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アバランチinわたし『FF7二次創作

■アバランチinわたし


経緯

 今立っているここは名作RPGといわれる、ファイナルファンタジー7の『アバランチのアジト』なのですよ。ティファがカウンターにて酒を出してくれるという展開です。

「君、この辺りでは見ないお客さんよね。何番街から来たの?」

初めてのお客にはサービスとして一杯おごるのが酒場セブンスヘブンの習わしらしい。ティファが手慣れた手つきでカクテルの瓶をカシャカシャと振るいながら、オリジナルドリンクを差し出す。

「君、未成年みたいだし、一応アルコールは抜いておいたよ。」

昼間だからか店には他に誰もいない。客がいないのは判るが、ここがゲームの世界ならお約束的なバレット娘、マリンがいそうだが…

マリンの姿は見えない。原作ならば店内に備えてつけられたゲーム機(ピンボール)から隠された地下室に行けるが、マリンもそこにいるのだろうか。もしかしたらクラウドやバレットもそこにいて、魔光炉襲撃の作戦計画等をしているのだろうか。

おっと話がそれてしまった。本題に戻そう。
どういう訳か気付いたらゲームの世界に迷い込んでいた私、その世界から元の世界に帰る方法があるとすれば、やはりお約束的な流れとして、ゲームクリアしかないのだろうか。

だがクラウド達と共にセフィロスと戦うなら正宗で突き刺されるイメージしかない。
戦わずしてミッドガルに引きこもり、クラウド達が勝手にセフィロスを倒してくれれば、ゴールできる気もするが…

考えているとティファと目が合った。おそらく、さっきの問いのことだろう。

さて、どうしたものか。どこから来たと問われて、「ゲームの外からです」なんて答えてまともに会話が成り立つだろうか。

FF7の世界。マニアと呼べる程詳しい訳でないが、神羅の街は8番街まである事は覚えている。ここは7番街であるから、隣街の6番街ということにして話を合わせよう。

「貴方6番街の人なの? この街はじめて?」

はじめてというか。街についてはゲーム以上の事は知りません。ですが目の前にいるティファさんの事であれば身長から体重、スカートの丈サイズ、オッパイの大きさまで把握しております。アルティマニアで覚えております。

ティファはこの青少年の不純な視線を察知してか、奥から緑色の玉。恐らく魔法のマテリア一つ取ってきて目の前で握り潰した。

「魔法を放つ事もできるけど、まあ大切なお客様だしね…。わかってくれるよね…」

セクハラに対しては年齢に関係なく、断固やり返すアピールなのだろう。私は目をつむり、露出狂に近いティファから命を守る為に頑張った。

優しさの中に狂気あり、私は目を閉じて空を見上げた。

ティファの存在を脳内から消したとき、残って見えるものはマテリアで

「マテリアって一体なんなんだろう?」という疑問が沸い出てくる。

ゲームをプレイしていてもマテリアはどうやって使うものか良くわからなかった。武器や防具の穴に装備しないと使えない。そういう知識くらいはあるが、なぜそんなまどろっこしい事をするのだろう。


「え? マテリアの使い方? 貴方それ本気で言っているの?」

そう来るだろうとは思った。ここがゲームの世界に忠実であるならば、初心者の館でマテリアについて色々と説明を受けられる。だが、このFF7の世界は妙なところがリアリティに出来上がっている。

例えばこの世界の人々はマテリアの使い方なんて5歳児でも知っていて当然の様に言う。メニュー画面の開き方からアイテムが各99個持てる不思議な異次元ボックスの存在等も知っていて当然かの様な態度だ。
「そんな事も知らないのか!」という住民の冷たい態度から逃げる様にこの酒場に辿りついたのである。

私からしてみればその様な異常なシステムがある事に疑問すら抱いていない住民達の方に疑問を抱かずにはいられない。

もう楽にしてくれ。私は記憶喪失をしている振りをした。

「貴方、記憶喪失なの!? だからマテリアの使い方も判らなかったのね…」

「なるほど…。だから物珍しく周りをキョロキョロしてたのね…。私の事もチラチラ見るから、てっきりムッツリセクハラのお客さんかと思ってしまったわ。」


ティファは同情してくれ、マテリアの使い方を手とり足とり教えてくれた。


ティファがカウンターの奥から、氷のマテリアを持ち戻ってきた。手に持ち念じると、マテリアから離れた空間から冷気が発生する。

「マテリアはね、装備しないと使えない訳ではなくてね。マテリアが複数近接していると互いに影響しあって力を発動しないの」


「マテリア穴のある武器や防具は近接するマテリア同士が影響を受けない様に特殊加工が施されているの」

マテリアは手に持ち、ただ念ずる事で魔法を発動できるらしい。だがそれだと手がふさがり、実際の戦闘においては武器や盾が持てなくなる。

手が塞がれば戦いの最中にマテリアを装備し直す事が困難になる。故に通常、マテリアのみを手に持って戦う事は考えられないのだそう。


「どう? マテリアの使い方、簡単でしょう?」

念ずるだけで魔法が使える。これはあまりに便利の様な気もする。きっとセフィロスがニブルヘイムの火事を引き起こしたのは水系統のマテリアさえあれば防げたという事だろう。と同時に疑問に思った。FF7世界には水を操る魔法が存在しない。召喚獣のリヴァイアサンと敵の技のアクアブレスくらいしかない。

なぜ水を生み出す魔法がないのだろうか?

「水を生み出す魔法? どうしてそんなものが必要なの?」

ニブルヘイムの火事の一件、火を消す事ができたら。そう言ったら今、記憶喪失したと言った手前、ややこしい事になるかもしれない。

とはいえ、クラウドにくっついてクリアするならゲームの進行、未来予知ができる立場の者として役に立つかもしれない。戦力外だとしても、予言者として立ち回れば死ぬはずのエアリスも救う事ができるかもしれない。

たが言葉にする事はできなかった。
まるでゲームのシナリオに左右するチート行為はしてはいけないかの様に。
私自身がゲーム内のコマの一つのNPCかの様だった。主人公達の未来に強い影響を与える事ができない様にプログラムされているかの様に、見えない力に支配され、言葉にする事ができなかった。

私は一体どういう位置づけで、この世界で何をする役どころなのか?

私はティファから借りたマテリアを手に持ったまま、考えてながらいじっていた。

冷気と火のマテリアを手の中でゴロゴロさせていると、手が濡れていた。
冷気が熱で溶け、水が発生していた。

「な、何これ! どういうことなの!?」

聞きたいのはこっちである。2つ持って念を加えると水が発生する。それは普通な事ではないのか?

「さっきも説明したけど、マテリアはそれぞれが近接していると互いに影響を受けて力を発揮できないの。冷気のマテリアは冷気を出す以外には使えないし、火のマテリアも火を出す事にしかつかえないの。」

ティファは私を外に連れ出して、強い念を込める様に促した。

「いいから、とにかく全力でやって! あの木に向かって全力でマテリアに意識を飛ばしてみて」

念を込めると、木が水のボールで包まれた。

「す、すごい…。あなたもしかして他にもできるんじゃない?」

ティファはそういって雷のマテリアを渡してきた。

雷と水だと自分が感電しそうで怖い。

雷と火の組み合わせでやってみたが、感電し意識が飛んでしまった。

ティファによる回復マテリアで目を覚ます

「大丈夫? 危ないと思ったらジャンプして避けないと…」

なるほど。先ほど濡らした木から地面を伝って感電するのを察知してティファさんは避けた訳ですか…。マテリアで回復できるので、それがしは巻き込まれても大丈夫。そう判断したのですね…。

「ご、ごめんなさい。お客さんが魔法について詳しくないこと、すっかり忘れてたの(汗)

「ても凄い火力のサンダーだったわ! あれを食らって倒されない魔物はこのミッドガルにはまずいないでしょうね。」

お褒めの言葉を頂き光栄でありますが、できれば助けて頂きたく存じます。次回から宜しくお願いします。


「あんなマテリアの使い方、私、初めて見た。どうやってやるんだろう?」

ティファは私を真似る様にマテリアを複数手に持つが、何も起こらなかった。

「お客さん、不思議な人ね…。記憶もないし、覚えているのは6番街の方から来たというだけ…」


「お客さん、これからどうするの? 知り合いのお医者さんとか紹介しようか?」


【元の世界に戻る】医者にどうにかできる問題ではないだろう。
かといって一人でこれからどうすれば…

「交番にでも行ってみる?」

この世界で保護され、孤児として生きる事になるのか? 待っていたらクラウド達がセフィロスを倒してくれゲームクリアということで私も元の世界に帰れるのか?

