9月に読んだマンガ
マンガは10-15巻くらいの長さがちょうどよい。
20-30巻を超えて長く続いている作品は、追い続けていると何年も経って、やっぱり途中で面白さの質が変化してしまう。作品としての面白さも変わるし、私たち読み手の趣味も移ろう。
例えばコナンはいよいよ100巻の大台に達しようとしているけれど、古参のファンとしては、ここ何年も「コナンらしさ」を欠いていると思う。青山先生が「今のがコナンだ」というなら反論しないが。
10巻を超えたくらいであれば、連載期間は数年からせいぜい5年前後。楽しく読むにはちょうどよいと思う。
さて、2020年9月に(単行本で)読んだマンガ。まだ9月は1週間ほど残っているけれど、今月はいろいろ読めたのでこの辺りで一度しめておく。
トクサツガガガ(20)(最終巻)
発売は8月末だったが、「8月に読んだマンガ」に載せなかったため改めてこの場で。見事なエンディング。先生お疲れ様でした!
思い出は別記事「拝啓 作者殿」に書かせていただいた。
こみっくがーるず
2018年にアニメ化された作品。原作未読でした。
いわゆる「きらら系」(ご存じない方へ;まんがタイムきらら各誌に掲載されるマンガ。特に女子中高生の日常を描いた作品を呼ぶ)。
へたれマンガ家女子高生の日常。アニメのほうは以前楽しく見せていただいた。終盤とかけっこう泣ける。原作は初めて読んだけれど、アニメはこの4コマ作品の雰囲気をうまく描いている。
佳作。6巻まで出ているらしい。
SPY x FAMILY
既刊5巻。集英社のコミックアプリ・ジャンププラスで連載中。
ジャンププラスは毎日0時更新。少年ジャンプよりも少しオトナっぽく、ヤングジャンプなど青年誌よりもエログロを抑えた作品が多く、アプリである点を活かしたカラーページや、新人作家さんの読み切りなどが魅力。
そのジャンププラスで今一番売れてるっぽい本作。うちの近くのツタヤでは、入り口近くの目立つ場所で大きく宣伝されている。
強くて優しくてかっこよくておバカでかわいい。
明るく楽しくちょっとしんみり。
面白いですよ。マンガらしいシンプルで柔らかな面白さ。
まくむすび
高校演劇、マイナー部活もの。舞台は仙台。弱小部の個性あふれるキャラクターが、強豪校に挑む王道。マンガ好き主人公ちゃんが脚本担当っていう設定も面白い。
劇中劇ものってなんでこんなに魅力的なんでしょう。単にその劇をされるよりぐっとくるものがある。
既刊4巻。今後どう展開していくか楽しみ。
てんぷる
既刊3巻。実写映画も公開中の『ぐらんぶる』で作画を担当されている吉岡先生の並行作。
煩悩(エロ妄想)を捨て去ろうと、ある日出家を思い立った主人公くんが叩いた門は、なぜか尼寺の入り口で……
相変わらず吉岡先生の描く女の子はエロかわいい。展開ははちゃめちゃ。底抜けにアホなテンションで突っ切るスタイルは全く悪くない。
サマータイムレンダ
満を持しての『サマータイムレンダ』。上の『SPY x FAMILY』と同じくジャンププラス連載中。
自分がジャンププラスを読むようになるちょっと前から連載されていて、「これ絶対自分好きなやつだ」と思いつつ、何だか読むタイミングを逸していた本作。既刊11巻。
夏、孤島、神話、伝奇、ホラー・サスペンス・ミステリー、タイムループ、美少女、カッコいい爺さんと、好きな要素山々盛りで、絵も好み。ようやく読めました。
……和歌山市沖の孤島……故郷に戻ってきた主人公……方言がいい……
かわいい幼なじみ? いや、血のつながらない姉妹ですか、そういうのいいね……そのお姉ちゃんのほうが今回亡くなってそのお葬式、と……
ん? ドッペルゲンガー? なんか不穏な空気……え?
え?
えっ????
…………
…………
いやなに、面白過ぎて驚愕。
一気読みしちゃったよ……めっちゃ好きなやつやんこれ。年に1本見つけたい「個人的大ヒット作2020」に決定。
ホラーサスペンス系で夢中で一気読みしたのは『悪の教典』以来。
私に天使が舞い降りた!(8)
「個人的大ヒット作2019」の「わたてん」。本作についてはいずれまた。