見出し画像

素晴らしい日々の地盤

選択を重ねていくと、だんだんと自分の人生が固まってくる。

それは幸せなことでもあるし、時々窮屈なことでもあると感じるのは30代半ばを越えた中年世代であれば、誰しも感じたことがある感情かもしれない。

考え、決めたことを実行する。ただ、人生ってそれだけなのだけど、それがなかなか難しい。選択することは”何かを捨てること”でもあるから。

何も決めなくても楽しかった20代を過ぎて、30代は休む間もなく決断して行動した。結婚、転職、治療や手術、出産、引っ越し、復職、転職。派手で珍しい決断はひとつもなく誰もが自然に選び行動するような、ありふれた選択肢ばかりだけれど、都度考えて選んだ積み重ねの「今」はただただ心地が良く、生きているのが楽しい。

先日、保育園に子供を迎えに行くと担任の先生にこんな話をされた。保育園の庭で育てているパプリカに青虫がいた。この青虫をどうしたいのか、3歳児全員で話し合いをしたそう。

お外に返す派が多数、我が子は保育園で飼う派。みんなでじっくり話をした結果、お外が一番青虫にとって幸せだという結果になったらしい。じゃあ、どこに返すのが最適?となった際に、仲間の虫たちがたくさんいる木の幹に帰そうという結論に着地したとのこと。

3歳児でも複数人での議論ってできるんだという驚きと、話し合って当初の意見を柔軟に変えられる我が子にも成長を感じる。家では自分の都合が通らないと嫌だ嫌だとごねているけれど、いつの間にか他人の意見に耳を傾けることができるようになっていたなんて。

そうかそうか、こうやって他人と意見を交わし、時にぶつかり合い、なにかしらの方向を見つけて、ベストなプランを実行していくのだよね。

自身の決断も他者との対話も同じくらい重要で、そういった他人とのぶつかり稽古と自省を繰り返しながら、納得できる人生を送ってほしいなと思う。

私自身も納得できる人生を更新し続けるために、今回2回目の治療を経て妊娠することを選び、2人目の子どもを出産した。42歳の出産に際する心配ごとや乳幼児育児の影響でまた仕事に制限が出てくることを踏まえても、「そうしたい」気持ちが心の中に存在することから目を逸らしたくなかった。

さらに疲れる日々を選んでいる気しかしないのだけど、自分の「そうしたい」を尊重した決断は、きっとより心地のよい毎日をつれてきてくれるだろう。自分のありふれた選択が、自身の人生をしっくりと固めていく。シンプルに楽しいことだな、と思う。

考え、決断して、選択し、行動する。

その繰り返しが”素晴らしい日々の地盤”だ。子どもたちにも、「自分の頭で考え、決めたことを実行する」楽しさを存分に満喫してほしい。

そういえば、この間4歳児に「ぼくのことは、ぼくが決める!」と啖呵を切られた(テレビのチャンネルのことで)。もう、満喫しているのかもしれない。

そんなわけで(どんなわけ)、40代からの2男子育児を頑張ります。そういえば庭に放した青虫は、蝶になったのかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?