「おいティファ、このヒョロっこいガキはなんだ?」

声の主は身長190越え。しかも横にゴツイ。バレットが立っていた。

「ほう、記憶喪失にして、マテリアのルールが適応されないお客様か…」

サングラスの奥から鋭い眼光が飛ばされる。

「おめえ、神羅の犬とかじゃないよな? マテリアのルールに縛られないとか、マテリアを製造している神羅の者になら可能だろうが。」

ややこしい事になってきた。よりにもよって神羅と結びつけられるとは。
このままではバレットの腕から火が飛んできそうだ。

「待ってバレット! この子本当に記憶喪失しているみたいなの。メニュー画面やアイテムボックスの開き方すら判らなかったのよ?」

「だからこそだろうが。アバランチの正体を探る為に神羅が街にスパイを送り込んでいるのかもしれない。記憶喪失は油断させる為の演技だ。特殊な力を持っているとなればアバランチが勧誘してくると思っているんだよ。」

バレットはティファを連れて裏口で何やら話し合っていた。
しばらくするとバレットがいかつい表情でやってきて、セブンスへブンから私を追い払った。

店を追い払われて途方に暮れていると、ティファが裏口から足早に出てきてた。

「何か困ったことがあったら連絡してね」

小声で言って、PHSのアドレスを渡してくれた。

「ごめんね…」とティファは一言呟いた後、店に戻った。


これからどうするか…、7番街はホームレスも多く、野宿するとしても誰も不自然には思わないだろう。問題はご飯。この世界で使えるギルは持っていない。魔物を狩れば手に入るだろうが、さっきの魔法でMPが尽きている今、どうする事もできない。

一人でふらふらと駅の方面を歩いていると見知った顔を見つけた。

クラウド。魔光中毒で意識が混濁しているクラウドだった。

クラウドは自分を失うも憧れのソルジャー1stになりきることで精神を保とうとする。ザックスの死、またザックスから剣を託されたのをキッカケにして、なんとか精神分裂を回避しようとしていた。

ソルジャーであったザックスの様に立ち振る舞う事でクラウドはこの先、星を巡る戦いに巻き込まれる。
ゲームの進行具合でいうと、これからティファと再会するタイミングである。

姑息かもしれないが、このクラウドをおんぶしてティファの元へ届ければ、一宿一飯の恩くらい貰えるかもしれない。

「ティ…ファ…。ザッ…ク…ス」
まだ魔光中毒が抜けきっていない。うわ言の様に単語を繰り返している。
このままティファの元に連れていっても大丈夫なのだろうか。不安定なクラウドを連れていくとクラウドはアバランチのメンバーに勧誘されるだろうか。

そもそもクラウドがアバランチのメンバーに加入して魔光炉を爆破する事に意味があるのだろうか?
爆破で犠牲者を出し、アバランチはテロリスト扱いされる。容疑の掛かった7番街を消す為に、神羅はプレートを支える柱に爆弾を仕掛けて、その罪をアバランチになすりつける。
アバランチはやる事なすこと裏目に出て、多くの犠牲者を出してしまう。

クラウドをアバランチのメンバーに入れるのは得策ではない。
クラウドが戦力として加入するからこそ、アバランチは動意付いたのかもしれない。

魔光中毒で意識が混濁している今のクラウドを見せれば、アバランチは魔光炉爆破なんてしないかもしれない。

セブンスへブンに行くと、バイクが幾つも止まっていた。
お客さんがいるのかと思いきや、誰もいなかった。
いるのはカウンターにいるティファとバレットの娘マリンだった。


「え? もしかしてクラウド? なんでこんなにも酔い潰れているの?」

想定とは違う展開…泥酔者として勘違いされた。

4年ぶりの幼馴染との再会。2年前にニブルヘイムでティファとクラウドは会ってはいるが、クラウドは正体を表さず隠れていたから、ティファは実質4年ぶりの再会である。

クラウドはソルジャーになれないのが悔しくて恥ずかしくて、ティファに連絡をとっていなかった。

クラウドは北条博士に2年間、試験管液の中に浸されていたから幼馴染を2年放ったらかした事になるだろうが、ティファにとっては4年間である。

ニブルヘイムがセフィロスに襲われ、街が火の海になり、住処を追われたティファにとって、今、酒に溺れているクラウドはどの様に見えているのか。

セフィロスに火事で母親を殺され、自暴自棄になりアルコールに逃げた旧友…。というところだろうか。

ティファ自身、思い出したくない過去であり、旧友クラウドとの再会は火の海の街を思い出してしまうもので、クラウドとの再会を手放しで喜べるものではないのかもしれない。

感動の再会…という訳にはいかない様だった。

私はクラウドをセブンスヘブンの2階まで運びベットに寝かせた。



「クラウドを連れてきてくれてありがとう。駅からここまで来るの大変だったでしょう…」

クラウドの身長は170越え、あまりに重くてヘロヘロになっていた。
だがバスターソードは想定よりも遥かに軽かった。異世界故に材質が違うのかもしれない。あんなものをブンブンと振り回すのはさぞ気持ちいいだろうなと思ってよく見ると、マテリア穴には何も入っていなかった。

恐らく神羅屋敷に監禁されていた際に凶器なりそうなものを取り上げられたのかもしれない。しかしそうなると剣を取り上げなかった原因が判らなくなる。

そういえば北条は原作クライシスコアの中でクラウドの事を「失敗作」と呼んでいた様な覚えがある。よりにもよって失敗作が…と。

恐らくあれはクラウドが魔光を浴びたけど、チカラを目覚めなかった。神羅の失敗作だった。という意味なのだろう。

にも関わらず、ソルジャー1stであるセフィロスを殺したのが、一般兵のクラウドだった事に驚いていたのだろう。


そんな事より、私もグッタリしていた。クラウドを運んだ疲れで、椅子で休ませて貰っていた。

バレットの姿が見えなかったが、恐らく地下室にいるのだろうと思う。外のバイクから推測するにジェシーとビックス、ウェッジもいるのかもしれない。

「はい、お兄ちゃん、これお水」

マリンはティファの手伝いをしている様で飲みを運んでくる。ご丁寧にブリザドを使いキンキンに冷えている。
カチカチで飲めない。

いっそ疲れた体力をケアルで回復して欲しいものだが、この世界でのケアルはそう都合の良い仕組みにはなっていない様だった。

ダメージを受けたものを回復、体力を消費したのを回復、それぞれ質は異なる。後者に限っていえば休憩や睡眠を取らない回復しないらしい。実にややこしい。

「お兄ちゃん。マリンね、退屈で仕方ないの。退屈で仕方ないからお手伝いしているだけなの。偉いよね?」

確かに、理由がどうあれ偉いかも

「だからね、お兄ちゃんね、マリンと遊んでよ」

なるほど…。流石バレット。教育が行き届いている。ヘロヘロなお兄ちゃんを捕まえて何をさせようというのだ?

「お馬さんごっこしよう」

流石バレット…。初対面の人間に馬になれと言わせるなんて…。流石バレット…

今日一番の疲れがどっときたのは、マリンがカウンターの奥から鞭をとって来た辺りだった。
一体誰の趣味なのか。ショックで倒れそうになる。


「ジョーダンですよ。」

気の利いたジョークですが、お兄さん、心臓飛びてるかと思いました。

「鞭はエロいお客さんを叩いてきょーいくするもなのよ。エロいお客さんってな~に?」

なるほど…。だからこの鞭、所々赤色に染まっているのか…

「マテリアおはじきしよう?」

マテリアおはじきとは、幼児の間で流行ってる地味なスポーツだった。

マテリアを弾いていると昔、ビー玉遊びをした事を思い出した。

人形からビー玉が飛び出す玩具を思い出す。あれをこの世界に持ってきたら売れるかもれない。
もし万が一、この世界とを自由に行き来できるのであれば、是非ともそれを持ってきたい



一応思惑通りになり、セブンスセブンの2階にベットを借り、一宿一飯の世話になりましたが…

「どういう事だ?! アイツを2階に寝かせているだと?」

一階バレットとティファとの口論で目を覚ました。

「同郷のクラウドはともかく、なぜ関係ない部外者を泊まらせる」

「しょうがないでしょ。まだ子供なのよ。マリンもなついてくれているし…」

「はあ? マリンが懐いているだと!? 

バレットが階段を上がってくる。
すぐさま私を放り出すつもりだろう。
リアルバレットマジ怖い。布団に包まる私。

「おい! お前、悪いが店にはもう来るな。今度来たらだだじゃ」

2階入り口、クラウドが立ちふさがっていた。

「こいつは大丈夫だ。身元はオレが保証する」

クラウドは既に魔光中毒からある程度回復していた様で、ティファから私が助けた話を聞いていたらしい。

「オレはクラス1のソルジャーだったから神羅の事は良く知っている。こいつは神羅の人間じゃない。」

有り難い。まさかクラウドさんの魔光中毒に助けられるとは…

「そうか…。じゃあこいつが、マテリアのルールに囚われないのは、特異体質という事でいいんだな。

「ああ、神羅でもそんなチカラを持つ者なんて聞いた事がない。もし居るなら捕まえて、あちこち解剖されて実験材料にされるだろうな…」

え? 神羅ってそういう事すんの? マジやべーなこの世界…


バレットはクラウドの話を聞いて考え込んだ。この雰囲気はもしかして…

どうしてこうなった?

どうして私がアバランチのメンバーとして勧誘を受ける事になる?

