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(6)野生動物はあなたを見ている

山のなかには動物がたくさん住んでいるのに、意外と会う機会は少ないものです。それでも年に何度かは登山者との接触事故も聞こえてきます。登山者にはおなじみの「熊鈴」、あれは効果があるの?と思っている人も多いでしょう。

昨年ヒグマの国、北海道・大雪山の避難小屋および、ヒグマ情報センターに常駐してみて、熊を含む野生動物を観察していて気づいたことがあります。それは「あちらは気づいている」ということ。

人間との接触事故が起きるのは、動物が「気づいていないとき」「興奮しているとき」「本能が勝るとき」。この3つだと思っています。それに併せて考えたいのは人間側の態度です。人間には山にいる野生動物より大きな脳みそを持ち、知性があります。対、生き物(個性)ですから完全にとは言えませんが、人間側がこの3つをコントロールですることは可能です。

というわけで「お山のマナーブック令和版」第6回は、野生動物との接触事故を防ぐための「熊鈴」についての一考です。

この連載は、当たり前のことから山ならではのことまで色々ある登山マナーを再考していきます。そもそもよく理解していなかったり、昔から語り継がれてきたなかには、時代とともに解釈が変わってきた、あるいは不要なのもあろうかと思っています。
そこで、昭和の登山ブーム世代を先輩に持ち、平成の山ガールブーム世代を後輩に持つ私が、これまでの経験と体感から今の時代にフィットした解釈をしてみようと!
あくまでも個人の解釈ですから、ここに書いたことを山で守っていない人を見かけてもその人が間違っていると思いこまないようにしてくださいね。

週1回更新(目標)、全50回(予定)でお送りします。自主出版化を目指します(野望)。ご支援よろしくお願いします。

第一回から抜粋

山で会いたくない動物の筆頭である「熊」。みなさんは熊のことについてどんなイメージを持っていますか?また、どのくらい熊について知っているでしょうか?

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