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頸部の解剖(関節編)

今回は頸部の解剖について考えていきたいと思います。

正直僕自身も首を触ることには若干抵抗があり、極力触りたくないというのが本音です。

アメリカにいるときにカイロプラクターの先生が選手の首をボキボキっとやられているときには、
僕には一生できないなーっと思っていました。

しかし、
やはり頸部に問題がありそうだなと思うことは多々あり、
なんとかしたいと思う今日この頃です。

容易に触ることのできない首を今回は触れるように理解していこうではないかというのが今回の内容です!!

ではでは、
頸部の解剖(関節)を紐解いていきましょう。(今回は関節編のみです)

頸部の解剖 (関節編)

頸部の解剖を理解するためにはまず3つの関節を理解する必要があります。
1. 環椎後頭関節 2. 環軸関節複合体 3. 第2-7頸椎間の椎間関節

では一つ一つ見ていきましょう。

1. 環椎後頭関節

環椎後頭関節は環椎(C1)に対して頭蓋が独立して動くことを可能にしている関節です。
この関節は後頭骨の突出した後頭顆が環椎上関節面の凹みとで構成されており、
関節の前方は前環椎後頭膜に覆われており、後方は後環椎後頭膜に覆われています。
この凹凸を利用して頭頸部の動作を可能にしています。

この環椎後頭関節の主な動作は屈曲と伸展(屈曲約5°・伸展約10°)・側屈(約5°)であり、回旋動作には制限されています。

2. 環軸関節複合体

環軸後頭複合体は2つの要素(正中環軸関節と一対の側方の椎間関節)で構成されています。
正中環軸関節は軸椎の歯突起(C2)が環椎の前弓と横靭帯によって形成された骨-靱帯輪を突き抜けて形成されます。
正中環軸関節は前方と後方に2つの滑液包をもち、この2つの滑液包が水平面の安定性に大きく寄与しています。(環椎横靱帯)環軸関節の2つの椎間関節は軸椎の上面と環椎の下面との間で形成されています。

この環軸関節複合体の構造では、頭頸部内の水平面で起こる回旋の約50%が起こります。
主な動作は屈曲と伸展(屈曲約5°・伸展約10°)・軸回旋(約35-40°)であり、側屈は制限されています。
環軸関節複合体でできない回旋は頸椎内関節によって行われます。

3. 第2-7頸椎間の椎間関節

C2-C7の椎間関節の関節表面は前額面と水平面のほぼ中間の45°の傾斜を持ちます。
この関節は環椎後頭関節や環軸関節複合体と違って3平面の動きが可能です。

主な動作は屈曲と伸展(屈曲約35-40°・伸展約55-60°)・軸回旋(約30-35°)であり、側屈(約30-35°)です。

ここまでがざっくりとした頸部の解剖(関節)でした。
頸部の筋に関してはこの次の記事で解説していきたいと思います。

参考文献

Neumann DA:筋骨格系のキネシオロジー,第 3 版.有馬慶美・他(監訳),p726,医歯薬出版,2018.

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