クラウドさんの強い後押し。元ソルジャーとして神羅ビルにいたが、私の様な者は見た事が無かったという。

そりゃそうだ。私は神羅とは関係ない。そもそもクラウドさんは一般兵で神羅全体の社員を知っている訳でもない。

「オレはクラス1のソルジャーだったから神羅の事は良く知っている。こいつは神羅の人間じゃない。」

クラウドさん、よくもまあ断言できますな…


クラウドさんの魔光中毒は記憶捏造が半端なかった様子。
これはライフストリームの影響か?

全ての人は死ぬとライフストリームに帰るという。その説を信じるとすれば、クラウドさんの記憶はライフストリーム内にある誰かの記憶から影響を受けたものかもしれない。


そんな事はこの際置いといて。

アバランチのメンバーに加入するのか?

とにかく、魔光炉の破壊は賛同できない。
破壊しても爆発に巻き込まれて多数の被害者が出るだけで本当の敵セフィロスを倒さないと問題は解決しない。

テロリストの汚名をアバランチが受けてしまうと、神羅はアバランチの仕業に見せかけてプレートを支える支柱に爆弾を仕掛けて7番街ごと破壊し、多くの人が巻き込まれてしまう。
ジェシーやビッグス、ウェッジはそれを阻止しようと戦いに巻き込まれて死んでしまう。

この事を説明して信じて貰えるのなら良いが、そもそも主人公達の行動に影響を与えられないチカラが働いているのか、伝える事ができない。

アバランチのメンバーとして活動するなら、その死に向き合う必要があるということ。
エアリスの死にもジェシー達の死に立ち会わないといけない。死ぬのが分っていて助けられないなんて嫌だ。

だが、諦めるのはまだ早い。言葉で無理なら行動があるだろう。
クラウドさんはたしか生活費の為にアバランチに手を貸すだけ、アバランチの思想に染まっている訳でもない。魔物を沢山狩れば必要な生活費は得られるだろう。

魔光中毒でクラウドさんの頭がしっかり回っていない事にアバランチは付け込んでいるだけ。
クラウドさんに手綱をつけてリードするのは私の役目だ。

私はクラウドさんの手を引き、魔物を狩れる場所に無理やり連れて行った。
魔物と戦える一番近い所は…


〜列車墓場〜


幽霊(ゴースト)の魔物が現れる場所であり、火のマテリアがあると効果的だ。

だがクラウドも私もマテリアを持っていなかった。

苦戦を強いられる

ティファが後を追うよう走ってきた。

「まって、二人共…。」

マテリアを装備せずに飛び出したクラウドと私、心配になりマテリアを持ってきてくれたという。

クラウドは炎のマテリアを装着し、ゴーストを蹴散らした。

ゴーストは22ギル落とした。宿屋は50ギルで泊まれるはずだから、ゴーストを3匹倒せば生活費の問題は解決される。

なぜゴーストが人間のオカネを持つのか定かではない。

もしかして生前の記憶でオカネに執着していたのだろうか? 殆ど魔物はギルを持っているが、そのギルは人間から強奪したものだと考えて良いのだろうか。

クラウド「ギルを魔物が落とすのは、魔物同士で武器等の取り引きをしているからだよ」

魔物の世界に経済観念なんてあるのか? アルティマニアにも無記載だよ。
てかそれよりもマジですかクラウドさん。日頃、無口な貴方がしゃべると違和感ありまくりなんですけど。

クラウドさんは戦いに集中していた。
魔物が人を襲うのが、ひとえに経済活動にあるとするなら、魔物達が協力して人間を襲うのは必然であり、おカネ持ちの様なグレード高い人殆、狙われる羽目になるということ。

つまりゴーストが倒されたといえ、戦いで消耗したところを襲えば効率的に人間を狩れる。
今がチャンスと言わんばかりにゴーストが集団化して私達を襲ってきた。

ティファとクラウドによる攻撃が炸裂する。
流石にこの世界の主役達、強さを見せつけられ、ゴーストは戦っても勝てないのを悟ったのか、戦闘画面のフレームに入ろうとしない。

魔物といえど腕自慢でないと、クラウド達にケンカは売らない。ということだろう。

傍観していると車椅子の様なバイク型をした物に乗ったオバケが現れた。エンジンをブンブンふかして、襲ってきた。
どういう訳か、わたしのみが襲われる。なぜですか?

ティファ「倒さないと経験値が貰えないからよ? 貴方を倒せばレベルアップして戦いが有利になるかもしれないから狙われているのよ。」

弱い奴から狙うセオリー。倒せる内に倒してレベルアップしようという魂胆…
FF7はこんなゲームではなかったぞ。
見てないで二人共援護してください。

ティファ「ターンが来ないと私達も動けないの」

自分の身は自分で護るしかないということか。

私は冷気と炎のマテリアを握り、バイクの魔物を水ダルマにしてやった。
エンジンに水が入り、勢い良くコケた魔物は、逃げる様に去って行った。

残されたバイク。もしかして高く売れたりするのか?

「アイテムとして解釈されるなら、入手が可能になるわ」

バイクを調べていると、画面に『ストライクロッドを手に入れた』という表示が。

ロッドといえばエアリスの装備品。
ロッドといえば魔法使いの装備品。
そんな物がなぜバイクに取り付けられているのだろうか…

「ロッドには魔力が込められている事が多くある。おそらく、ストライクロッドの魔力を利用してバイクは動いていたのだろう」
なるほど。おしゃべりなクラウドさん、丁寧な解説ありがとうございます。

そういえばゲーム内ではストライクロッドは序盤のレアアイテムだった様な気が…
これを売ってクラウドさんと山分けすれば、アバランチへの加入を見送ってくれるかもしれない。
クラウドさんが強欲でなければ、きっと、考えを改めてくれるかもしれない。

そう簡単にはいかないだろう事は少し考れば判る事だった。。クラウドさんがアバランチのメンバーに加入するのはティファさんが加入しているからではないか。ティファさんを守る為に行動するのであって、ギルの問題では無かったのだとしたら…

「こう見えてオレは元ソルジャーだからな。雇うなら高くつくぞ」

嘘だと言ってくれ!
「ティファを守りたい。」「ティファの手伝いがしたい」とか、そういう事が恥ずかして言えなくてカッコつけてるだけ。そうだよね?クラウドさん…。ツンデレしてるだけで、悪気はないのだよね?
でもクラウドさんがアバランチに加入したら皆さん絶望の道を進む事に…

生活費に困っていないにも関わらず、クラウドさんはカネを要求し、戦場に赴くという。冷静に考えると狂気の沙汰である。

そういえばクラウドさん。北条に試験管に入れられてた。あれはライフストリームの溶け出した水溶液かと思ってたけど、バイオ液っぽくもあったな…。

あれがもしジェノバ細胞が含まれた液体だったとかなら、クラウドさんはセフィロスの様に世界の破滅を願う存在になってしまうのだろうか…。

クラウドさんが自ら破滅の道に向かおうとしているのもジェノバ細胞による誘導だとしたら…

チカラでねじ伏せるしかクラウドさんを止める方法はない。あるいはバレット達を止めるか。


「ねえ? 結局貴方はアバランチに入るの? どうするの?」
ティファは武力を使って世界を変える事についてどう思っているのだろうか。少なくも最良解とは思ってないはずで、心のどこかで、魔晄炉爆破なんて良くないと思っているのではないか? だからゲーム開始時の壱番魔光炉爆破に関わらなかったのでは?


説得はできないけど、少しだけ彼らの行動に関与する事はできるみたいではある。もしかすると、ジェシーが魔光炉に爆弾を仕掛ける際に、こっそり爆弾を処分すること等も可能かもしれない。

回答を渋っていると、ティファが耳元で囁いた。
手を引かれセブンスへブンの裏口に連れていかれる私

ティファはアバランチの成り立ちを教えてくれた。

アバランチはこれまで神羅や街の人々に向けて、魔光批判の対話を貫いてきた。
ただのデモ活動者としてなら、それで十分だったが、組織が大きくなるにつれ、魔光推進派からの風当たりが強くなり、【魔光炉そのものを破壊しなくてはいけない】という機運が高まってきたという。今はその為の活動をしているというが、アバランチの中でも武力的で地下組織に位置するのがバレットが率いるアバランチであり、ティファはその攻撃的なアバランチに自ら進んで加わったのだという。

ティファは神羅のソルジャーセフィロスに街を燃やされ、親を殺されて、死ぬ程ソルジャーと神羅を憎んでいる。

ティファは神羅と共に心中するような覚悟でメンバーに加わっていて

「貴方は神羅と戦う理由がない。まだ若いのだから、アバランチには入らない方がいいわ。」

ゲームだと細かい表情は見えなかったが、アバランチのメンバーは憎しみに囚われて行動していた。其々が自分達の正義感を貫いているというより、復讐せずには生きていられない精神に追いやられている。『星の為』というのは互いの心を一つに纏める為の合言葉の様なものだったのかもしれない。

だからといって、魔光炉の破壊は正解とは言えない。
どうすれば彼らの意識が魔光炉爆破から離れるのか。
魔光炉で働く職員は爆破に巻き込まれるのではないのか?

