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シブサワ・レターを読んで感じたことなど~2024年7月号~

シブサワ・レター7月号

シブサワ・レター7月が発行されています。

新札

7月号の話題は、当然のように日本銀行券の新札発行の話から。
壱萬円札は、渋沢栄一さんですからね。

新紙幣が20年ぶりに発行されました。新千円札の肖像である医学者の北里柴三郎はサイエンスを象徴し、新五千円札の教育者である津田梅子は女性の活躍、そして、新一万円札の実業家である渋沢栄一はビジネスです。この組み合わせで、令和という新しい時代へのサステナビリティ(持続可能性)のメッセージが読み取れるのではないでしょうか。
ポイントは、一万円札が学問から実業へと入れ替わったことです。実態を学ぶことや問うことは極めて重要ですが、持続可能性には実装が不可欠であるということです。渋沢栄一は「論語と算盤」を提唱しました。論語とは「あるべき姿」や「理想」を示していますが、算盤はその理想を実践、つまり「形」にしたことであります。

シブサワレター7月号から引用

持続可能性(サスティナビリティに)へ、話が一気に飛びました。
論語と算盤とは、言い換えるとあるべき姿とその実践なんですね。

算盤は、卑しい「カネ儲け」というイメージがあるかもしれませんが、誰かのニーズに応える、何かの課題を解決する、どこかのギャップを埋める、つまり価値を創造しなければお金は生じません。日本政府・日本銀行が刷ることは、お金の本質ではありません。
お金は価値、言い換えると「ありがとう」の連鎖によって社会に循環し、経済が成り立ちます。日本の資本主義の父と言われる渋沢栄一は、お金は「よく集め、よく散ぜよ」と主張していました。
新紙幣の発行による自動販売機、ATM、セルフレジなどの対応のための新しい機種への入れ替えやシステムの改修から、御祝儀の消費などの経済効果の試算もありますが、大事なのは一時的なお祭りでなく、これからの日本の新しい時代でお金を継続的に「よく散ずる」ことです。
対応の維持費用や目先の消費だけでは「よく散ずる」になりません。渋沢栄一が描いていた「よく散ずる」とは、未来を拓くお金の使い方であると思います。
新紙幣の御三方の共通点とは、日本が途上国から先進国へ向かっていたタイミングの時代の偉人であったことです。つまり、社会の様々なところで、現状維持や前例主義でなく、よりよい未来に向けて多くの先行投資が行われていたときでした。
今の日本の為替水準の割安感は途上国並みで推移しています。紙幣が改刷されたことのみで、為替市場において通貨への信用が高まることは、まずありません。日本が再び「途上」することによって信用を取り戻すしかないのです。令和という新しい時代では日本は途上国であるという意気込みで、よりよい未来への先行投資のため、お金を「よく散ずる」べきです。
そして、よりよい未来への先行投資の指針は既に出来上がっています。政府の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」です。報道機関は、全くと言っても過言でないほど注目していませんが、6月21日に閣僚決議されています。

シブサワレター7月号から引用

わたしが投資をするのは、お金を貯めることが目的ではありません。
ただ漠然と貯めることは楽しいことですか?
ワクワクすることですか?

わたしはワクワクすることにお金を使いたいと思います。
誰かが幸せになる。
社会課題が解決される。

それがワクワクすることです。

そのための手段のひとつとして、社会課題を解決しようとする会社に投資して、お金を貯める、増やすことをしていきたいですね。

それが、誰かの笑顔につながれば、わたしもうれしいですから。

・・・なんてことを言っても、そう思えるようになったのは、ここ数年ですけど。
これからも楽しみながら、各方面に投資をしていきたいと思います。
寄付や株式を買うことだけが投資だけじゃないと思いますから。

論語と算盤

「論語と算盤」よく集め、よく散ぜよ

よく散ずるという意味は、正当に支出するのであって、
すなわちこれを善用することである。
良医が大手術を用いて患者の一命を救った「メス」も、
狂人に持たしめると人を傷つくる道具となる。

栄一は「正当に支出」する「善用」が「よく散ずる」と考えていました。つまり、「正当」や「善用」とは、他の人にも役立つということでしょう。一方「狂人」は、自分のことしか眼中にない。


「論語と算盤」よく集め、よく散ぜよ

よく集むるを知りて、よく散ずることを知らねば、
その極、守銭奴となるから、
今日の脊年は濫費者とならざらんことを勉むると同時に、
守銭奴とならぬように注意せねばならぬのである。

お金をため込むことばかりに執心する「守銭奴」にならないようと栄一は警告を鳴らしていました。もちろん乱費もダメです。ただ、お金を集めるだけでなく、社会に清く循環する原動力によって、一部の階級層だけでなく、社会のみんなが豊かになる。そんな新しい時代の日本を実現させることに尽力しました。今ここに渋沢栄一がいたら、声を上げるでしょう。「頼むからタンスに入れっぱなしにしないでくれ。ワシは暗いところが苦手じゃ」と。

シブサワレター7月号から引用

今月も、ストンストンと腑に落ちる、いい内容でした。
シブサワ・レターは、わたしのいく道の微修正のきっかけにもなってくれます。
7月も下旬になりました。
あっという間に8月号が発行されるでしょう。
皆さん、暑い暑いと言いながらも、楽しみながら夏を過ごしましょう。

では。

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