見出し画像

インタフェースおもろいぞ!は照明卓からはじまっていた

すみっこです。最近「どうしてデザインをはじめたの?」「どうしてUIに行き着いたの?」という類の質問をよくされます。自分でもどうしてだっけ〜と思いながら話していたら、原体験(幼少期ではないけど)が思ったより手前にあることを急に思い出したので、書き残すことにしました。
ポートフォリオには、ここまでの情報を盛り込む余地がなかなかないので、番外編みたいな気持ちで書きます。

照明まわりのお話は、あくまでアマチュアの言葉と認識ですので、ご注意ください…(間違いもあるかも)。

舞台照明と出会う

高校生の時、お芝居に関心があって演劇部に入りましたが、紆余曲折あって舞台照明にハマりました。母校では、ありがたいことに設備や機材がわりと整っていたので、やりがいもひとしおだったのでしょう。灯体(照明機材のこと)を吊るところから、各灯体と照明卓のフェーダーの割り当て、演出プランを考えて実際にオペするところまで、3年間で10回は繰り返したような気がします(プランとオペだけなら、学外も含めてその倍はやったと思う)。

照明卓というのは、以下のようなやつです。これに照明を繋いで、明るさを調節(調光)します。

フリー素材で恐縮です、ありがとうございます。
私が使っていたモノはもっとシンプルなやつでした。

上げ下げして調光するつまみをフェーダーと呼んでいて、1フェーダーに1〜数個の灯体を割り当てることが多いです。

ミスりにくいフェーダーの配置を組む

環境にもよるのですが、フェーダーを一気に5個上げて5個下げるみたいな状況が発生することがありました(高機能な卓があればそんなことは起きないのですが…)。隣り合っていないフェーダー達を素早く、なんてときは難易度が爆上がります。

そこで大事なのが、どの灯体をどのフェーダーに割り当てるかでした。配置です。この配置は主に以下2つの要素を考慮して行っていました。

  1. 卓と明かりの位置関係が直感的に紐づくこと

  2. 手数の多い操作がしやすいこと

1について:灯体を吊った位置ではなく、
その灯体が照らすエリアの位置関係を卓上に再現していました

基本的には1に基づいて素直に組んで終わっていたのですが、吊ってる照明や演出プランに合わせて都度調整していました。

この、状況に応じて人と操作対象(照明)の関係性を最適化する作業が好きだったんじゃないかなと思っています。いました👀、照明卓はまぎれもなくインタフェースです。
照明は、究極コンセントに挿せば点灯/消灯できます。が、人の手だけでできる制御なんぞ高が知れています。そこで、卓を挟むと、たくさんの照明をより繊細に・スマートに制御できるのです…配置を工夫すれば、もっとオペしやすくなります…なんだこりゃ、おもろい、大好き!という具合です。

このシステムの最適化は、灯体を選んで吊るところから始まっていて、実際のオペまでを見据えてプランニングするのが楽しかったです。あとは、単純に卓というハードウェアと、それをいじる感触が好きでした(かっこよくて)。

DMXコントローラーと出会う

高校生活の途中までは白熱球の灯体とアナログな卓だけを使っていたのですが、ある日、LED灯体とDMXコントローラー(DMX信号による制御に対応した灯体の調光卓)が導入されました。なんかスゴいのが来たぞ!と思って、早速取説を読み込んで開拓したものです。

そのコントローラーは、複数の照明を調光して作った明かりを記録することができました。なので、フェーダーを一気に5個上げて5個下げる系の操作から解放されるぞ〜と、早速 記憶卓として使い倒すことにしました。

ただ、この使い方…というか仕様が、取説を読まないと把握できないものでした。この明かりを記録するためには、これを押して記憶モードに入ってからからあれを押して、これとあれとそれを同時に押してエイ!して記憶モードを抜けてから実際に調光します!….みたいな感じで、なかなかややこしかったです。

今思えば、技術的・大量生産的な都合でそういう仕様になっているだけで、もう少しわかりやすい操作手順・UIにできたのではないかと思います。ただ、これが慣れてくるとサクサク操作できるので、実はよくできてるのかもしれません。いまだに謎が深いです。

まとめ

こうやって工夫したり、やきもきしたりして、自然とUIを意識し始めていたのではないかと思いました。
つい最近までは、舞台照明を通じて空間演出に魅了されて、そのモチベで進路の舵を切ったところが始まりかと思っていました。自分のやりたいことがデザインだとは認識していなかったけど、どうやらわたしはデザイン科に来てしまったらしい。あれよあれよとWeb制作にありついたり、UIの開発をされている方の講演を聞いたりした結果、インタフェースやりたいぞ!となったと思っていたら、きっかけはもうちょっと手前にあったな…という気づきでした。

人間が直接さわることができない、あるいは難しいものに対して、その間をどう結ぶかを考えるのが好きです。こうすればこんなに扱いやすい、ああすればこんなに快適!を感じられた時、楽しいです。

人間がそのまま取り扱いにくいやつでも、その間を工夫すると、なんかいけそうな気がする

辞書的な意味でのインタフェースは対コンピュータですが、興味の対象はもっと広義です。人対人を介する言葉を考えるのも好きです。余談ですが、最近 言葉は自分自身で掴めない感情を整形してくれることがあるなと感じることがあり、その威力に驚かされています。

総じて、AとBの間にある隔たりについて、AとBをどう仲良くしよう?というアプローチで解消法を考え、かたちにするところにときめきを感じていると思います。

次回予告

当時はDMX信号とかよくわからなかったので、各灯体にアドレスを割り当てて云々…というのは、ん〜そういうものなんだな!という気持ちでセッティングしてました。シリアル通信をかじった今、ようやくあの辺りの仕組みが腑に落ちているので、現役がとっつきにくいのも無理はないなと思います…。

というわけで、次回は私が現役時代に向き合っていた照明卓の使い方を初心者向けに解説しようと思います🚀 手元に卓があるわけじゃないので、こりゃ無理だと思ったら控えます…😓



いいなと思ったら応援しよう!