『大丈夫よ。爆破は予め犯行声明を出すから』

そう…だったのか…。
いや、『だから大丈夫』という訳にはいかない。
その爆発をキッカケにして7番街にテロリストが潜んでいる事がバレて支柱が落とされてしまう。
それに犯行声明を出したとしても、末端で働く職員はどうなるのか? 家族の為、仕事の為という理由をつけて、セキュリティシステムを強化するだけで、実際は魔光炉に常駐しているのではないのか?
ゲームの中では脱出ぎりぎりまで、神羅兵は襲ってきた。神羅が兵士を道具として扱うなら、爆発のリスクを承知で働かせるだろう。神羅がクソであれば尚の事そうなる。

「神羅の職員の家族が人質にされ、無理やり働かされる可能性…」

ティファは憎しみ囚われて視野が狭くなっていた。アバランチの計画に綻(ほころ)びがある事に今になって気付いた。

ティファは魔光炉爆破プランを変更するようにバレットに相談に向かった。

破壊行為を完全に諦めた訳ではないが、少しだけ未来が修正されたかもしれない。

「今更計画を変更するだと!?」
バレットは頑固だった。
神羅で働く者は星に寄生する害虫だとし、爆発に巻かれて死んでもそれが罪であり罰だと主張した。

バレットの故郷のコレル村は神羅に焼き払われていた。魔光炉建設中に事故が起きて、神羅はそれをコレルの魔光炉建設反対派がやった事にし闘いが起きた。神羅は事故を隠蔽する為、住民を虐殺するという暴挙に出た。バレットはその混乱の最中に腕と親友のダインを失った。マリンはダインの子供であり、その子供の分も含めて神羅に強い復讐を誓っていた。

バレットはティファとは違い神羅兵達による直接的な暴力を目撃した。魔光炉に常駐している職員も兵士と一纏めにし、人間扱いしていなかった。

バレットだって、元々、魔光炉に賛成していた。コレル村が潤うからと魔光炉建設に積極的に賛成した。今、魔光に賛成していて魔光炉で働く職員と本質的には同じではないのか? 

コレルを攻撃した兵士と、魔光炉を運用していた職員達は同じではない。職員は事故のリスクがある中で働かされているだけで社会の底辺かもしれない。神羅に家族を人質に取られてイヤイヤ働かされているだけかもしれない。
バレットはそんな弱い立場な人々にも星の為に死ぬべきだと思うのか?

バレットの血管が浮く。
【魔光に賛成していたバレットは神羅と同じ】その文言に意識が取られて、会話の殆どを識別できず耳からスルーしていた。
弁解をしなければ今すぐに銃から火が拭き出しそうだった。

バレットの心を落ち着かせるには希望しかない。
バレットは今、親友を失った不甲斐ない自分を攻めている。魔光炉建設に賛成しなければダインを死なせる事もなかった。毎日、失った腕を見せられ、助けられなかった親友を思い出し、怒り狂う。破壊衝動に囚われているバレットを救う方法はあるのか?

ダインは生きている。


「ダインが生きているだと!?」

でも生きている。ゲームではそうだった。

「ふざけるな!」
 
ふざけてはいない。確かに生きていた。

「オレはあいつが底なしの谷に落ちていくのを見たんだ! オレの腕がちぎれ、その腕と共に落ちていくのを!」

いつもその光景を思い出しては、気を狂わせているのだろう。今すぐにここから出ていかなければ、私の身が危険に晒されるだろう。外はマテリア無しでは危険だ。魔物に殺されてしまう。

そういえばこの世界の人々はマテリアを装備するのが当たり前だったか…

もしかしたらダインはマテリアを使って生き残ったのではないか?

谷から落ちて助かる魔法は宙に受けるレビテトだろうが、そんなマテリアは確かゲーム内に存在しなかった。

このままではバレットに殺される。
逃げようとしたとき、クラウドが言った。

「オレなら剣を壁に突き刺しながら谷を登る事ができる」

【クラス1stだからできる】
という事でだけで終われない物理現象だった。

「そうよ! まだダインは生きているかもしれない!」
ティファがバレットを諌める様に言う。

「バレットはダインの死体を確認しなかった。もしダインが生きているなら、今頃マリンを探しているかもしれない…」

バレットから憎しみの感情が薄れる。
ダインの生存を信じる事でマリンを今よりももっと守らなくてはいけない存在だと思う様になったバレットは、神羅に睨まれるリスクを犯せなくなった。


ジェシーやウェッジ、ビックスはどうなのだろろうか。三人は原作において経歴が不明だった。なぜアバランチに入ったのだろうか?

本名ジェシーラズベリー、ビッグス、ウェッジとは幼馴染で、もともとは女優志望だったそう。神羅の社員だった父が魔光炉の整備中に魔光中毒の事故が起きて昏睡状態になったのがきっかけに夢を捨て、アバランチに参加した。

ジェシーはアバランチの活動にとって欠かせない存在で、資金源の多くを提供している。

父親の元同僚(反神羅派)とのコネクションがあるのか、爆弾から偽造IDの入手まで、魔光炉破壊の重要なキーパーソンであるといえる。逆にいえばジェシーさえいなければバレット達は魔光炉を破壊しよう等は思わなかったのかもしれない。

ジェシーはバレットから破壊の熱が覚めたのを見て、自身の熱も冷めている様だった。
ジェシーは犠牲者を出さない様にしたいという点で、メンバーと意見が一致している。

魔光炉の整備中に事故が起きても神羅は未だに魔光炉を運用し続けるという現実。爆弾予告をしても社員が逃げられない様にがんじがらめにするかもしれない。


爆弾はセフィロス破壊の為に取っておけ。


セフィロスという単語を出した途端、クラウドとティファが反応した。
魔光中毒で記憶が曖昧でもクラウドにとってセフィロスが敵である事は認識していた。

「なんで貴方がセフィロスを知っているの? 貴方もしかしてニブルヘイムの出身なの?」

ゲームの外の世界から来た。と言うよりも、ニブルヘイム出身者とした方から話を進めやすいかもしれない。
ニブルヘイムにはセフィロスが到達する場所で、目指すなら正解だとは思う。

ニブルヘイムといえば、燃やされたはずの村なのに、元通りの形に正確に復元されていた。
その理由について、ティファの部屋にある机に神羅社員による報告書が書いてあったはず。
しかし、思い出せない。リユニオンとか約束の地とか書いてあった様な気がするが、その説明をしても今のクラウド達に伝わる気がしない。

神羅が過去の罪を隠蔽する為にニブルヘイムとそっくりな村を作っている。ニブルヘイムを知る者が尋ねて来たら誘拐し、口封じをしている。私は故郷に里帰りして、誘拐と口封じの現場を見てしまい、ショックで記憶を失った。そういう事にしよう。


「つまり神羅は私達の故郷で未だに悪さをしているのね…」

ティファの一言でメンバーの怒りに火が着いた。星の命や魔光炉云々の問題ではない。神羅による直接的な蛮行が今まさに行われている。それを見逃す事ができる主人公達ではなかった。

ティファとクラウドが準備を始めると、バレットは準備をしていなかった。

マリンを置いていけないのだ。

エアリスのお母さんがマリンを預かるのがストーリーの本筋であった。
またエアリスを連れていかないと、メテオを防ぐ為のホーリーが発動されない。
エアリスはセフィロスに殺されてしまうが、アレイズでは助けられなかったのだろうか?

便宜上、アレイズは戦闘不能を復活させるだけで、致命的な傷を塞いだり、死者を復活させるチカラまでは無いのだろうか。

「つかぬ事をお伺いしますが、フェニックスの尾では死んだ人間は生き返らないのですか?」

ティファ「死んだ人間を生き返らす事はできないわ。戦闘不能を復活させる事はできるわ。」

丁寧な説明ありがとうございました。
戦闘中に死ぬか戦闘外で死ぬか、その境界線は曖昧であるが…

【戦闘中】とは戦闘画面が表示されている時らしい。つまり戦闘画面でさえあれば死を恐れる必要は無いということで。
どれだけ酷く痛い思いをしても、復活する可能性は残されている。勝者は戦闘後に敵にトドメをさす事で本当の意味で殺した事になるらしい。

戦闘中、クラウドとティファさんが助けてくれなかったのも納得である。。戦闘中に死ぬのは大した事ないと思っているのかもしれない。一緒に旅はしたくないな…

メンバーが多くいるから戦闘に参加しなくても許されるとは思う。 ウェッジだって戦ってはいないよね?旅に必要とも思えない。

そもそもエアリスもこの旅で必須なのだろうか?

