(英語で読書)The Outsiders
以前、IRをしている時に投資家から推薦された本です。優秀な経営者とは何かということが整理されて記載されており、経営に興味のある人は是非読んでみると良いと思います。
CEOの偉大さを評価するためには、在任期間中の絶対的な株式投資収益率だけではなく、同期間の同業他社株式の投資収益率やマーケット全体(S&P500など)投資収益率との比較が必要です。この指標によれば、最も優れた経営者はGEのジャック・ウェルチではなく、テレダインのヘンリー・シングルトンになります。歴史上、同業他社を遥かに上回るリターンを実現させた経営者について調べてみると、シングルトンとの共通点が浮かび上がってきます。本書では、アウトサイダーと呼ばれるこれらの8人の経営者たちの経営手法を掘り下げ、彼らが桁外れの成功をおさめた理由を紐解いています。
本書の論旨をまとめると以下の通りです。
最も重要な仕事は資産配分
事業を効率的に行うことについては他者に任せ、自身は資産配分に注力する。資産配分は投資であるため、常に投資収益率を意識する。
全社的な成長や規模よりも1株当たりの価値を重視
成長や規模を求めると投資効率の悪いM&Aなどを行いがちになる。収益性の低い事業は、時にスピンオフすることも必要。
会計上の利益よりもキャッシュフローを重視
資本配分のためにはキャッシュが必要であり、会計利益を高めることを目的としてはならない。会計上の利益を低く抑えることで、税負担を低減させることもできる。
徹底的な地方分権
コストセンターである本社に人員を配置せず、キャッシュフローの量を増やす。経営者によっては、コスト以外の面については事業に口出ししない。
外部からの助言は排除
自らの考えに基づき行動しているため、アナリストやマスコミとのコミュニケーションに時間を費やさない。その代わり、年次報告書等で自らの考えを自分の言葉で述べる。
積極的な自社株買いを実施
株価が割安な時に自社株買いを実施することは、投資収益率の観点からも望ましい。配当は税制の観点から、必ずしもメリットにならない。
買収には忍耐が必要だが、実施する際は大胆に行う
M&Aにおいて割高な投資を避けるためには忍耐が必要。ただし、投資収益率が高い案件がある場合には、レバレッジを効かせるなどの大胆さが必要。
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