、あれよあれよと初回の「本と電車と春の筑摩野」出店決定。

これが。

とんでもないインパクトでした。

松本電鉄上高地線。

山好きの方には上高地登山のアプローチ・・・として有名な、しかし走行距離の短い極めてローカルな路線。

その車内で、しかも走行中も・・・本を販売するイベントをしようというのですから!

松本駅から新島々駅までの走行中、本を販売。
新島々駅に停車中も本を販売。
復路、松本駅に戻るまでも本を販売。

今回はこの復路の販売はありませんでしたが2回とも本屋として参加させていただいた印象としてはあまり影響はなかった・・・つまり復路、本を見ようというお客さんは少なかった・・・という印象です。

すごいインパクトでしたね。

何せ踏み切り待ちで見かける・もしくはすれ違う(上高地線は単線です。頻繁に駅ですれ違い待ちの時間が生じます。)電車をみて「おおおおお!?」となる人達の表情を見るのはもはや快感でした。

こんな電車が走ってくるんですから。

ちなみにこの第一回、NHKのTVカメラも同乗。

自分がインタビューに応え登場し、自分の息子のどアップで特集が終わる・・・というある意味すさまじい構成だったのでした。

ボクがしゃべってます。
ラストのカットがこれ。左端のギンガムが自分。

この翌年には大好評につき早くも第2回!・・・となる予定だったんです。
当然です、こんないい企画続くのが当然。

しかし。

そうはなりませんでした。

疫病がやってきたのです。

その頃の感覚で言えば狭い電車の中に人を集めよう・・・など言語道断、といったところでしょうか。十分に納得がいきます。しかも主催者さんにとっては愛する路線の愛する車両を使ったイベント、迷惑をかけるにはいかない・・・となるのは容易に想像がつく。

写真奥、マイクを握る主催者さん。もちろん鉄道オタクさん。マイクを握るとエセ車掌として人格が変わります。
その手前がNHKのカメラマンさん、意気投合しその結果ウチの登場が多くなった感です。

これは本当に悔しかった。数多い疫病由来の悔しい思いの中でもダントツに悔しかった。

だから今年、このイベント復活の知らせを受け一も二もなく参加を受諾しました。

ちなみに主催者さん、時刻表に多く触れ使いこなさねばならないといったテツさんの特性でしょうか・・・マメです。必要以上にマメです。

開催決定から参加者募集・決定。イベント告知から当日まで・・・すさまじいマメさで日々が流れていきます。


それくらいの覚悟がないと運営しようのないイベントなのでしょうね。感服です。

参加が決まり、迎えた当日。

2回目なのでカンがある。それでも振り返れば大分特異性の高いイベントです。

なんてったって、搬入・出店準備をするのは上高地線中間点・新村駅の車両基地。

手前の踏み台から本や什器を載せます。

基地に入りたくて手伝いに来た、という方がいたほど貴重な体験。

出店準備もちょっとヘンな感じ。

新村車両基地にて準備を済ませ、いざ松本駅に・・・というとき。
基地からの路線から本線に出る時がまた見ものです。
一旦基地から本線に出て、新村駅のホームまでスイッチバックで戻る形になるのですが2両編成のローカル線ゆえかその瞬間・・・運転手さん、松本側運転席から新島々側運転席まで、車内を猛ダッシュ!

出店者一同、目がテン。


予想以上の揺れに本や陳列を崩さないよう走行、いよいよ松本駅で走行中の電車の中で本を選ぼうという奇特な(失礼)お客様をお迎えします。


乗ってきます。
ガンガン乗ってきます。

道中マイクを握り人格豹変した主催者のべしゃりととともに松本から新島々までは1時間弱。(すれ違い含む。)

人格豹変中。
奈良井川とcoldmountainstudy。


北アルプスとcoldmountainstudy。


車両すれ違い待ちを見る少年とcoldmountainstudy。

愉しい時間を経て電車は終点、新島々。ここで半日停車しブックマーケット。

ここにも予想以上にお客さんが。

ホーム外には飲食ブースも。

車内では音楽やトークイベント。



松本「BOOKS電線の鳥」マスター原山さんのトーク。


車内賑わいます。

それでもさすがに新島々について数時間・・・数本の到着電車をも送るとさすがに客足も落ち着いてきます。すると今度は本屋同士のコミュニケーションタイム。これがまた愉しい。

特に富山からいらした「コメ書房」さんはつい先刻、実店舗での活動を終えたばかり。なおかつ初回のこのイベントは体調不良で参加キャンセル・・・久々にお逢いできたのでした。そうそう、疫病騒ぎの初期、海外旅行をキャンセルせざるを得なかった腹いせに富山まで出かけたことも。アレもいい旅だった。

その他お久しぶりにはじめまして、いつもの顔・・・などなど。


ウチはこんな感じ。


ようやくお逢いできた・・・元naboのalpさん。


盟友「かえるBOOKS」さん。


プログレ特集の雑誌がたまらない「銀河さんぽ」さん。


SFに強い「ブックスエコーロケーション」さん。


絵本専門「こごみ」さん。


これまた盟友「アカンサス書店」さん。


逢えてよかった!「コメ書房」さん。
やはり実店舗なくなるとお会いできる可能性はグッと低くなってしまうのでね。
コメ書房さん品揃え。いろんな話出来て嬉しかった。
これまたお久しぶり「歩く本棚」さん・・・といっても前回までは「無人駅を巡る本屋」さん。

濃密な濃密な、本の一日。

売り上げもとてもよく、帰りは下道でなく高速で帰れました。

もちろん控えめながら仕入れも。

一応いイベント終了まで自身の仕入れは控えてます。

もちろんこれだけの時間を演出してくれた主催者さん、終了後はヘロヘロ。それでも次回、を口に出してくれました。

それを支えてくれたスタッフさん。出店した本屋仲間たち。遊びに来てくれた方々。

本当にすべてに感謝です。桜の満開が重なり好天に恵まれたのもいわゆる”日頃の行い”ってやつでしょう。

しかし。こういう時間を許してくれるだけで松本電鉄、好印象なのにハブ駅の新村、停車してマーケットを行った新島々・・・いずれもトイレ含め施設によく手入れがされていて清潔。 さらにイメージ上がります。

ちなみに。

自分が運営するSNSでも各所で好評・・・の中でもThreadsでは謎のプチバズりを経験・・・1300を超える好意的なレスをいただきました。

可能性を感じますね。いろんな活かし方ができるという。

最初から最後まで気分よく。

なおかつ今後も本屋、捨てたもんじゃないよね。と思える。

貴重な時間でした。

きっと、また!

追記:参考①

参考②



http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

coldmountainstudy  店主:鳥越将路






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