セフィロスがメテオを発動しなければいいだけだが、セフィロスを止める事はできなかったはず。ライフストリームと共に結晶化して身動きのできないセフィロスの死体に、クラウドは黒マテリアを渡してしまう。ジェノバ細胞を埋め込まれたクラウドはジェノバに都合良く操られてしまう。
結果的にセフィロスがエアリスを殺したが、元々はクラウドがエアリスを殺そうとしていた。

ジェノバは、たまたまセフィロスという思念体を利用し、クラウド達に戦いを挑んだに過ぎないのかもしれない。セフィロスの体を黒マテリアの媒体に利用したのもたまたまだとしたら、セフィロスの肉体を破壊しても、今度はクラウドを媒体として利用するかもしれない。

ジェノバはジェノバ細胞を埋め込まれた者の死後の思念体まで利用しようとする。ジェノバは何度倒しても復活して敵として現れた。もし思念体が敵として現れているなら、ジェノバを物理的に葬り去る事はできないのかもしれない。だとしたらメテオが発動されるのは時間の問題であり、それ自体を阻止できるとは思えない。

エアリスはメテオに対抗する為のホーリーとしてどうしても必要になる。

だが今の時点でクラウド達にホーリーやメテオ、ジェノバ等を説明して判るのだろうか。
ゲームの中で終盤を迎えた時のプレイヤーでさえ、ジェノバのカラクリを理解していたとは思えない。漠然とした敵としか認識していなかった様に思う。

【世界を守る為にはホーリーを。ホーリーを得る為にはエアリスを】

恐らくジェノバとセフィロスの脅威を理解しているのは古代種であるエアリスしかいない
エアリスなら話が通じるかもしれない。

【神羅は約束の地に導いてくれるという古代種を求めている】

神羅は約束の地を探している。魔光エネルギーの宝庫であるといわれる土地を古代種の血を引いた者が導いてくれていると信じている。その古代種は神羅に付け狙われていて、ミッドガルから逃げたがっている。だからミッドガルを出るなら彼女も連れていってあげたい。

それからエアリスの親はいい人だから、マリンを預けるとしたら、その人に頼めばいい。

古代種のワードを出したみたが、クラウド達はピンと来ない様だった。

エアリスがクラウドに出会うのは偶然であり、クラウドがザックスの剣を所持しているから、気になってついてきただけ。

エアリスがタークスに付け回されていた過程があってこそ、クラウド達は古代種について真剣に考える機会があったということ。今のタイミングでエアリスの必要性をクラウド達に分からせる事はできないのか?

「実はエアリス、オレの彼女なんだ。ミッドガルを出るというなら、一緒に連れていきたい。」

他の訳が見つからない。
はっきり言って苦肉の策だった。

エアリスは普段、ミッドガル五番街のスラムにて花売りをしており、教会で育つ草花の世話をしている。そこに行けば会えるはず。

エアリスと会ったら、まずはザックスの話をしておくべきか? 

ザックスはクラウドに武器を託して死んでしまった。神羅兵に殺された。そう伝える事に意味はあるのか? 無駄に傷付けるだけだろうし、信じるだろうか?

白マテリアを使う時がきた。と言うのはどうだろうか? それだけで察してくれるのなら有り難いが、エアリスがホーリーの重要性に気付くのは、古代種の神殿に行ってからだったはず。神殿の知識からセフィロスがメテオを求めている事を知る。

神羅に両親を殺された事はエアリスは知らないから、エアリスがミッドガルから出たいという意識は今の時点では低いかもしれない。神羅も建前上、約束の地へ導くエアリスに機嫌を損ねられたくないから、酷い扱いはまだしていない。

エアリスがミッドガルから出られたのは、神羅が7番街にプレートを落とした事や、そこからせっかく助けたマリンを人質に取られて神羅に無理矢理連れて行かれたこと、また北条の実験にされそうになった事が大きいだろう。
ミッドガルを捨てる踏ん切りがつくようなイベントがあったからともいえる。

エアリスの父親がジノバ・プロジェクトの責任者たったことや、エアリスの故郷が父親が神羅から逃亡した先のアイシクルロッジであること。父ガストはエアリスが生まれてまもなく後任の宝条博士に暗殺され、エアリスは母イファルナと共に神羅に拉致され監禁されて育つ。その後イファルナはエアリスを連れて脱走するが、その道中で死亡し、幼いエアリスは母の死に居合わせたスラム街の育ての親に引き取られる。

これらの情報はエアリスが死んだ後、クラウド達が知るる情報であり、今のタイミングでエアリスが知っているとは思えない。

もしエアリスにこの事実を知らせたら素直に信じるだろうか? 神羅に疑いの目を向ける事になっても今直ぐミッドガルを出る理由にまではならない気がする。。

エアリスをミッドガルから連れ出す以上に困難かもしれないのが、レッド13ことナナキだろう。彼を神羅に放置したままで良いとは言えない。北条にどんな実験をされるか心配である。

「レッド13という男が神羅に誘拐されている。
コスモキャニオンのフーゲンハーゲンの孫である」と言えばバレットは反応するだろう。アバランチはコスモキャニオンの星読み学を元に設立された。ナナキを助ける分にはアバランチはチカラを貸してくれるかもしれない。

そういえばエアリスは星の声が聞こえるチカラがあったはず。メテオのピンチが訪れたら、古代種の神殿なり、忘れるる都に行こうとするはず。その時、神羅の飛空艇をかっさらい、その時、エアリスを迎えに行けばいいのかもしれない。 

とりあえずレッド13からだ。

バレット「お前はなんで神羅の内情に詳しいんだ?」

確かにそうだ。神羅が古代種を求めてると言ったり、フーゲンハーゲンの孫が誘拐されていると言ったり、一般人では知らない情報。

外の世界から来たと言ってみるか?


「はあ? この世界はゲームの世界だって?」

バレットは笑ってみせた。
その反応は正しい。でもだからこそ、この先に辿るバレットの運命を知っているともいえる。 
ダインが生きているのを知っているし、そのダインは正気を失っていることも。

ダインはコレル村の事件を機に心を病み、、人間、世界、自分さえもなにもかも壊したい衝動に駆られている。

実際に何人もの罪のない人を殺したダインについて。バレットは今更何もできない。。ダインの娘であるマリンは生きている。そう伝える事はできるがダインは、死んでしまった母の元にマリンを送ろうと言い出す。バレットは正気ではなくなっていた親友と戦わざる負えない状況になってしまう。

ダインからは、マリンを抱くにはこの手は汚れすぎたと言われ、妻の形見であるペンダント渡される。ダインは、マリンを泣かせるなよと言葉を残し、底なしの崖に身投げをする。

アバランチが魔光炉を破壊していたら起こっただろう未来においてバレットは、「魔晄炉を爆破して罪なき人の命を奪った自分の方こそ汚れている」そう言って絶望しながらダインの死を二度も受け入れないといけなくなる。 


バレットはこの話を真剣に聞いていた。

ゲームの世界にしては不幸過ぎる話。
子供向けの話ではない。
だがバレットが歩むシナリオである。

だがゲームの世界だとしても同じ事が起こるとは限らない。ダインが人を殺してるとしても、ダインは人を殺した事を苦しんでいる。だからこそ自死を選んだ。
ダインに罪を重ねさせない様にできるのは、バレットしかいない。今度は生きる様に説得する事ができるかもしれない。


シナリオ通りならジェシーやウェッジ、ビックスは死ぬ事になるし、ティファとクラウドは戦いの果てにセフィロスを倒せるが、セフィロスの残したメテオかあるいはライフストリームがメテオと戦ったことへの後遺症でミッドガルの子供達は病気になる。

これらの話を信じて貰うにはクラウド達しか知らない事を聞かせるしかない。

たとえばティファは子供の頃、友達と一緒にニブル山に登り橋から落ちたこと。クラウドがティファを助けて下山するも大人達から攻められた事。
ダンカンという人から武術の指導を受けたこと。

たとえばティファとクラウドが将来を語り合った給水塔での話。
クラウドは英雄と呼ばれたセフィロス、ジェネシス、アンジールの様なソルジャーに憧れていたこと。

クラウドが魔光中毒にあり、ザックスの記憶とごちゃまぜになっている等の話も、まずは私が外の世界から来たというのを信じて貰う必要があるだろう。

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飛空艇の存在。飛空艇がレビテトの様な作用で浮いているなら、レビテトの様な宙に浮くマテリアは作ろうと思えば作れるかもしれない。

神羅がその技術を非公開とし独占しているとすれば、制空権を支配したいからで、この技術が他国(ウータイ)等に渡るのを恐れてるのかもしれない。

水系のマテリアも作れるものの作らないだけなのかもしれない。神羅は不祥事を起こしたとき、火を使って街を焼き、諸々を隠蔽しようとする。効率の良い火消し魔法が普及していると証拠隠滅の弊害になる。


『もういい。』
バレットの一言で空気が変わる。

『お前の話、全てを信じる訳にはいかない。だが、ダインが生きている事は信じたい』

バレットはマリンを連れて行く決断をしていた。

『ダインが生きてるならマリンの顔を見せてやりたい。』

マリンを目の前にすればきっとダインは死なない。マリンを死んだ母親の元に連れ行こうとか心にも無い事は言わないはず。

『ダインは親に戻る資格が無いと思って身投げしたんだろ。だったら資格なんていらない事を証明してやる。俺は親になる資格なんてないけど、マリンの親だ。オレはまともな親じゃないけど資格なんて関係なくやってきた。ダインにだって、きっとできる。』

