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フランス留学 チーズ日記 ③

フランス留学中に味わったチーズを写真ともにひたすら書き留める、チーズ日記です。

Pont-l'Évêque AOP

牛乳 19.95€/Kg (2023/11/9 @E'leclerc massy)
12世紀ごろからノルマンディ地方で作られている、ウォッシュチーズ。
ウォッシュチーズとはいえ、ウォッシュ特融の香りはかなりマイルドで、白カビでにおいが強烈なブリーチーズと比べたら、こちらの方がクセがなく感じる。カマンベールと比べても、こちらの方がにおいがマイルドかも。
中はとてもクリーミーで香り豊か。丁度良いおいしさ。
飽きが来ず、毎日食べてもいつまでもおいしいと思えるような、良いチーズでした☆

Selles-sur-Cher AOP

山羊乳 4.59€/Piece (2023/11/27 @Monoprix Versailles)

19世紀から記録のある、比較的新しいチーズ。外側の黒色は木炭。
Wikipediaによると、生乳不足と農家の高齢化により、生産量が減少している様子。
食べてみると、予想通りというか、典型的なシェーブルチーズの味。ただし、酸味は穏やか。「解説にあるようなナッツのようにクリーミー」な状態ではないので、少し常温で柔らかくした方がよさそう。
4日経過すると、周りはさらにトロトロになり、中心の白いところも滑らかな舌触りに。最初に感じたシェーブルらしい酸味はかなり消えていて、ナッツのような滑らかなコクに。
こちらでシェーブルを食べて、シェープブルチーズは、若い爽やかな状態よりも、熟成の進んだトロトロの状態で食べるモノなのだと学んだ。トロトロのシェーブルは、爽やかに風味豊かでホントに美味しい!

Chaource AOP

牛乳 13.99€/kg (2023/12/1@ オシャン ストラスブール)

白カビチーズ。ヌフシャテル同様塩気は強め。中央の白いところは少しぽそぽそしているものの、ヌフシャテルほど特徴的ではない。
私が買ったものは、すでに結構発酵が進んでいて食べ頃で、さらにリュックで4時間ほど常温で揉まれてさらにトロトロに型崩れしていたので、とろけたところは本当にミルキーなコクを感じて美味しかった。
カマンベールやブリーのような匂いもクセも全くないし、日本の大手乳製品メーカーが作るカマンベールチーズにあじわいはとても似ている。ただ、こちらの方が味わいが複雑で、口の中でとろんととろける滑らかなテクスチャが幸せ。
人を選ばず、素直に、美味しいなぁ、と思うチーズ。


番外編 Cabrales(スペイン)

スペインのブルーチーズ。ceso de valdeonを食べて素晴らしかったので探したのだけれども、バルセロナで行ったお店ではカブラレスしか見つからず、こちらを購入。
日本では幻のブルーチーズとも言われているよう。洞窟の中で自然に外側から繁殖した青カビがきめ細やかに入り込んでいるのが特徴。

食べてみた感想として、ブルーチーズ特有の刺すような刺激はほとんどない。でもマイルドかというと、独特の醗酵臭があって、古い糠漬けを想像させる香りが少し混じる。混合乳を買ったけれども、ほとんどが青かびに覆われていて、独特の醗酵臭もあって、ほとんどミルクの特徴は感じられない。なんとも、通好みのブルーチーズ。
フルムダンベールの対極やな。
熟成が進んで、テクスチャはなめらかなクリームに近付いていて、ポソポソした感じはもうなくなっている。全体のミルクの色も、黄身がかった象牙色。
ブルーチーズ大好き、特に、ブレスブルーやフルムダンベールよりも、ロックフォールやズルーデコースなんかの刺激の強いブルーチーズが好きだけれども、これは、、、上級向けすぎるかな。
初めて、残そうかな、、と思ったブルーチーズ。
もっと飽きるほどブルーチーズを食べたらこの良さがわかるんでしょうか?
あるいは、もう少し若いうちに食べた方があっていたのかも。

Brocciu Frais AOP


羊乳(ホエイは山羊乳含む)(コルシカ産), 9.50€ / 450g
コルシカ島を代表するチーズ。羊乳及び山羊乳のホエイと、羊の生乳から作られるチーズです。とても水分の多い、プルプルしたカッテージチーズ、という感じの食感。味は、食べた瞬間驚いて目を見開くくらい風味豊かでおいしい!!!シェーブルチーズの酸味と香りは全くない。一方、牛乳にはない羊のミルクの豊かな香りとほのかな甘み、これらを引き立てる丁度良い塩加減。こんなおいしいフレッシュチーズ、食べたことない。
基本、羊のチーズって、香り豊かで味も濃くておいしいんですよね。
フレッシュチーズもこんなにおいしいなんて♡

パリ近郊では見かけなかったのですが、ニースのMrche aux Fleursでたまたま見つけ、11時間の持ち歩きの末、帰宅して即試食!冬とはいえ、長時間持ち歩いたので常温になってしまっていて、少し発酵が進んでしまっていた可能性もありますが、酸味を感じることは全くなく、本当にデリケートで優しく、それでいてフレッシュで香り豊かで濃いお味。最高でした。

コロナイキのギリシャのオリーブオイルとほんの少しの塩をかけて食べるのが一番おいしかったです。これだけで、前菜として楽しめます。
デザートっぽく、ミラベルのコンフィチュールとも合わせてみましたが、チーズ自体にしっかり味を引き立てる程度の塩味があるので、ケンカしてしまいました。チーズ屋さんのご主人は、オムレツに入れる食べ方をお勧めしてくれました。この味なら、何しても間違いなくおいしいでしょう!

