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Schooで新入社員のオンボーディングをはじめて3ヶ月経った(後編)

前回はSchooで行っているオンボーディングの概要や背景を書いた。

Schooのオンボーディングでは90日をスコープに「Schooのカルチャーと自身の期待・役割・業務を理解し、自分らしく振る舞いながら、(一口大の)成果をあげること」をゴールに、Day1〜90までいくつかのステップを目安にいくつかの取り組みをしている。
新入社員が直面するー
1:準備の壁
2:人間関係の壁
3:期待値の壁
4:学びの壁
5:成果の壁
ーという5つの壁をこの期間で越えていけるように設計をしている
今回はそれらを一つずつ書いていこうと思う。
(ひとつずつ書いていくと、かなり長くなってしまった)

Day1:Check-in(準備の壁/人間関係の壁)

Schooに入社すると初日は「Check-in」を行っている。
Day1で目指す状態は下記。

Schooで利用するツールや各情報にアクセスできる状態。
上長とチームメンバーと顔合わせした状態

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これはどこの会社でもやっていることだろうけどもPCのセットアップからネットワーク接続など「初日から不自由なく仕事ができるよう」に説明し、その後Schooのミッション・ビジョン・フィロソフィーについて説明をしている。

Check-inは具体的にはこの資料(公開にあわせて一部割愛)を印刷した冊子を渡して説明していく。

詳細は上記スライドを見てもらればと思うがー
・オンボーディング概要(各期間で何をするか)
・なぜオンボーディングをするのか
・Day1でやること(Check-inとランチ)
・各ツールのセットアップ
・以降ミッション/ビジョン/フィロソフィーについての説明
を行う。
また個別に目標管理表のスプレッドシートを渡している。そしてこのスプレッドに「OnBoardシート」も入れて各ステップごとに進捗をチェックしていく。

これを午前中に行い、その後所属するチームや事業部が中心となってランチへ行くか、曜日によってはTGIFとしてオフィスで皆でランチを食べたりする。
午後になると各チームでの具体的な業務がスタートする。

Day14:期待の相互理解(期待の壁)

入社から14日。10営業日ほどで目指すのは「期待の相互理解」で下記を目指す状態としている。

自身のチーム内での役割を理解している状態/自身の期待を上長に伝えられている状態

具体的には、所属チームでの上長との1on1を通して、自身の期待役割や短期でのやるべきことを理解し、目標管理シートにも大まかに目標を立ててもらうようにしている。

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死亡前死因分析

そして死亡前死因分析もこのタイミングで行っている。
多分これはこれでまた別途記事が書けそうだがここでは概要だけ。
(余談だがはじめてこれをやった日にツイートしたら思いのほか反応があって興味持ってくれた人も多かった。

実はこれは以前東藤さんと飲んだ際に話を聞いて、興味を持ち色々調べてみてアレンジして今回のオンボーディングプロセスに取り入れたものだ。

死亡前死因分析についてはいくつか記事もあるので見てもらうのが早いので、Schooではどうやっているかという手順だけここで書いておく。

「あなたが一年後、Schooを辞めました。その理由は?」

参加者は、新入社員、その上長、僕の3人。
事前には何も用意してもらわず、付箋とペンを置いて会議室で60分取り組む。
最初に僕からこう聞く。

一年後、○○さん(新入社員)がSchooを辞めました。それはなぜですか?

この問いに対して本人とその上長がそれぞれ付箋に書き出していく。
そこで出てくるのは例えば
「給与が大きく下がった」
というような外部インセンティブのものからスタートするが徐々に、
「成長している実感がまったく感じられなくなった」
など自分自身にベクトルが向いてくる。

一通り付箋を書いたあと、それぞれに対してー
「この"成長している実感"ってどういうことか?」
「前職ではどんなときこの実感を強く感じて、どんな時に感じが薄れたか?」
ーというようにその人が考える語義や尺度を確認していく。
ここで面白いのは、書いた本人(新入社員)もはじめから明確に言語化されていなかったりすることで、これを終えると
「自分はこういうときにストレスを感じたりするんだと分かった」
という感想をもらった。