ダインは親友であるから信じる。きっと絶望を乗り越え、前を向いて生きてくれる。それがバレットの考え方だった。


『お前の話が本当ならレッド13はアバランチと同じ目的を持つ者。放ってはおけない。ジェシー! 神羅に乗り込む為にはどうすればいい?』

「既ににいくつか偽造した社員証があるわ。それを使えば正面玄関から堂々と入れるはずよ。」

そういえば神羅にはセキュリティが施された階層があった。ゲームではセキュリティを突破するギミックが都合良く散らばっていたが…

『レッド13を救出したらオレはそのままミッドガルを出る。古代種とか、エアリスについてはよく分からんから、そこはお前がなんとかしろ』

『もし俺達が戻らなかったら、マリンの事はお前達に任せた。』

神羅に行く俺達というのは、クラウド、バレット、私。

クラウドは戦力的に必要。バレットはリーダー兼見届け人として、私が選ばれたのは当然レッド13の顔を知るのは私だけだから…

クラウドの言葉が思い出される。『神羅に捕まったら実験体にされる。』

北条博士が頭に過る。レッド13とエアリスを交配させて古代種の遺伝子を残そうとか考えるマッドサイエンティスト。異常な人だ。

レッド13の奪還に失敗してもし私が捕まるなら…

ステータス画面を開き私の強さを確認してみる。ついでにクラウド達のレベルを見る。

神羅攻略にはクラウドとバレットのレベルが20くらい欲しいところだが、二人共まだ一桁である。
修行してから神羅に潜入する方がいいだろうが、それにしても私のステータス…

クラウド達と比べてステータスが半分もいかない。にも関わらずレベルが37になってる…

伸びしろがない!

ミッドガルの敵をいくら倒してもレベルは上がらないどころか、ボス戦等で一撃でもダメージを受けたら終わる。フェニックスの尾で助かるとはいえ、痛みに対する対策ができないと、この先やっていけそうにない。

マテリアの組み合わせで何とかならないのか? 
私の場合、マテリアが近接しててもチカラを発動できるという特異体質。ステータスUPのマテリアを大量に身体に貼り付ければ、低いステータスを補えるかもしれない。

同時魔法についても特典があるはず。冷気、炎、雷を3つ持てば、水ボールで敵を包んだまま電気を浴びせされるかもしれない。無駄なく電気を浴びせられ、普通にサンダーを使うより、威力が増すかもしれない。

外に出て色々練習試してみる。

バレット「お前何やってんだ? 神羅にこれから突入しようって時に、まさか今からレベルを上げるつもりか?」

え? でも神羅ビルには機械的なボスが出ますし、今のクラウドさん達のレベルでは勝てないのでは?

「お前のいうゲーム世界がどんなものか知らんが、実際に戦ってみないと判らないだろう? 神羅にいるセキュリティマシンのレベルが実際に俺達より高いかどうか決まった訳ではないだろう」

確かにそうだが、少しばかり命知らずの様な…

「オレは今すぐにコレルに行ってダインの存在を確かめたい。急いでいるんだ。こうしてもたもたしている間に、あいつは誰かを殺して罪を重ねているかもしれない。あいつが意味もなく人殺しするなんて信じちゃいないが、いてもたってもいられないんだ」

そういう事なら、バレットとマリンさんは一足先にミッドガルを出てコレル向かう方がいいのでは?

「あ? オレなしで神羅と戦えるってか?」

そういうつもりで言った訳ではないのですが…

「バレット、神羅ならオレ一人でも十分だ。」

クラウドさん、何を言っておるのですか?

「オレは思い出したんだ。クラス1stのソルジャーであるセフィロスをオレは倒した。オレは今やミッドガルで一番の強い者といえる」

確かにそうです。だけど原作での初期レベルではセフィロスに遠く及ばないステータスだったはず。セフィロスがクラウドに倒されたのはあくまでも戦闘外。故にステータスの因果関係とは関係のないチカラが作用していたのではないかと私は推察するところであります。

「だがオレはセフィロスに勝った。セフィロスに勝ったのだから、他の雑魚に負けるはずが無い」

やはり魔光中毒。ライフストリームの影響か… 

自信過剰なクラウドさんの強い押しにより、神羅に潜入するのはクラウド、ティファ、わたしに決まった。
ジェシーとビックス、ウェッジはセキュリティのハッキングや扉を爆弾で破壊したり、逃走ルートを確保する等の支援を行うことに。

計画は順調に、滞りなく進んだ。

想定と違っていたのはエアリスが神羅に捕まっていた事だった。

原作の時系列でいうと、クラウドとエアリスが教会で出会った日。その日タークスはエアリスを捕まえていた。レッド13とエアリスとを交配させようとする試みが北条の研究室で行われようとしていた。

原作ではレッド13は透明なガラス壁を破壊し、北条を襲った。その後、クラウド達のメンバーに加わるが、私達は今回、その場には立ち会えなかった。

レッド13は北条を倒した後、エアリスを背に乗せると、神羅ビルを下階に駆け抜け、そのままミッドガルを出ていた。

レッド13はエアリスと共にコスモキャニオンに向かったのだろう。

神羅は実験体と古代種が逃げ出した事で騒ぎになっていた。私達はそれに気付き追う事にした。


港街ジュノン。コレルに向かうのも、ニブルヘイムに向かうのも、まず海を超えなければいけない。その前に立ち塞がるのが、港に生息する津波を引き起こすモンスターと、沼地に潜むミドガルズオルムだろう。後者はチョコボで避けられるとしても、前者はどうすればいいのか。

ジェシーとビックス、ウェッジはどこから調達したのかマシンガンを所持していた。
恐らくミドガルズオルムもそれで撃退できるかもしれない。


ジェシー「あなたミドガルズオルムと戦うつもりだったの?」

「あんな遠回りの陸路で行く必要なんてないよ? ミッドガルからジュノン行きの船がでているわ」

ミッドガルの西にある港。3番街からバスターミナルにて行けるそう。
ジュノンへ行き、そこからリゾート地区、コルダデルソルへ行けるらしい。
船にはバイクや車も乗せられるそう。
私達も車とバイクを所持したまま海を渡るらしい。原作と違う展開…。クラウド達は逃亡者だったから、ミッドガルの港が利用できなかったという事か?  

バレットとマリンも当然、西の港から海を越える。エアリスとレッド13はどうなのか。港は神羅兵が監視しているが…そのルートを使うのだろうか? レッド13は神羅兵の制服で変装して乗船していたので、今回も誰かに変装しているかもしれない。

原作では北条は浜辺でバカンスをしていた。北条はクラウド達が遠回りの陸路で進んでいる間にエンジョイしていた。
あの時、北条と再会しても敵対する事はなかった。実験体に逃げられたというのに、クラウド達の行動を邪魔する訳でもなく、神羅に通報する事もなかった。

北条の思惑を思い出してきた。
メンバーにエアリスがいる事で、エアリスが約束の地に導いてくれると思い、放置したのだろう。クラウドの存在についてもそう。

たしか北条はジェノバをエアリスと同じ種類の古代種だと思い込んでいた。
ジェノバ細胞を埋め込んだクラウドも古代種と同じ様な存在になっていると思い込んでいて、クラウドが向かう場所に、約束の地があるのだと。
たから北条はクラウド達を放置していた。

今回も北条と再会するなら、放置される事になるだろう。神羅にクラウドを監視する様な司令を出してくるに違いない。
そうであれば、北条の狙いはエアリスの脱走も織り込み済みなのだろう。ミッドガルから出てエアリスが約束の地に導くと考えているとすれば、エアリス達がコスモキャニオンへ行く道中を邪魔するとは思えない。

結局、エアリスは監視されている。北条の手の上でいいように利用しされている。

だが、今回は私がいる。今度は逆に北条をいいように利用させて貰う事にしよう。

北条を誘拐する


北条は神羅の抱える極秘技術を知り尽くしているはず。 誘拐して拷問でもすれば飛空艇の技術が得られるかもしれない。必要な情報が得られればシドやジェシー達のメカ技術にて空飛ぶバイクや空飛ぶタイニーブロンコ等を作れるかもしれない。

北条がもし呑気にバカンスしているのであれば、完全に狙い目である。



北条は原作と同じ様にビーチパラソルの下で寝そべっていた。護衛もつれず、とことこん無防備である。

ビックスとウェッジが銃で脅し、車に連れ込む

北条「お、お前達はなんなんだ!?

ビックス「俺達はお前の技術に興味ある。飛空艇のな

北条「はあ? 飛空艇?…

ビックス「惚けて無駄だそ。開発中のものかあるだろう。その技術を俺達にも貸すんだ。

北条「そうすれば命は助けてくれる?

ビックス「ああ、命の保証はしよう。

北条「教えてやりたいが、あれは私の専門外でな…。飛空艇の技術は軍部門のハイデッカーなら知っているだろうが…

「ならハイデッカーをここに呼び出せ。

北条はハイデッカーに電話をかけ始めた。

北条「ハイデッカーか? 今、ビーチでバカンス中なんだが、お前に会いたい人がここに沢山おるぞ。」

「そうだな…。みなピチピチしていて、オシリがくいっとなっとるぞ。男前のお前さんの話をしていたら、電話で呼び出せとしつこいのだよ…」


「今すぐ来るらしいよ…」


しばらくすると、ヘリの音がビーチ響いた。
ハイデッカーはエアポートに降り立ち、ビーチへと向ってくる。
護衛を引き連れている様で、クラウド達は護衛に不意打ちを食らわした。
ハイデッカーを車に引きずりこむ。


ハイデッカー「は、はめおったな北条!

