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らしく生き、死ぬ

そのすべてが人間で、人間らしくて。
そして
それが生きることであり、
死ぬことなのかも。



先日、堀静香さんの『せいいっぱいの悪口』を読了しました。

表現力の乏しさに私…
はげそうになるのですが…泣けますが…
どうしても何か言いたくて(笑)
頑張ってこの思い、伝えたいと思います!!解釈が合ってるのかも分からないですが。
以下は私の感じたことです。


筆者が過ごしてきた日々の中、そこに残る鮮烈な記憶を一緒に辿っていきながら「生きるとは」「死ぬとは」について考えさせられる、そんなエッセイ集でした。
…あーこんな簡潔にまとめられるものではない、やり直し。付け足し。はい、

そんな簡単に「人間の生死について」なんかの答えは出ないし、そもそも答えなんてないのかもしれない。けれど、私たちは
「死ぬのが怖い」
「なぜ生きているんだろう」
「私が生きる意味って?」
そう思っては答えを見出そうとすることをやめられない。でも、そうやって生きているし、生きてきた。そしてこれからも生きていく気がする。

そのすべてが人間で、人間らしくて。そして、それが生きることであり、死ぬことなのかも。

ページをめくるたび、何かが積み重なっていくようにそんなことを思いました。

また、綴られる思い出一つひとつがなんだか愛おしくて。堀さんがどれだけ自分の思いを優しくあたためてきたのかがわかる一冊でした。
勝手に私の思い出かのように語り出す日がきてしまいそうです。(笑)(それはやめい)




特に好きな部分が「走馬灯の日々」という作品の中にあります。

今日生きていることも、昨日生きていたいことも全部。明日生きたいことも本当。今がすべてで、いやそんなはずがない。適当で怠惰であなたが好きで、自分がずっと許せない。事故が怖い。病気が怖い。何が起こるかわからないから5年後が怖い。20年後はもっと怖い。今がずっとでいい。でも今が信じられない。晴れていて、風が強くて、花粉がすごい。くしゃみがでる。


うん。すごくそうだ。そうなんだろうな。


『コロナが収束したら、はやく友達や家族や恋人に会いたいし、一緒に旅行したり美術館行ったり、ただだらだら話したい。』

『みんなで楽しくお酒を飲みながら悩み相談のったり、のられたりしたい。』

『将来はできるだけいいところに就職して、名誉を手に入れてお金を稼いで。さらには取引先でいい人に出会って、結婚したい。』とか、

私たちは未来のことばかり考えている。
だけど、明日生きているかもわからないのに、そればかり考えて生きているのが不思議に思ってしまった。
まあでもそうにかしないとね、生きていけないし。


自分が一番幸せでいたいと思っている。一番愛されていたい。たくさん認められたい。最高の瞬間を生きていたい。そう、死ぬ間際に見る走馬灯を最高のものにするために。

こんな風に思っていて、それができたら、それはきっと”最高の瞬間”になるんだろう。感動的な音楽と一緒に流れるフィルムに収めるにはとっておきの。

やけどね、
堀さんが書かれているこの部分。(堀さんは小さな頃から鼻炎もちだったそうです。)
笑っちゃうけどたしかにな、と心持っていかれた。

もしかしたら、やっぱりわたしの走馬灯は鼻水・鼻づまりにスポットライトを当てた編集になっているかもしれない。

結局死ぬ間際、走馬灯に見るものはきっと「いい思い出」とか「頑張ってきたこと」とか、そんなものではない。上記した”最高の瞬間”なんか、ぜんぶ忘れていそう。それよりもインパクトのあるものがもっと、ありそう。
そんな感じが私もした。まだ死んでいないけれど。  

筆者でゆう「鼻水・鼻づまり」が私の場合、21年間どうしてもなおらなかったひどい物忘れであると思う。(笑)
それによって上手くいかなかったり、ミスっては怒られたシーンが沢山蘇り流れてくる。沢山の失ったものを思い出す。
小さなことだけど、やっぱりコンプレックスに感じている。しかも多分一生付き纏う気がする。もう仕方ない。

結局それに関する色んなことを思い出しては、『わたしってちっちゃい頃からやらかしてたなー。』
クスっ
と笑い死んでいくんだろうか。

そんな最後の走馬灯、なんだか恥ずかしいけど、これが「わたし」であり、「わたしが生きた」ということを色濃く示すのかもしれない。ほっとして死ねるのかもしれない。


今が信じられなくて、未来が怖くて、でも結局そう思いながら今は生きていて。そうやってこれからも仕方なく未来に期待しながら生きていく。
その結果が走馬灯に見えるかは分からない。し、多分見えない。
私のヘンな、一生付きまとってそうな、そんな”何か”によって生み出されていく失敗や思い出の数々ばかり、見える気がする。
それを見て、死ぬほんの少し前に「こうやって何やかんや生きてきたんだな私」と感じるんだろうな。
”より強く”感じるんだろう。

そうやって死ぬほうが、なんだかわたしらしい。



堀さんの感じた臭いやその時の感情を、実際に体験したようで、時にこころが不安定になったり、考えこんだまま時間を過ごすこともありました(笑)
その分余韻がすごくて!!
好きです。
本当に心動かされる作品に出会えたこと、幸せだなと思います。

その余韻に包まれたくて、
心をあたためては考え込みたくて、
このエッセイを何度も読み返してしまうんだろう。そう感じています。  

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