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個人や中小ビジネスのブランド作りの話 

今日はブランディングについて書いていこうと思います。

ブランドとは何でしょうか。
私が「カフェに行って一息つきたいな」と思った時に、頭にぼわーっと出てくるイメージは、スタバです。
「カフェといえばスタバ」という式が私の中に定着しています。
消費者が”あるニーズ(カフェでリラックスしたい)”を抱いた瞬間、
それを解決する”答え”としてイメージする商品やサービス、
この状態を作るのがブランドのパワーだと思います。

専門書の定義では次のようにあります。
「ブランドとは、生活者から見た独自の役割を築き、感情移入が伴ったモノやサービス」 (書籍:ブランディングの教科書 羽田康祐他著 より)

ポイントは、感情移入が伴ったという点だと思います。
自分が提供する商品やサービスが、好き、嬉しい、感じがいい、などの感情を生むことができれば、ブランド作りに効果的ということでしょう

でも、ブランドを作るって、とても大変そうではないでしょうか。
多額の広告宣伝費やパッケージデザイン費用、
それでも当たるかどうかわからない賭けを、
多数切り抜けなければならないイメージを、
私は持っていました。
そこで私が考えている、
ブランド作りのためにできる1ステップについて、
書いていきたいと思います。

少し前に「プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる」尾原和啓著 という本が出版され、アマゾンの販売数でも1番になっていました。
この題名に全てが現れていて、
個人やスモールビジネスを営む私たちがブランドを築いていくには、
「物語」がキーになると考えています。

プロセスエコノミーとは、もとはけんすうさんがnoteに書かれた言葉です。
反対語はアウトプットエコノミーで、商品を作ったプロセスではなく最終的に出来上がった商品を売ってお金を得る、といういわば通常のものを買う形体ですね。
この差別化ポイントは、品質や価格、商品に付帯するイメージなどですが、現代はこれがどんどん発展していって、差異がものすごく小さくなってしまって、差別化が極めて困難になっていると指摘しています。

そこで、最終品ではなく、その過程を売るという点に着目しています。
古くはモーニング娘。のオーディションからCDの発売へと至るプロセスを見せる手法や、最近だとクラウドファンディングなども範囲に入るのかと思います。

この場合、作り手の哲学や挑戦と挫折の物語、日常の独特な切り取り方などが、価値の源泉になります。
プロセスはコピー不可能なので、強い戦略になるということが指摘されています。
詳しくはこちらをご覧ください。

3年前にもうこのようなことを書いておられるとは、すごいです。

そしてブランドの件についてですが、
このプロセスエコノミーの考え方こそ、
個人や中小ビジネスでブランドを作るときにめちゃ使えるんじゃないか、ということです。

脇にそれますが、私のへこんだ経験です。

「あの人すごい優秀。
〇○バード大学卒で一流企業に勤めてて、副業でマーケティングコンサルもやって、とてもかなわない、、、」

時々心が折れそうになる時があって、
肩書きや学歴や実績がすごいエベレスト級のトッププレーヤーが華々しく見えるんですね。
しかも同じ職種にこんな人がいると、もう困る。

でも、ちょっと待て、と自分に言い聞かせます。

山登りで頂上に立つことが全てではないように、
どんな経路で登っているかに意味がある、そういう社会になってきていると思います。
安くて、旨くて、早く出てくる牛丼を多く売ろうとしたら、
巨大資本には勝てません。

でも、今求められているのは、

・環境や人権にやさしいといった価値観を同じくした人から安心できる買い物をしたい
・夢を追いかける過程の挑戦と挫折を乗り越える姿を見て元気をもらいたい

という価値提供だと思うんです。

最近マーケティングの勉強を集中的にやっていますが、
20冊読んでいくと、煎じ詰めれば同じことを、別の表現や文脈で書いてあるんだなと感じます。
じゃあ他の本を読む必要はないかというとそんなことはなく、
引き続き本を買って読んでいます。
なぜか。
本質は同じことを書いているけれど、
着眼点や、言葉の選び方で、より理解が深まる本がまだまだ見つかるからです。

つまり、頂上はもう決まっているんです。
「これが答えです」というふうに。
それに対して、一つの登山道だけを提示されても、
そのルートは難易度が高かったり、
5合目から話を始められても、私は入り口にいるので、
そもそもその本のスタート地点にすら辿り着いていなかったりと、
早い話が挫折する。
だから別の人がつけた登山道をサーチして、再トライしてみる。
これを繰り返して頂上に近づいたり、
もしかしたら別の頂上を見つけられるかもしれないとも思います。

ブランドの話からそれてしまいましたが、
言いたかったことは、
誰が見ても非の打ち所がない高付加価値な商品を作ることができないと
ブランドを形作る機能と感情移入をもたらすことができないわけではなく
もちろんそういう商品もあると思いますが、
未熟さや、現在進行形な姿、発展の途中のところを発信することで、
独自のブランドが作られていくんじゃないかと考えています。

例えば、何かを目指すプロセスをブログやYouTube、SNSで発信したりするのは効果的だと思います。
「この人はこういう考え方を持っているんだ」と思えれば、
親近感や信頼につながったりしますし、
いざその人が提供している商品に関連する困り事があったら、
真っ先に想起されると思います。

誰もが憧れる”ブランドのパワー”ですが、
地道な発信もその1ステップになるんじゃないかと考えています。

では、その次のステップで何をすべきか、
次の記事で書いていきたいと思います。

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