北条「なんとでも言うがいい。

ハイデッカー「北条、貴様! 脅しに屈しておいて、開き直るつもりか。

北条はため息をつくとハイデッカーを見下した様に言った。
「命にはかえられんよ。」

北条は、そんな事も判らぬとは馬鹿者よ。と言わんばかりに、やれやれといった顔をしている。


ハイデッカー「ひ、飛空艇の技術だと!? そんなもの教えたらワシの首が飛ぶだろうが。

ビックス「今、飛んでも良いのだぞ

ハイデッカー「わ、判った。教えるから。教える前に一つ確認していいか。

ビックス「なんだ?

ハイデッカー「飛空艇の設計データは神羅にある。セキュリティ上、持ち出す事はできないから…

ビックスは銃を突きつけた

ハイデッカー「持ち出しますよ! セキュリティを突破して持ち出してきますよ! でも持ち出すにも一度神羅まで戻る必要が…


ハイデッカーを開放したら逃げられる可能性がある。ハイデッカーの親族等を人質にとる必要がある。
ハイデッカーの携帯から家族をビーチに呼び出す様に指示した。

家族はハイデッカーが家族サービスしてくれるものと思い、意気揚々とビーチまで来た。

ハイデッカーは家族を人質に取られ、やむなく、アバランチに軍事技術を横流しした。

ハイデッカーから得た情報は、極論すればマテリアの製造技術だった。
大規模な設備が無ければ役に立たない。

ビックス「これじゃあ、話にならんな。もっと実用性のあるものを渡せ。武器や防具、マテリア。それを持ってくれば開放してやる。

ハイデッカーはもう一度神羅に戻った。

〜ハイデッカーから得られたアイテム〜

鎮静効果のマテリア
興奮効果のマテリア
記憶操作のマテリア
操るマテリア
透明化のマテリア
変幻のマテリア
テレポートのマテリア
異空間操作マテリア
時越えテリア
水のマテリア
飛行マテリア
各種マテリア色々
敵の技マテリア
テレパシーのマテリア


ビックス「イマイチだな…。飛空艇をもってこい。」


クラウド達は飛空艇を手に入れた。

バレットに電話をかける。バレットは今、コレル村にてダインと一緒にいるという。
鎮静剤とマリンのおかげか、おとなしくしているという。

クラウド達は飛空艇をコレル村へ向けた。

ダインとバレット、マリンを回収し、
コスモキャニオンへと向かう。

コスモキャニオンにてエアリスと出会ったクラウド達。ザックスに似ているクラウドに興味を持つのは自然な流れで、二人は自然と会話を繋げていく。


やけに順調過ぎる。いや、異常なくらい順調に物事が運び過ぎている。
果たしてこのままニブルヘイムに行って良いのか? 

そもそも原作においてニブルヘイムに行く意味はあったのだろうか?

物語の核となる部分は古代種の神殿で黒マテリアを得てからだったと思う。神殿でメテオが発動されるという黒マテリアを得てから、クラウドがジェノバに操られ、セフィロス思念体(幽霊)に渡してしまう。

クラウド達はなぜ古代種の神殿に向かったのだっけ…? そしてなぜ都合良く、そこに思念体のセフィロスが現れたのか…

たしか特別目的があって神殿に向かった訳ではなかった。たまたま発見し、エアリスが神殿から聞こえる古代種の声に誘われて…

神殿には複雑な仕掛けがあり、それを解かなければ先に進めない。
また神殿から黒マテリアを取ろうとすると、神殿の防衛機能により、圧縮して消滅する。中にいる人間を押しつぶしてしまう仕組みにて、黒マテリアは外に持ち出せない仕組みなっていた。それをアバターであるケットシーによって無理矢理持ち出した様なもの。

そこに都合良くセフィロスが現れたのは、やはりクラウドの目を通して、黒マテリアの位置を把握していたからだろうと思う。

もしかしてジェノバは最初からクラウド達を神殿に向かわせる様に仕向けていたのではないか? 

ジュノンの船内にてジェノバと戦った際、セフィロスはイフリートのマテリアを落としていった。
まさか戦闘の報酬に落とした訳でははないだろう。何らかの意図があってわざとクラウド達の戦闘能力を強化させようとした。

その意味が古代種の神殿を攻略させる為にチカラを与えたのだとしたら…

セフィロス思念体だけでは神殿の黒マテリアは取りに行けない…ということか? 神殿のセキュリティはジェノバを拒んているが、それをクラウド達が解いてしまうとして…

だがエアリスは星の声が聞こえるはず。ジェノバの思惑についてライフストリームから情報を得られたりしなかったのか?

そういえばエアリスは幼少の頃、一時的に北条に連れ去られ監禁されていた事がある。もしエアリスにすらジェノバ細胞が埋め込まれててて、エアリスすらもジェノバの干渉を受ける存在だったら…


断言はできないが、可能性はあるかもしれない。原作では、エアリスはホーリーを正しく実現できたのかすら良く分からなかった。メテオの脅威を防いだのはホーリーというより、ライフストリームによるものだった。

星の危機を察知してライフストリーム自らメテオと戦った。しかし、ライフストリームは星の命と言われるもの。命を消費して世界を守ったのなら、その代償として何かがあってもおかしくない。その何かがアドベントチルドレンとして、新世代の子供達に病気を与えたのかも。

神殿には行かない方がいいだろう。
もし神殿が消滅する様な自体が起これば、黒マテリアがセフィロスの手に渡ったということ。ホーリーの準備は神殿の消滅を確認してからでも遅くはない。

しかし、飛空艇を手に入れた今、世界のどこにでも行ける。
エアリスとメンバーの探究心はいずれ古代種の神殿へ向かうかもしれない。

要注意である。
もし、このまま何も起こらず古代種の神殿が消えないのであれば、メテオの問題もなく、この世界は平和を維持できるだろう。平和を維持できるということは…

ゴールは何時になるのだろうか?


ゲームクリアの終点が見えないということは、私は元の世界に帰れないということか?
そもそもラスボスを倒して帰れる保証も無いのだけど…

神羅から得た異空間操作のマテリア…
このマテリアを使うと、空間に穴が開き、別の異世界に行ける様になる。
使ってみたが少なくとも私の知る地球ではない。どうする? 先に進んでみるか?

神羅から得たもう一つ不可解なマテリアが時越えのマテリア。
念を込めると、身体から魂が抜け、過去の好きな時間を見に行ける。
古代種とジェノバの闘いの時代。それを見ておけばジェノバへの対策へのヒントが何か見つかるかもしれない。


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〜ジェノバの詳しい情報〜

https://wikiwiki.jp/ffdic/設定/【ジェノバ】%28JENOVA%29

ジェノバについての知識、作者自身、中途半端なレベルなのだと今になって気づく。 

原作においてのジェノバは不明な点が多い。
例えばジュノンの貨物船内でジェノバと戦った際、ジェノバのサイズはクラウド対比で10m程度あった。

神羅ビルで目撃した頃は1m程度の半身体だったジェノバ。それをセフィロスが持ち運んで、たった何日かで、10倍に成長した事になる。ジェノバの身体が再生しているのか、それとも成長しているかは不明だが、数週間も放置すれば巨大隕石の様なサイズになるかもしれない。北の大地にジェノバが飛来することで、大空洞のクレーターが生み出された設定を考慮すると、恐らくジェノバはメテオ等に頼る必要もなく、星を破壊できる存在かもしれない。

原作では、ジェノバと戦う場面は多々あった。
その都度ジェノバを破壊し、再生速度を遅らせていたのなら、今回それを怠った分、ややこしい事になるかもしれない。

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■見解

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古代種とジェノバの戦争を見てきた。
感覚としては、正義はどちらにもない様に思えた。
ジェノバが天から訪れた厄災とするなら、古代種は次元に穴を開けて混沌をもたらす厄災だと言えた。

古代種は次元に穴を開けて惑星間を旅する民族で、ジェノバは宇宙を旅する生物で、2つが出会う時、より大きな混乱が宇宙全体に起こる仕組みなっている。

例えば召喚獣は呼び出す都度、時を操作し、次元に穴を開けて連れてくる。古代種の時間操作、次元操作は、宇宙全体的のルールに違反し、ジェノバは命の道徳に違反する存在であるといえる。

古代種とジェノバの戦争が泥沼化したのは力が均衡しているだけ、ただそれだけの事だった。

エアリスの所持している白マテリア。聖なる力ホーリーはこれまで何度も使われたもので、役割としては邪気を払うものだった。ジェノバやセフィロスの様な思念体を浄化するものだった。

一方、メテオの黒マテリアは単に古代種にとって、土地を耕す道具の様なものだった。大地を破壊して一から開拓する為の目的で生み出されたマテリアだった。

ジェノバは古代種にウイルスを感染させ殺そうとした。たが古代種は死して尚、思念体として世界に影響を与える力があった。ジェノバに感染したせいでジェノバの思想が古代種の思念体に混ざってしまったのだ。