「最近どう?」の変わりのKRIとして

ここで出た項目を残しておき、二ヶ月後や三ヶ月後に行う人事面談で、「最近どうですか?」という質問の代わりに「最近は成長しているという実感はもてていますか?」とかたちで聞き、1〜5で度合いを聞いている。
そして「以前と比べて上がった(下がった)理由」や「そうすればそれが上がるのか」を話していく。
KRI(Key Risk Indicator)として厳密に管理するというものではないけれども、「個別にウォッチしていく項目」として設けている。

Day30:人間関係構築(人間関係の壁)

入社から一ヶ月では下記を目指している。

社内外のステークホルダーを理解している状態

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これは社内での人間関係だけでなく、取引先の担当者への連絡や顔合わせが完了している状態。

また社内では、「メンバー1on1」というのを行っていて、入社から一ヶ月ほどの期間で、「自分のチーム以外のメンバー5名と(入社から一ヶ月を目安に)各30分の1on1を行う」というものだ。

Schooは現在コンシューマー向けと法人向けに事業を行っている。
ワンフロアで仕事をしているものの事業、職種が違うと自然と直接関わるメンバーが限定されてくる。
またリモートで仕事することもあるため、入社して一ヶ月経っても「はじめて話す」という人は少なくない。

これはどうしても避けられないことではあるのだけど、「接点がないまま時間が過ぎると、さらに接点が持ちにくくなる」ため、あえて「話す」機会を設けている。

この1on1ではゴールは決めておらず、メンバーがなぜSchooに入ったのか、今どんな仕事をしているのかなど話してもらうようにしている。

Day60:スキルカルチャーインストール(学びの壁)

入社から二ヶ月では下記の状態を目指している。

業務に必要な知識・スキルがインストールされ、発揮できる状態。またSchooのカルチャーを理解している状態

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ここでは実際の仕事を進めた中で出てきた課題や不明点について上長と面談をして共有しフィードバックをもらうようにする。

曇りなき眼

これはSchooで長く行われてきたもので、入社二ヶ月のタイミングで、週頭の全社の朝会で、新しく入ったメンバーがSchooでの二ヶ月で感じたGoodとMoreを挙げてもらっている。

Day90:アウトプット(5つの壁を越えた状態)

そして90日後の状態として下記を置いている。

自分らしさを発揮してスムーズに仕事を行いながら一口大の成果を出せる状態。

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入社から90日を目安に代表の森との面談を行う。
ここで話すのは「ミッション」について。
新入社員がこの90日で、どのようにミッションに対する解釈を深めたかを話しをしてもらう。

皆、Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションに共感を持って入社する。
この「ミッション共感」の状態というのは「共感しています」と宣言することではなく、個人の意志や思いと、Schooでの仕事を通して解釈を深め広げていくことがSchooを進化させていくと信じているからだ。
森との面談のあとは、人事と面談を行い、メンバー自身で90日後(=入社から半年後)のチェック項目を個別に設定し、オンボーディングは終了する。

組織は一対一の関係が編まれているようなもの

こうして、Schooのオンボーディングについて書いてきたけれども、先日の森のインタビューでもあったように、組織としてはまだ課題もある。

「強い組織」というのはー変動に強い頑強さではなく、変動を利用して強くなっていく反脆弱性が必要だーというのはよく言われているけれども、こうした時期を人事として過ごしてきて、そしてこのオンボーディングを実践してくなかで「あぁそういうことかも」と実感を持てるようになってきた。

「組織」というのは、一人ひとりが集まって作られているもので、そこには一人ひとりの様々な関係が編み込まれている。
上司と部下、同僚というような縦横以外にも、斜めや会社組織内外を横断するような関係も含まれる。この関係を作るのは「仕事」だけでなく、普段の何気ない会話や仕草、SlackやSNSでのリアクションなど、あらゆるコミュニケーションがびっしり編み込まれている。

これをどのように編み込んでいくかを全てデザインするのはとても難しい。
個々人の小さなコミュニケーションも含めてコントロールなどできないだろう。
全てのコントロールはできないけれど、人事としてできることはこの小さなコミュニケーションが発生しやすくすることとこれを活発にすること。
あるいは糸のほつれをほぐすこと。
そしてコミュニケーションが発生していない「孤独」な状況をいち早く察知することなのかと思っている。

学校の再発明を

そんなわけでSchooでは現在様々な職種の採用を進めています。

「世の中から卒業をなくす」ため、一緒に「学校の再発明」をする仲間に会えたら嬉しいです。



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