GEEN DAY新曲PVに著作権切れのミッキーマウスが描かれた背景


『蒸気船ウィリー』のミッキーマウス(Getty Images)

2024年1月1日よりオリジナル版のミッキーマウスとミニーマウスが著作権切れしたニュースはご存じの方も多いと思いますが、その4日後である1月5日にアメリカのロックバンドGREEN DAYがYoutubeにアップした新曲PVに眼帯をして中指を立てているミッキーマウスが描かれています。

まず、PVを確認してから続きをお読みいただきたいです。
https://www.youtube.com/watch?v=aN8rJiwK_3U

この数日でさっそく活用すること自体がさすがだなというのが第一印象ですが、ただの話題作りでミッキーマウスを使用したわけでもないようです。

遡ること2000年初頭、インターネット上での音楽著作権侵害について、多くのアーティストが苦言を呈しました。
しかし、GREEN DAYのフロントマンであるBillie Joe Armstrong(Vo.Gt)はこの問題に対して逆の発想であり、著作権問題は「以前より起きており、やむを得ない事象」「視聴できずに興味がないレコードを買うことの損失」であることを挙げ、むしろ時代の流れを受け入れ前向きな思考を発言してきました。
詳細はこちらの記事を参照ください。
https://www.barks.jp/news/?id=52272885

さらに2009年にGREEN DAY自身も著作権侵害でアーティストのDerek Seltzerから訴訟されており、結果としてGREEN DAY側が勝訴となっています。
こちらの詳細も、以下の記事を参照ください。
https://rockinon.com/news/detail/86782

これらから分かるように、GREEN DAYとして著作権問題についてはかなり意識の強いトピックスなのだと分かります。

ちなみに、このPVの曲名は「One Eyed Bastard」(隻眼(せきがん)野郎)。
今回、ミッキーマウスの著作権切れにより「ちょうどホットな話題だから使ってやろう」という安易なものではなく、この背景や曲名を踏まえると著作権問題に一石を投じたいGREEN DAYの想いが伺えます。

この曲自体、2024年1月19日にリリースされる約4年ぶりとなるアルバム『Saviors』に収録されているのですが、実際に制作されたのは2020年2月7日にリリースされた『Father of All Motherfuckers』制作時に用意されていた未発表曲のようです。
当時、ミッキーマウスの著作権が切れることを想定して発表を控えていたかどうかは定かではありませんが、色々と考察してしまいますね。

以上を踏まえ、改めてPVを再度確認してみてください。
ミッキーマウスが中指を立てているシーンの見方が変わってくると思います。


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