ライフストリーム内にいるのはオリジナルのジェノバではない。ジェノバはライフストリーム内に封じられたのではなく、ライフストリームと入り交じっただけ。

先代の古代種はジェノバを封印なんてしていなかった。封印したと嘘をつき、民を厄災の絶望から目を背けさせ、安心させただけだった。
そうして束の間の平和を得て、ジェノバの問題は未来人に任せた。

実際はライフストリーム内でジェノバ思想がうごめき、時と共に成長する。そして定期的にセフィロスの様な悪さをするジェノバ由来の思念体が地表に現れる。それをホーリーで浄化してライフストリームに返す役目が白マテリアにあり、それがエアリスに与えられていた。

しかし古代種の祖先は代を重ねる度に純粋な力を失っていき、エアリスは古代種としては、星の声を聞く力が相当レベルに退化していた。

エアリスは何の為に白マテリアが創られたのか、何の為に黒マテリアが生み出されたのかまでは理解する力を失っている。

ジェノバ(邪気)に対抗する手段はホーリーだけではない。星をジェノバに譲り、惑星を去ることでも同じ効果は得られる。

古代種がジェノバ制圧に執着したのは、自分達の影響力、正義感に過信していたところが大きい。
召喚獣を呼び出す様に次元の穴を操作すれば、ジェノバの存在しない星に逃げる事ができた。

逃げた先にジェノバを連れてくるかもしれないリスクを受け入れられなかったこと。ジェノバを制圧できるという過信が元になって、今のFF7世界が出来上がっていた。

問題はエアリスが死に、白マテリア(ホーリー)が使える者が居なくなった場合にある。

ライフストリーム内で蠢くジェノバ思念は時と共に成長し地表に現れる。それがホーリーで浄化されない場合、いずれ思念はセフィロスの様な遺体を操って古代種の知識(マテリア等)にアクセスし、次元の穴あけ、こちら側の世界(地球)にやってくる。その時、【ジェノバは人間に何をするのか?】ということ。

人々を殺すのか、それとも共存するのか、
ジェノバは天からの厄災ではなく、次元の穴からやってくる厄災になるかもしれない。


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■FF世界の研究

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原作のエメラルドウェポン戦や他の原作FFでもそうだが、水の中においてもファイアを発動できる。水の影響を受けない火炎魔法は水では消せない。そう思い試したら火は水でしっかり消えた。

発動順番が重要であり、最後に発せれた魔法の属性が優先権を得る。

この仕組みで何か起こるかといえば、宇宙空間においても『火が着く』ということ。
酸素の様な可燃性元素がなければ本来火は着火しない。神羅は宇宙開発を断念したが、地球と比べたら遥かに宇宙開発が容易である環境だろうと思われる。

もしFF7世界と地球が同じ宇宙内に存在しているなら、魔法工学で特殊な宇宙船を作り地球に帰る事も可能であるかもしれない。


マテリアの同時発動は、やり方を工夫する事で威力は倍増した。

たとえば水と雷の組み合わせ。
通電性が相対的に高くなるのか、雷は地面に抜けて逃げるよりも水の中を優先的に帯電して無駄なく敵にダメージを与えた。雷ボールはどんな敵にも有効で、チートかと思う位に良く効いた。

また火と冷気の組み合わせも、最後の魔法が優先権を得るので、発動をワンテンポ遅らせるだけで、相殺しあわず、独立してダメージを与えられた。


そして何故か【わたし】の場合『れんぞくぎり』のマテリアを持つと、4回連続魔法が発生する。『ぜんたいか』『れんぞくぎり』を二つの作用も何故か両立し、モンスターを軽く無双できてしまう。魔力が無いので、常に大量のエーテルが欠かせないが、そのエーテルには困ることは無かった。 

れんぞくぎりのマテリアもそうだが、飛空艇内はある種の兵器倉庫になっていた。

つまり飛空艇内にはレアマテリアの『れんぞくぎり』とユフィの最強武器、不倶戴天があった。

神羅はプレジデント社長がセフィロスに殺された一件から、セフィロス討伐の為にと船内に多くの兵器を積んでいた。

原作においての、この飛空艇は本来、海底に沈む物だった。
セフィロスが黒マテリアを得た後、星の危機を察知してウェポンが目覚め、その襲撃で墜落し、海底に沈む予定だった。

沢山の兵士達が乗船する予定だった飛空艇であり、沢山の武器や防具、アイテム等が積み荷されていた。

神羅にとってはクラウド達が飛空艇を得た事は大打撃かもしれない。今頃、ハイデッカーと北条がどうなっているのか、考えると少し哀れになるが、クラウド達が当面の武装に困る状況ではない事をハッピーに考えるべきだろう。

タークスがヘリで追いかけてくるかもしれない事と、第二の飛空艇(原作でクラウド達が強奪する筈だった物)が存在しているのが少々気掛かりではあるが…

ところでユフィの存在。
ユフィの不倶戴天の特性は遠距離タイプの武器で、レベルの高い敵ほどダメージ増加する特殊加工がされている。是非ともユフィを回収したいところ。だが、すっかりユフィの存在を忘れていたので、今どこにいるのか検討もつかない…。

とはいえ過去の世界を見れる時超えのマテリアを使えば、ユフィの行方は判るはず。コンドルフォート近くの、森の中にいるはずだから、そこから辿ればいい。

魂を飛ばして探している最中、コンドルフォートを見つけた。
魔光炉の上で卵を温めている巨大なコンドル。
その足元にキラリと光るものを見つけた。恐らくフェニックスのマテリアだろうと思う。
確かコンドルフォートの住人はコンドルを守るのと共に、魔光炉の運用反対の立場を取り、神羅と戦争をしていた。
その戦争に加わり、成果をあげる事でフェニックスのマテリアが景品の様に貰える設定だったはず。

フェニックスのマテリアは強力で、使うと
不死鳥が召喚され『転生の炎』により、敵全体を火炎で攻撃しながら味方全体を完全蘇生させる。。消費MPが非常に多いのは難点だが、船内に備蓄されているエーテル類と組み合わせると、今の段階ではFF世界に潜む主要な敵キャラは、向かうところ敵なし、であるかもしれない。

フェニックスのマテリアは是非とも確保しておきたい。今は手元に変幻のマテリアがあるから、後で飼育員にでも成りすまして取りにいけばいいとして…

そういえば飛行マテリアなるものを神羅から確保していた。空を飛べるので、海チョコボでしか行けなかった場所、ナイツオブラウンド等も取りに行ける。それさえ確保しとけば戦闘面の不安は無くなるだろう。

が、一先ずわたしはユフィを探した。
ユフィは森の中にて野糞をしているのか、気張っていた。
とうしよう、見るつもりは無かったけど、私の中のユフィ像が崩れてく…
メンバーに加えるのは、よそうかな…。
まだ高校生くらいの子供の様だし、セフィロスとの闘いには連れて行かない方が良い気がする…


あとがき


オリ主である『わたし』とクラウド達は気付いていないが、既にセフィロスは船内に入り込んでいた。

セフィロスは分割して存在している。ひとつは北の永久凍土の中にてライフストリームと共に結晶化したセフィロスと、プレジデント神羅を殺した思念体『幽霊の様なセフィロス』である。

セフィロス思念体はジェノバ細胞が埋め込まれた者に憑依し操る事ができる。

セフィロスがクラウドに寄生すれば意識の半分を乗っ取る事ができる。古代種エアリスがメテオを防ぐ存在だと今はまだこの段階ではセフィロスは知らないが、知ればいつ殺されてもおかしくない。

もう一つの危機はジェノバが自立して動き始めたこと。
ジュノンの貨物船の中で体長が10m程に成長していたジェノバは今回クラウド達に破壊されなかかった。

下船後、急速に再生し、今では50mの巨体になっている。
海溝に隠れ潜み、北の大空洞に飛来した頃の巨体隕石のサイズまで戻ろうとしている。
その危険について、その時がくるまで『わたし』とクラウドメンバーは気付かない。

オリ主の『わたし』は過去の世界を見てジェノバが巨大化する現象を知ってはいるが、ジェノバは途中、巨大化をするのを放棄、人に成りすまして、人に紛れて生きる道を選んでいた。

セフィロスはジェノバを『母さん』と呼び母親の様に慕うが、ジェノバにとっては神羅から連れ出してくれたセフィロスこそが恩人であり、『母さん』だった。

セフィロスの為に巨大化して、メテオと同等の存在になろうとするジェノバは、そもそもセフィロスに操られている。

元々はライフストリームに溶け込むジェノバに感染した人々の絶望の思念が、ライフストリームに落ちたセフィロスを天然のマテリアの様に固めた。

その絶望の思念がセフィロスを悪の道へと操り、セフィロスはジェノバ本体を悪の道へとを操る。そういった複雑な関係性になっている。

作者が、この可能性に気付くまで時間をかなり要した分、オリ主である『わたし』が気付く頃には時間切れになっている可能性が高い。故にクラウド達は後手にまわるしかなくなるのだ。

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もうひとつのシナリオ

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