Pouligny-Saint-Pierre AOP

山羊乳 6.55€/Piece (2023/12/21 @E'leclerc massy)

フランスのヤギチーズのAOCアペラシオンの中で最も古く、生産地域も最小とのこと。最もおいしく食べられるのは6月から10月らしいですが、12月に食べて十分おいしかったです。
形は、他のチーズと区別するために町の鐘楼の形に似せて作ったもの。
表面は薄いやわらかいクレープで覆われたようになっていて、真ん中は白い固形部分です。購入後、室温で二日間放置して、丁度良い頃合いでした。
クレープ状の皮のしたの部分がトロトロに熟成してねっとりとナッティな味わいに。白い部分も酸味はあまりなくて、シェーブルの香りも穏やかで、舌触りも比較的なめらかな部類。これもとっても美味しいチーズ。
ホームパーティで日本人・中国人と一緒に楽しんだところ、シェーブルは少し苦手意識があったけれどもこれはおいしく食べられる、と好評で、みなさん喜んで食べてくれました☆

Salers AOP

牛乳 28.05€/Kg (2023/12/27 @Auchan Velizy2)

ハードチーズで、ぽろぽろと崩れる感じ。うまみがとても濃厚でコクうまチーズ。カンタルと結構似ている。それもそのはず、カンタルと同様オーベルニュ地方のチーズ。というか、カンタルと製法は全く同じらしい。
全て農家による山小屋生産、かつ、無殺菌乳のみ、生産期間が限られている、というところがカンタルとの違い。
チーズの状態の問題かもしれませんが、前に食べたカンタル・ジューンよりも水分が少なく、味が凝縮されてうまみを濃厚に感じました。
まさに、コクうまチーズ、という表現がぴったり。
Auvergneのチーズは、本当においしくて間違いない!

Abondance AOP

牛乳 28€/Kg (2023/12/29 @massy駅前の青空市場)
スイス国境近く、オート・サヴォア原産。アボンダンスと他二種の牛のミルクからのみ作られるチーズで、歴史的には14世紀のコンクラーベに供されたという伝承があるとか。
ウィキペディアには、ナッツのコク、というような記載がある。確かにナッツのコクはないこともないけれども、全体に、ミルクの味も淡く、とてもマイルドなチーズ。少しモルビエチーズに似ているような。
癖もなく、おいしいのだけれども、ブルーチーズやウォッシュチーズ、シェーブルのとろけたのが好きな私のような人間には、少し物足りないかも。
ちなみに、チーズそのものとは全く関係ないけれども、アボンダンスと言ってもフランス人に全く通じず、なんて読むの?と聞いたら「アボドンス」とのこと。ONの鼻母音のせいか、ンはごく弱い短い発音になるようでした。難しすぎる・・・・。

Beaufort AOP


牛乳 39.90€/Kg  (2023/12/29 @La formagerie de Bievres)
伝説の美食家ブリア・サヴァランをして、グリュエールのプリンス、と言わしめたチーズ。値段も、かなりいいお値段。ただ、お値段の価値はあります!一口食べた瞬間から、ため息が出て無言でうなずくほどおいしい。
コンテも、ボーフォール同様、香り豊かでコク深いおいしいハードチーズですが、ボーフォールを知ってしまったら・・・もうコンテには戻れない!
Wikipediaを読んでもはっきり理解できないのですが、スイス・フランスで生産されるグリュイエールタイプのチーズというのは、スイスのグリュエール村で発明された、加熱圧縮技術を採用しているようです。フレンチ・グリュイエールは、フランス北東からサヴォワにかけて、コンテ・オートサヴォワ・サヴォワで生産されており、コンテやボーフォール、アボンダンスも、この技術を使ったチーズです。アボンダンスは比較的低温加工で小さいサイズという違いがあるようで、このあたりの製造工程の違いが、濃厚なボーフォールとコンテに対して淡いミルク感ののこるアボダンスという違いを生んでいるのかもしれません。
個人的な好みでいうと、オッソー・イラティと甲乙つけがたい最高の味わいでした♡

Chabichou du poitou

山羊乳 5.50€/Piece (2024/1/9 @Auchan Velizy2)

ポワトウの山羊、という意味で、そのまま、ポワティエ地方で作られるシェーブルチーズ。 
黄色味を帯びた皮は乾燥していて、中のチーズもしっかりとしている。中の白い部分はザラザラとしつつも、ポロポロ崩れることなくしっとりとまとまっていて、意外と酸味も穏やかで、若くても食べやすいチーズでした。

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