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信濃川を知る~JR東日本の発電関連施設を訪ねる~

信濃川とは

信濃川、名前は聞いたことありますよね。
日本で一番幹川流路延長が長い河川です。
367㎞もあります。
新潟から東京までの距離とほぼ同じだそうです。
長野県内は千曲川(約214km)、新潟県内は信濃川(約153km)と呼ばれています。
あるサイトでは、最上流から河口まで、通常であれば5日かけて流れるそうです。

で、JR東日本

信濃川に東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)のダム(正確には堰堤)や発電施設があることはご存知でしょうか。
十日町市の宮中取水ダムで取水し、十日町の千手発電所などを経て小千谷市にある小千谷発電所までの施設です。ここで発電した電気で、関東を中心とした鉄道事業で使用しているそうです。
その割合は、ある記事によればJR東日本全体の約2割。
どんな施設なのか、見てみようって思ったわけです。

インフラツーリズムってやつですね。
過去には水利権の不適切利用なんてこともありまして、話題になりました。

インフラツーリズム

最近、インフラツーリズムという言葉を聞いたことはないですか。
インフラ施設を訪ねる旅。
色々な面で注目しているところです。

土木学会関東支部のサイトにも、参考となりそうな資料がありました。

宮中取水ダム

トンネル部分が多くて、今回の旅では大きな構造物に限りました。
土木学会関東支部のサイトに、参考となる資料がありました。

まずは取水部分ということで、宮中取水ダムを訪れました。
宮中取水ダムの概要は以下のとおりです。

【宮中取水ダム】
ダム形式:重力式コンクリートダム
堤高:16.8m
堤延長:330.8m
総貯水容量:970,000m3

宮中取水ダム

昭和14年(1939年)に完成しました。
本体の着工は1931年だそうですから、約8年での施工。
戦前・戦中の時代。
施工以外にも資材難などの難問があったのではないかと察します。
当時はどんな施工をしていたのかも興味深いです。
機械化施工が積極的に行われていたとか。

右岸側には魚道が設置されています。
2012年に魚道観察室が設置されていて、見学も出来ますよ。
迫力がありました。
鮭や鮎、見えますかね。

魚道観察室

なお、千手発電所まで、一連の施設が土木遺産に認定されています。

浅河原調整池

【浅河原調整池】
ダム形式:ゾーン型アースダム
堤高:37m
堤頂長:291.8m
総貯水容量:1,065,000m3

浅河原調整池

昭和20年(1945年)に完成しました。
本体着工は宮中取水ダムと同じ1931年。
厳しい時代に建設されたダムです。
まだ土質工学が確立されていない時代、試行錯誤を繰り返しながら設計・施工を行ったに違いありません。

このダム(調整池)で電気の需要に応じて調整し、千手発電所へと送られます。

千手発電所

千手発電所は、昭和14年に運用を開始された水力発電所です。
ここで発電された水はさらに水路トンネルを通り、小千谷発電所付近にある、山本調整池まで送られます。
取水ダムから発電所の間だけでなく、さらに下流の調整池を経て発電所へと送られることで、宮中取水ダムから小千谷発電所間、信濃川の水量が減ってしまっていることになります。

【千手発電所】
有効落差:52.1m
発電機:5基
使用水量最大:250m3/s
認可出力最大:120,000KW

千手発電所

放水路から水路トンネルへの入り口は、ちょっと怖さを感じます。
飲み込まれそうな感じですね。

ちょっと怖い

ところで千手発電所の南側を通る道路橋から見る信濃川と十日町は、わたしの好きな風景のひとつです。

山本調整池・山本第二調整池

山本調整池は上流の千手発電所で発電した水、山本第二調整池は宮中第二取水口から取り込んだ水です。
山本調整池は昭和29年(1954年)、山本第二調整池は平成2年(1990年)に完成しました。

【山本調整池】
ダム形式:ゾーン型アースダム
堤高:27.5m
堤頂長:926.6m
総貯水容量:107,1000m3

第一調整池

【山本第二調整池】
形式:ゾーン型フィルダム
堤高:42.4m
堤頂長:1,392m
有効貯水容量:3,640,000m3

第二調整池

小千谷発電所・小千谷第二発電所

小千谷発電所だけしか見ていないのですが、一応第二発電所も参考まで。
小千谷発電所は1951年(昭和26年)に運用開始、小千谷第二発電所は1990年(平成2年)に運用を開始しています。
新潟県内の上越線と、東北・上越新幹線、関東の各線にも供給されているようです。

小千谷発電所

【小千谷発電所】
有効落差:48.2メートル
水車発電機:5基
使用水量:300m3/s
認可出力:最大12.3万KW

【小千谷第二発電所】
有効落差:107.4m
水車発電機:2基
使用水量:220m3
認可出力:最大20.6万KW

調べてなるほどと思うこともたくさんありますね。
調べるって楽しい作業です。
それも、旅で現地に行き、構造物などを実際に見て来たからだと思います。
いろいろなことが旅の目的になりますね。
楽しいな。

信濃川発電所について学べる施設が、小千谷の第二調整池の近くにありました。
小千谷信濃川水力発電館。

小千谷信濃川水力発電館

皆さんもぜひ。

では。

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