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男の子が「だいじょうぶ」と言う時は・・・

なんと前回の投稿から1年も経ってしまいました。
1年前に家庭保育していた子どもたちも元気に育ち、長男は今年の4月から小学生になりました。
今回はその長男にまつわる話。

順調にスタートした小学校生活

3月末日に保育園を卒園した長男は、翌4月1日から学童保育へ。
僕がほぼ完全在宅勤務になっているので、入学式までは家にいさせてもいいかな~と思っていたのですが、人見知り・場所見知りが強く、はじめての環境に慣れるのにとても時間がかかる子なので、なるべく早めに馴染ませた方が良いと判断しました。

僕が朝夕の送り迎えはするものの、中の様子はわかりません。
先生に聞くと、特に問題なく自分のペースで時間を過ごせているとのこと。
3月に子ども会デビューした時は、まったく集団の中に溶け込めず、「もう子ども会には行かない!」と力強く宣言されてしまったので、これは少し意外でした。

入学式の翌日からは「一人で学校に行く!」と言い、「せ、せめて途中まで・・・」とついていこうとする僕と次男をふり払うように学校に通い始めました。
そして、1週間もしないうちに「家から一人で学校に行きたい」と言い始め、マンションのエントランスまでも見送らせてくれなくなりました。

同じ保育園から進学した男の子たちとは違うクラスになってしまったのですが、それも気にすることなく、順調に同じクラスで新しい友達を作っているようで、これは完全に嬉しい誤算でした。

はじめてのケンカ

入学して1週間後、はじめて担任の先生から電話がかかってきました。
昼休みに遊んでいた際、同じクラスの男の子とケンカになり、どうやら長男が先に手(というか足)を出した、と。相手の子もカッとなって足を出し、それが長男の目の下にクリーンヒットしたので保健室へ。念のため視力検査では問題はなかったが、様子を見てほしい、とのこと。

これまで暴力を伴うケンカをしたことがなかったので、長男から先に手(というか足)を出したということ(と、小学校1年生が顔面にヒットするようなハイキックを繰り出したこと)に驚きつつも、「あぁ、この子はちゃんと外で戦える子なんだなぁ。」と少し安心したのも事実。
もちろん暴力はよくないので、その点はきちんと話をしました。

連休明けの小さな異変

GWが明けてすぐ、また担任の先生から電話。
登校してすぐに腹痛を訴えたので様子を見ていたが、念のため保健室で休ませた。給食は普通に完食し、元気に過ごしていたが、学童保育に行く前にまた腹痛を訴えていたので、可能であれば少し早めに迎えに行ってはどうか?とのこと。
「そういえば数日前から便が出ていない」と思い当たり、学童保育に迎えに行き、その足でかかりつけの病院へ行き整腸剤を処方してもらいました。

そして、翌朝。
腹痛を訴えたため、念のため一日休ませました。
どことなく仮病っぽい感じがしたので、学校はどう?と聞いてみたところ、学校はとても楽しいという答え。
確かに、毎日の宿題も、次の日の準備も率先してやるし、朝はちょっと目を離したスキに一人で学校に行こうとしてたりするので、本当に楽しいんだろうなぁ、と思ってました。

one more 保健室、one more 電話

学校を休んだ翌日は元気に登校。
ところがその翌日、また担任の先生から電話。
「足が痛い」と訴え、体温も少し高めだったので保健室で休ませた。その後は体温も下がり、給食も普通に食べ、昼休みも元気に遊んでいたが、体調不良を訴えることが多いので心配です、とのこと。

そして、その日の深夜、おそらく半年以上ぶりになるオネショ。
さすがにこの時点で「おや?」とは思ったのですが、朝になるとまた元気に学校へ。
もしかすると、本人が気づいていない無意識の部分でストレスを感じているのかもしれない。それが便秘から来る腹痛やオネショとして表れてるのかな、と。

長男、泣き崩れる

いつもと変わりなく週末を過ごし、明けて今週の月曜日。
普段と比べると少し元気がないように見えましたが、やはりこの日も自分で身支度をして、時間になると家を出ていきました。

次男が「お兄ちゃんにいってらっしゃいしたい」というので、ベランダに出て、長男が通学路を歩いていくのを見ようとしたのですが、いつまで経ってもマンションのエントランスから出てこない。
おかしいな?と思っていると玄関でドアが開く音。

