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なぜコミュニティデザイナーが必要なのか?

こんにちは、コミュニティデザイナーの伊藤真之と申します。

今日は、「なぜコミュニティデザイナーが必要なのか?」という話です。僕の考えをお伝えしたいと思います。

コミュニティの成功率を高めるため

なぜコミュニティデザイナーが必要なのか?

その答えは、「コミュニティの成功率を高めるため」です。

世の中には沢山のコミュニティがありますが、必ずしもうまくいっているコミュニティばかりではありません。むしろ、課題を抱えているコミュニティのほうが多いはずです。失敗を回避し成功の確率を高めるために、コミュニティにはデザインが必要であり、専門スキルを持つコミュニティデザイナーという人材が求められるわけです。

ここでいう「デザイン」とは、「設計」のことを指しています。

コミュニティは形の見えないものですが、実は形があります。それは、例えるなら「家」のようなものです。快適に暮らせる家に「設計」が不可欠であるように、コミュニティにも「設計」が必要です。

何を設計するのか?それは例えば、ルールや参加条件、ビジョン、活動内容、イベント、運営方法といったものです。これらがコミュニティを形作る要素であり、コミュニティの目的に合わせて設計するべきものです。

この設計がチグハグだとどうなるかは、ご想像の通りです。しかしながら、形が見えないだけに、設計の悪さに気づくことは簡単ではありません。そのせいで多くのストレスを抱えているコミュニティが意外と多いものです。

コミュニティの成功とは何か?

コミュニティの成功率を上げるために、デザイン(設計)が必要というのが僕の考えです。では、コミュニティの成功とは何でしょうか?

人がたくさん集まることでしょうか?
活発に活動していることでしょうか?
それとも、メンバー同士が仲が良いこと?

僕が考える「コミュニティの成功」とは、「コミュニティが、より生産的に目的に与している状態」です。

もっとわかりやすく言うと、「コミュニティが、目的の達成にめちゃくちゃ役立っている状態」ということです。

例えば、
イノベーション創出を目的とする異業種コミュニティであれば、イノベーションを生み出すこと、あるいはその可能性が高まっている状態が成功と定義できます。会員同士が仲良く盛り上がっているだけでは成功とは言えないですよね。

アーティストのファンコミュニティであれば、ファンがアーティストの活動をより強力に支えている状態(経済的にも精神的にも)が成功の定義であると言えます。ファンの満足度が高くても、アーティストの負担が大きく創作活動に悪影響があれば、もしかしたらそれは成功とは言えないかもしれません。

つまり、コミュニティの成功とは、目的によって異なるものであり、いろいろな形があるということです。

なぜコミュニティがうまくいかないのか?

コミュニティがうまくいかない原因のひとつに「設計の悪さ」があります。

目的に沿った合理的な設計がなされていないと、メンバーが懸命に活動していても、その努力が効率的に成果につながりません。

皆が労力をかけて頑張っているのに、設計が悪いせいでうまくいかないとしたら、それは大きな損失ですよね。

例を挙げましょう。

起業家同士のコミュニティがあるとします。
目的は、メンバーが事業を起こし軌道に乗せることです。本気で起業を目指すコミュニティなら、メンバーは本気度の高い人に絞るべきです。つまり、本気の人だけが参加できるような「敷居の設計」を組むべきと言えます。しかし、コミュニティの人数を増やして盛り上げたいという気持ちから、「誰でも気軽に参加できる場」にしてしまうとどうでしょう?リスクを負う覚悟のない人が増え、議論はするが一向に行動が起きない。アイデアを出せば、できない理由を一生懸命解説する人で盛り上がる。これではむしろ、コミュニティが起業家の足を引っ張っている状態です。コミュニティを盛り上げるつもりが、逆に本来の目的から遠ざかってしまうのです。

もう一つ例を挙げます。
難関大学への合格を目指すコミュニティ(つまり塾)です。目的は合格であり、友達を作ることではないと定義すれば、例え生徒同士の仲が悪くなるとしても、テストの成績で順位付けをして教室の壁に貼り出すという仕組みは、目的に与していると言えます。

デザインによって成功率は上げられる

コミュニティの目的によって、その設計は様々ですが、建築士が様々なニーズに合わせて建物を設計するように、コミュニティもニーズを満たすための設計手法があります。適切に設計することで、成功の確率は上げることができるのです。

コミュニティは複数の人たちが関わる場です。彼らの努力が実を結ぶよう、適切に設計された環境を提供したい。コミュニティデザイナーとして、力になれることを願っています。

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コミュニティの立ち上げ、運営改善のお手伝いをさせていただいています。お気軽にご相談ください。


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