次男をリビングに残して玄関に向かうと、そこで長男が大泣きしていました。
そして、この時、長男の口からはじめて「学校に行きたくない」という言葉を聞きました。

緊急ヒアリング実施

どうした?と聞くと、「おなかが痛いから学校に行きたくない」と。
きっと「学校に行きたくないからおなかが痛い」のだろうとは思ったのですが、本人の意思を尊重して学校に休みの連絡を入れ、一応、念のためにまた病院へ。

普段よりも少し体温は高いものの発熱というほどでもなく、そして腹痛の原因になるようなものも特に見受けられないという、予想通りの診察結果で、しかも本人も学校を休めることになったものだからちょっと元気になってる。

とはいえ、ただの仮病であそこまでワンワン泣くとも思えないので、会社に午前休の連絡を入れて、長男の好きなマクドナルドへ。
そこで、お父さんは遅めの朝食を摂りつつ、長男はハッシュポテトを2個も食べながら(おなか痛いんじゃないのかよ)、1時間くらい、いろんな話をしました。

それだけで学校に行きたくないと思うような決定的な理由はなく、入学してすぐにケンカした友だちとうまくいってないこと、体育の授業があまり好きじゃないこと(実は保健室に行ったのは2回とも体育の授業の時間だった)など、小さなストレスがいろいろと積み重なっていたようでした。

本当はお父さんと一緒がよかった

そんな中、長男から出てきた言葉で一番聞いててつらかったのが、「本当は毎日お父さんと学校に行きたい」という一言でした。
ここまで触れてきませんでしたが、4月の中旬ごろから次男が登園拒否状態にあり、毎朝目が覚めた瞬間から「ほいくえんにいきたくない!」と言って泣いています。
親としてはどうしても次男に注意が向きがちで、長男がひとりで身支度をして、ひとりで学校に行ってくれることに助けられていましたが、本当は一緒に行きたいけど、次男のことで大変そうだから、ガマンして一人で行っていたと言うのです。

男の子が「だいじょうぶ」と言う時は・・・

僕の好きな漫画家・曽田正人さんの代表作『め組の大吾』や『capeta』の中に「男の子が大丈夫って言う時は大丈夫じゃない時なんだ」という描写が出てきます。
特に『capata』では、主人公の男の子が父親を安心させるために「だいじょうぶ」という言葉を繰り返していたことに父親自身が気づくというシーンがあるのですが、まさにそれに近い状況だったのかもしれません。

長男が思いがけずスムーズに小学校生活に入ってくれて、いろんなことがひとりでできるようになってくれたことに安心しきっていました。
日頃から子どもたちとのコミュニケーションは何よりも優先しているつもりで、そんな中で長男が「学校は楽しい。大丈夫!」と言ってくれることに甘えていたようにも思います。

長男は長男なりに空気を読み、ガマンをしていました。
学校でイヤなこと、心配なことがあっても、それは親には言わない方がいいと思っていたようでした。
その日の夜、妻とそんな話をしながら、連絡帳に担任の先生への報告を書きました。

その後・・・

その翌日、前日の大泣きがウソのように元気に学校に行きました。
それも、いつもよりも20分も早く。
「まだ早いんじゃない?」と言っても、なにやら待ちきれない様子で家を飛び出して行きました。
「お父さんと一緒に行くかい?」と聞いたら、「いやだ、ひとりで行く!」と言いやがりました。昨日のあの言葉はなんだったのよ・・・

夕方、担任の先生から電話があり、「今日は教室に一番のりで飛び込んできて、一日中元気に過ごしていました。連絡帳を読ませていただきましたが、お父さんがお話を聞いてくれたことが嬉しかったんだと思いますよ。」と言われました。

そして、今日まで1週間、おなかが痛いなんてことは一言も言わず、元気に学校に通いました。元気すぎて調子に乗ってしまい、お父さんに叱られてちょっと泣きましたが・・・
病院で処方された整腸剤もあまり効いていなかったけど、この1週間は快便様です。

親の慢心を子どもは見逃さない。
しっかりコミュニケーションを取っていたつもりで、肝心なところを見逃してしまっていた自分への戒めとして文章に残すことにしました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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